見出し画像

2020年3月福島取材㉕/双葉駅のマスコット

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。

〜〜〜〜〜

<続き>

比較的綺麗な状態を保っていた図書館を後にし、傾いたままの廃墟へ目をやりつつ新山城本城跡へ。グーグルマップで目について、単純に城跡に興味があって行ってみようと思った。

スクリーンショット 2020-06-24 19.33.18

画像1

長い石段を登り、小山の上へ。なかなかハードな石段だ。

画像3

途中社があるが、なんて名前の神社かはわからない。狛犬2匹のうち、片方は起こされてはいるが、震災で倒れたのか、今も地面の上だ。

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

お参りしてから竹林の脇の階段を登り、さらに上の城跡へ行くと、大きな広場が広がっていた。

画像9

モニタリングポスト。0.219μSv/hと表示されているが、実際、この広場の線量はそれほど高くはなかった。向こうに見える山の中はわからない。

画像10

滑り台やブランコ、鉄棒といった遊具があり、モニタリングポスト、そしてなんらかの記念碑があるが、倒れていて見ることは出来ない。震災直後のままだ。

画像11

画像12

ブランコや雲梯…かつては子供達の遊び場だったのだろうか。ここに子供達の姿が戻る日は来るのだろうか。

画像13

画像14

画像15

忠霊碑。かつて太平洋戦争で戦死した人々の名が刻まれている。放射性物質に晒され、長期に渡って放置され。英霊だ何だのと都合よく政治利用する右派は、この現状を見て何を感じるだろう。これでも原発を推進するか。

画像16

一瞬、浪江の丈六公園を思い出したが、冷静に考えると、3年前に避難指示解除したあっちの方が荒れている。線量もここの方が低いのではないか。

…つくづく、いい加減なもんだよ

画像17

新山城本城跡は、双葉町を見渡すにはいい場所かもしれない。いいポイントを探すには根気がいりそうだが、また来たいと思った。

駅前に戻ることにする。

画像18

山を降り、ゆっくりと再び双葉駅前へ。

駅前のベンチに座り、少し休憩…と朝コンビニで買ったおにぎりを取り出し食べ始めたら、駅前にいたおばさんが寄ってきてスマホを取り出し、写真を撮り始めた。

は? 俺がおにぎり食うのがそんなに珍しい?と戸惑うが、どうやら視線は僕ではない…左後ろを振り返ってみると

画像19

そこには1匹の狐がいた。物欲しそうな目でこっちを見てくる。

「ごめんよ、おにぎりはもう食べちゃった」と声をかけると、まるでこちらの言葉を理解したかのように、ゆっくりと僕の脇を通り抜け、去っていった。

後にわかったことだが、この狐は除染作業員か工事関係者に寄って餌付けされ、双葉駅周辺に居着いてしまったらしい。「報道特集」の金平キャスターも、3.11特番の撮影で双葉駅を訪れた際に遭遇したとFacebookに書いていた。

これから除染や解体等、人間の都合でやかましくなるとは思うが、車にはねられることなく、元気でいろよ、と思う。

少し休憩した後、そういえば、と思い双葉北小を検索、場所を確認し、そこへ向かうことにする。

画像20

画像21

踏切から浪江側を見る。

画像22

踏切を渡るとすぐに高台が見えてきた。その上が双葉北小だ。

画像23

このフレコンバッグには、解体された家が詰まっている。放射性廃棄物となってしまった大切な財産が詰まっている。

双葉北小の前には、「一時立入」と書かれた軽自動車が1台停まっていた。行政のサービスなのか何なのかわからないが、双葉町民の一時立入をサポートするのだろう。中では運転手がスマホをいじりつつ、利用者が戻ってくるのを待っていた。

画像24

坂をあがり、開いていた正門から中へ。校庭はどこかのゼネコンの資材置き場になっていた。そういえば浪江中学もそうだったなと思い出す。

こんな光景を目にするたび、「ゼネコンに荒らされた」と思う僕は捻くれてるのだろうか。

<続く>

ここから先は

0字

¥ 100

サポートしていただけると大変ありがたいです。いただいたサポートは今後の取材活動や制作活動等に使わせていただきます。よろしくお願いします!