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2018年10月福島、中上ノ原団地

<続き>

人っ子一人いない中上ノ原団地は、ひっそりと佇んでいた。

まさに震災当時のまま。おそらくほとんど人は来ていないように思われた。
息を吞むという表現がぴったりで、正直に言って怖かった。

まさに異様だった。

(本当に静かで誰一人おらず、自分の足音だけが団地に響く)

(ここを通り抜けるときの自分の足音に鳥肌がたった)

(上に上がる勇気はなかった)

(遊具がいろいろな感情を呼び覚ます)

(集会所)

この団地内の空間線量は0.2〜0.6μSv/hで推移していた。比較的低い。

もっと見たいという思いと恐怖と葛藤しながら、結局恐怖に打ち勝てずここを後にする。

(ここでも解体中の家からフレコンバッグ)

(浪江日立化成工業)

この建物周辺は、気のせいか車の通りが多かったように思う。

また別の団地を見つけ、周囲を探索する。
放置された自転車、バイク…どれも“誰か”が使っていたものだ。

この団地でも、中上ノ原団地での感覚を引きずっていた。

昨年11月に訪れた大堀小学校を目指し、山を降りる。
団地は異様な雰囲気を醸し出していたが、山を降りると開放感が広がった。
しかし恐怖はこれだけではなかった。

<続く>


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