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発達障害の「障害」ってナンだ (2)

最初の旅の目的地は、北陸でした。

何をしたのか、細かいことはあまり書きませんが、まずは海を目指してみたのです。視界に入るのは海しかない海岸の宿を予約し、息子が以前からしたがっていた釣りをしたり、のんびり温泉に浸かったり、おいしいものを頂いたり、鉄印をもらいに行ったり。富山地鉄と富山ライトレールが直通してからの駅を見ておきたい、というので富山にも行きました。手を動かしてモノを作るのが好きなので、途中の金沢で、加賀友禅の染付も体験しました。数年前に富山で食べて、家族全員が気に入った「ゲンゲ」というお魚が食べたい、という息子の希望もありました。季節にはまだ早かったので、片っ端から電話をして、干したものではないゲンゲが食べられるお店を探しておいて・・・と、「好き」と「楽しい」に特化した旅です。

(細かいことは書かない、と言っておいて、結局ある程度は書いている笑)

旅の途中は一切、声チックも出ず、「ああ良かった。少しは気持ちがのびのびしたのかしら。改善するきっかけになってくれれば良いのだけれど」と、私は喜んでいたのですが、帰宅してからが大変でした。

帰宅して、2時間程度が経った頃のことです。

息子の身体が、自分の意思とは関係なく、ダイナミックに動き出しました。

・しゃがんだ状態から驚くほど高く飛び上がったり

・ 床を叩くことが止められなかったり

・顔が引きつれるように動いてしまったり

その時は、声チックはなかったのですが、踊っているように身体が動いてしまったり、飛び跳ねるのが止まらなかったりと、そんなことは未だかつてなかったことだったので、とにかく驚きました。

しかも、声が収まった訳でもなく、学校と塾のこととなると、怒鳴るような声が「出つづけて」しまうのです。

どうしたらよいのか、皆目、見当もつきません。

塾のお友達のお母さんから、身体が動いてしまうタイプのチックのお子さんが、病院に通っていて、そのお子さんの場合は薬で治まっている、という話を聞いたことがありました。けれど、私は、息子の場合は何となく違うような気がしたのです。そのお子さんの場合はそれが必要なことだったかもしれない。けれど、息子のこの症状に、薬が必要だとは思えなかった。そして、私がケミカルな薬を嫌いなこともあるかもしれないけれど、薬を飲むことが根本的な解決になるとは、とても思えなかった。

その時思い出したのが、小学校のコーディネーターの先生が仰っていた「かかりつけの小児科医の先生に相談されてみるというのも、ひとつの手かもしれませんね・・・」という言葉でした。

はっきり言って、私は病院が嫌いです。

出来る限り病院には行かずに済ませたい

けれど、この一連の症状が一体何なのかを知るためだけにも、これはもう相談してみるしかないだろう、と、病院に電話をしてみました。すると、何と、養育センターの院長をしていた先生がたまたま相談役としていらしている、ということで、とりあえず相談してみたら、ということになったのです。

お会いした先生は、80代のベテランの小児科医でした。症状や、生まれてから今までの経歴(普通分娩だったか、何か大きな病を経たことはないか、などなど)をひととおりお話した後、先生が開口一番おっしゃったのは

これはね、まあいわゆる発達障害ですねえ

ということでした。

発達障害!?!

息子には全く関係のないものだと、関心を持ったこともなかった言葉が、医師の口から飛び出しました・・・

(つづく)