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2020年6月福島取材⑪/大野駅はあくまでも帰還困難区域

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個展準備や絵本制作で忙しく、半年も経ってしまったレポートを上げるのはちょっとキツい。僕はジャーナリストではないし。前回同様、非常に端折った形ではありますが、レポートを上げたいと思います。すいません。

<続き>

大熊の双葉翔陽高校を見た後大野小学校に向かうも、マイクロバスが駐車していて人目に付くのも嫌なので、再び双葉翔陽高校へ戻る。

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(双葉翔陽高校。)

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(「ようこそ農業クラブへ」)

1階には板張りがしてある窓が結構あった印象。思い出の場所を侵入者に荒らされることは誰も望まない。人によっては、僕のような部外者がこうして見るだけでも嫌という人がいると思う。それとは逆に、今の姿を伝えてくれてありがとうと卒業生から感謝されることもある。人は多様。その「多様な視点」を僕も忘れないようにしなければ。

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翔陽高校を出た後はヨークベニマルへ。

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店内に入ることはできない。入れたところで、チキンな僕は少し中に入って終わりだろう。

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この周囲はそれほど線量は高くなかったと記憶している。それよりも駅に近づくにつれ徐々に線量は上がり、県道251号(小良ヶ浜野上線)では常時1.0μSv/hを超えるようになった。毎日常磐線が行き来し、赤ん坊でも誰でも乗降自由の大野駅周辺は、まだ線量の高い「帰還困難区域」だ。役場職員でさえ歩いて測ったことはない。案内看板の件で僕が役場に電話した時も、線量がいくつだったと話せば、「そんなに高くない」というが、聞けば航空機モニタリングの数値しか見たことがないという。現場の職員でさえその有様だ。

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県道251号を右折し旧大熊町役場に向かうと、直前に帰還困難区域ゲートがあった。旧役場は帰還困難区域だ。警備していた警備員さんも「ごめんね、これ以上は行かせてあげられない」という。「でもちょっとだけ…」そう言って少しだけ中に入れて撮影させてくれた。

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「ここは線量が高いから」と警備員さんは言う。線量は1.5μSv/hほど。線量インフレというか、5や6に慣れてしまった自分としては「低いな」と思ってしまった。ダメだ。非日常が日常になってしまっては。

その後県道251号を西へ。

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ツルハドラッグを見つける。

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敷地内に入ることが出来たので行ってみると、線量計の数字があっという間に上がり3マイクロを超えてしまった。ここは駅周辺の帰還困難区域の端に過ぎず、このエリアの中はどれだけ線量が高いのだろうか。

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植物のそばは線量高め。付着した放射性物質が溜まっているのだろう。

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時間はまだ早いが行くあてもなく、なんとなく大野駅へ戻ることにする。

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植物は必死に育つ。

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双葉翔陽高校を見渡す。

駅の南西の町は金網で徹底的に防護され中に入ることは出来ない。道路だけが自由に歩く事ができる。その道路は徹底的に除染してあるため、線量はそれほどでもない。道路の中央部は0.5〜1.0μSv/hといったところか。そのため、つい「大野駅周辺は線量が低い」と錯覚しがちだ。しかし、夜ノ森駅の東側がそうであるように、線量が高すぎるから金網で防護され入域を厳しく制限しているのであって、あくまでもこのエリアは「帰還困難区域」なのだ。道路だけが「特定復興再生拠点区域」なのだ。

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この先は車しか進むことは出来ない。

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常に1.0μSv/hを超える高線量地帯である大野病院の前を通り抜け、大野駅へ戻る。

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西口に設置されたモニタリングポストは0.355μSv/h。徹底的に除染し、アスファルトまで張り替えたこの場所でも、福島県外の除染(避難)基準である0.23μSv/hを超えている。こんな場所に子供や赤ん坊を連れてきてはいけないと思う。

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その後、富岡駅へ。腹が減ったので、駅のkiosk併設のイートインで休憩がてら冷やし桜うどんを食す。

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美味なり。

<続く>


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