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ニッポンのヒャッカ

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日本百貨店のテーマは”ニッポンのモノヅクリ”と”スグレモノ” 。 日本全国から集めた、モノづくりにこだわった職人の手による商品をお届けします。
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2019年12月の記事一覧

職人技のコラボで咲いた「Cohana(こはな)」 ーニッポンのヒャッカ第6回ー

職人技のコラボで咲いた「Cohana(こはな)」 ーニッポンのヒャッカ第6回ー

 67年前、洋裁道具メーカーとして創業して以来、現在も東京・日本橋に本社を置く老舗の手芸道具メーカー。ヘビーユーザーのファンも多い株式会社KAWAGUCHIが3年ほど前に立ちあげたハンドメイドの道具ブランドが「Cohana(こはな)」だ。
 「Cohana」とは、富士山信仰にもゆかりがあり、日本神話に登場する女神「コノハナサクヤヒメ」に由来するという。日本の伝統美を象徴するブランドだけあって、「C

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江戸切子。“未完成”の流儀とは? ーニッポンのヒャッカ第5回ー

江戸切子。“未完成”の流儀とは? ーニッポンのヒャッカ第5回ー

「江戸切子は自由なのです」。
「自分たちが完成した時点では、未完成なのだと思っています」-。
 東京・江戸川区で伝統工芸・江戸切子をつくり続ける三代目。堀口切子の堀口徹さんが紡ぐ言葉は、まるで哲学者のようだと感じた。当たり前を疑問視する気づきを促してくれるような。
 ガラスの表面を削り、美しい文様を施す繊細な江戸切子。江戸時代後期の天保5年(1834)、江戸・大伝馬町のビートロ屋・加賀屋久兵衛が切

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豚革の、その傷の意味さえ愛おしむ ーニッポンのヒャッカ第4回ー

豚革の、その傷の意味さえ愛おしむ ーニッポンのヒャッカ第4回ー

「TOHKOTO(トウコト)」という名の革製品のブランド。言葉通り「問うこと」という意味で、モノのあり方や価値を「トウコト」をコンセプトに、2017年、千葉県松戸市に合同会社CRASSULAを設立したのは二人の若者。代表社員の松本昇さんと業務執行社員の中林翔平さんだ。二人は中学校の同級生で、もともとバッグの製作に携わっていた松本さんが中林さんを誘い、中林さんが二つ返事で同意。「TOHKOTO」とい

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