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小中高大、全部でやって欲しかったけど一度もお目にかかれなかった「今日のお得情報」という『予告』

タイトル画像:小学校の勉強で使う、三角定規など色々な道具のイラスト

今、大学で教える側の仕事もしてます。

当たり前ですが、学ぶという行為は、教わる側はなかなかカロリーを使うものです。教える側も、です。

なので、その時間は目一杯価値を提供したいし、学生側もゲインを得てほしい、と考え、講義の進め方に色々な工夫をしてます。

ふと振り返ると、その工夫、自分が教わる側だった時にあれば良かったのに、というものが多く。

今回はどの学校でもどの教科でもやって欲しかったし、やろうと思えばすぐできる工夫について書いてみます。

そもそも教育はサービス産業でもある

義務教育はそうじゃない、と言われそうですが。

環境が良く進学率が高く勉強の内容も良い私立の学校を選ぶ人はいます。

経済的に選択肢がある人はより良い学校を選べる時点で、サービス産業です。

義務教育側も、そんな私立があるのだから、万が一全部の生徒を持っていかれたら存在価値がなくなります。

なので、こちらも手を抜くわけにはいかない。

もちろん、現場で手を抜いてない事は知ってます。

また、工夫をしたくてもそれを準備する時間もないことも知ってます。

制度設計した奴が悪いんですね。誰だろう。

エンタメ最高峰のハリウッド映画と同じ時間だと!?

90分の講義。

ハリウッド映画だって集中力を保って見てもらうには大変な努力をしています。その上でスタンダードな時間は90分。

ハリウッド映画のような時間も予算もかけられない大学の講義で、90分学生の集中力を保ち続ける、ってコンテンツ制作をする立場から考えて、普通無理です。

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画像:映画館で映画を見る人のイラスト。ちなみにスクリーンは真っ白で何も描かれてません。

しかも割と普遍的でつまらない内容と思われるような話もしなくてはいけない。怪獣もお姫様も魔王も宇宙人も出せないのに!

よく考えればハードな課題に立ち向かってますね、全ての先生と呼ばれる側の人は。

工夫なしにできて効果が期待できる方法

それでも高い授業料を払って家族の期待を背に受けて、眠気と日々戦う学生さんに、なんとか元は取っていただきたく、色々工夫してます。

その中で準備時間もほとんど要らないのに、割と効果がある手法を実践してます。

それが!

映画のように、冒頭に煽る「予告」をする

です。

映画館でお目当ての作品を観に行く時、始まる前に、結構な数のいろいろな作品の『予告編』が流れます。

割とこれが好きなんです。短い時間にしっかりと魅力を伝える良質な時間。期待が高まり、つい観たくなる。

元々金も時間もかけてる90分の作品を観てもらおうと、5分の予告編を頑張ってるわけです。なかなかそこまでの時間設計ができない90分の講義、少しでも魅力的に見せるため、この手を使いたい。

さて、冒頭、というのは2つあります。一つは大きい括りの冒頭。前期の頭、後期の頭。3学期あれば3回。

もう一つは、毎回の講義の頭。

ここで3つの情報を伝えてます。

まず半期の冒頭。

①この半期で何ができるようになるか、得られるか
②そのために何をどう学ぶか
③それが社会に出てどう役立つか

大学では、明確にこの冒頭の情報を伝える一コマが与えられています。

それは当然です。貴重な時間と貴重なお金を費やして使う時間の中身を知らないで、毎回何をやるんだろう?と参加するのと、全体像を把握して参加するのは大違い。

そもそも得られるものを予想しない買い物ってありますか?

得られるものを理解していれば、万が一習得できないところが発生しても、リカバリ箇所も明確。

ここまで書いて、エンタメはどうなのかな、と思い返してみました。結論はネタバレとして伏せられてますが、一応どんな楽しみが得られるか、の期待の総量はわかる仕組みですね。もちろんそれを上方に裏切る頑張りをどの作品もしてます。

講義単位の冒頭

こちらも90分を有効にお互い使いたいので、期待度を上げつつ予告をします。

①半期の全体の中でどこをやるのか
②この90分で習得できる内容は
③それがどのように君たちの役に立つのか

という感じで。

どの情報も既に持ってる

何か新しいことをやるのは、準備も実行も大変、ということが多い中、この「冒頭の予告」は非常に優秀。

内容は既に教える側は知ってることです。新たに考えることは一つもありません。

それなのに、教わる側に良い情報なのです。使わない手はない。ん?日本語としてなんか面倒くさい言い方。使うに越した事はない。なんだろう、ゲシュタルト崩壊中。

ゲーミフィケーション的解説

この情報提供は、もちろんネタバレはしない表現ですが、集中力を切らされるとアウトのゲーム業界で、普通に行われてます。

業界的には生き死にの問題ですからね。

つまり、

・ユーザーに明確な行動理由を与える
=ゲイン、費やす時間のイメージを持たせる

・ユーザーに息継ぎタイミングを与える
=何をどこまでやるか知ってれば切れ目でリフレッシュできる

・終わった時のゲインの実感
=対価に対するサービスへの満足感

です。もちろん、「今日のおさらい」の1コーナーで最後の項目はダメ押しします。ね?得したでしょ?と。

小中高でもできたはずなのに記憶にない

大学は少なくとも講義の第一回目にこの時間が割り当てられてます。

不思議なのは、より目的意識も低く、集中力も低い小中学校時代になんでこれをやってくれなかったんだろう、ということ。

今の小中学校は必ずこれをやってます、お前の勉強不足だ!というならば、ここまで書いてきた文章は前向きに無駄になります。

コンサルしたいけど、すぐできるでしょ

消費者の体験時間軸の設計、ということを仕事でやってますので、こういった授業の時間設計もその範疇です。

でも、ほとんどここに方法は書いたので、誰でもできる事ですね。

怒られるくらい、今はこんなの当たり前にやってます、と言われる方が安心します。

今の現場、どうなんでしょう???コメントプリーズ!

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