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『思考の整理学』、書店から1万部以上の注文 著者・外山滋比古氏死去で

8月6日に『思考の整理学』(ちくま文庫)の著者・外山滋比古氏の訃報が報道され、出版元である筑摩書房には8月7日午前9時現在までに、約1万部の注文が寄せられた。宣伝課の尾竹伸氏は「現在も続々とFAX注文書が流れてきており、注文電話も鳴りやまない状況なので、まだ未集計分がかなりある」と話している。(画像は『思考の整理学』特設サイトより)

筑摩書房は報道のあった8月6日、123刷4万部・124刷4万部と合計8万部の重版を決定し、これらに追悼帯を巻いて8月27日から出荷することを決めている。これにより、同書の累計発行部数 は253万3,400部となる。

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また、単行本『ワイド版 思考の整理学』についても、追悼帯巻き分を1万部(6刷目)重版する予定だったが、反響の大きさから「2万部増刷することを決めた」(同)。累計発行部数は3万7,700部になる。

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同書は1983年に学術エッセイとして刊行され、1986年に文庫化。その後も売上を伸ばし、2007年まで21年間で16万部のヒット作品となっていた。2007年には岩手県盛岡市のさわや書店で、当時店員だった松本大介氏が記した「もっと若いときに読んでいれば…」という書店店頭のPOPをきっかけに再び注目を集め、2008年の東大(本郷書籍部)・京大生協の書籍販売ランキングで1位を獲得。“東大・京大で1番読まれた本”として、世間の注目を集めた。

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▲さわや書店本店では追悼POPを付けて外山氏の著作を展開。チェーン全店では文庫『思考の整理学』を累計5,000冊、フェザン店では同3,775冊を販売している

このフレーズを帯で使用したことにより、2009年には累計発行部数が100万部を突破。2016年には30年目にして200万部を超えた。現在でも年間平均約10万部を重版しているロングセラーとなり、毎年の大学生協書籍ランキングにも必ず名を連ねる、大学生定番の必読書として時代を超えて読み継がれている。




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