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日記 2024.3.6(水) ハチミツ/日記を書いて自分を知る/図書館へ/無職を振り返る/疲れたかった

夜中にどんっと大きな音で目が覚める。なんだなんだと音のする方へ。台所のぬか漬けの瓶が落ちた音だった。仕込み中のザワークラウトの重石代わりにしていたぬか床瓶、ぐらついて落ちてしまったようだ。ザワークラウトの乳酸菌の仕業か、などと言っている場合ではない。危ないところだった。瓶が割れていないことを確認してまた布団に入る。ひどく雨が降っている。まだ1時半くらいだった。

朝は6時過ぎに目が覚める。やっぱり布団の中でもごもごする1時間がわたしには必要なようだ。最高に気持ちがいい。クマたちはまだ眠っている様子。起こさないように小さく寝返りをうつ。

起き上がって顔を洗う。今日は洗濯も掃除もしないから1時間半確保してある朝の支度の時間も1時間くらいで済んでしまった。朝ごはんに豆乳グルトにきなことハチミツをかけて食べる。
まいちゃんに渡した柿の花のハチミツ、気に入ってもらえたようだ。柿の甘みが強いハチミツだった、まいちゃんはそういうハチミツが好みなのだと分かった。まいちゃんもハチミツを集めたくなったらしい。その気持ちわかる。同じ柿の花のハチミツでも採取する地域によってまた違った味わいなのだろう。ひとつひとつはっきりと違いが楽しめるのも非加熱で何も加えないで時間をかけて採取されたハチミツならではなのではないだろうか。まいちゃんとハチミツの楽しみを共有できて嬉しくなる。

本日も図書館へ行くので梅醤番茶を準備する。たっぷりお湯を沸かしてチコリコーヒーも淹れる。チコリコーヒーは酸味、濃いめに入れると苦味も感じられる。コーヒー豆でいうと浅煎りの雰囲気なのだろうか、なんで知ったようなことを言ってみる。わたしはコーヒーの酸味も苦味もどちらも好みではないので豆乳をたっぷり入れてラテにしてがぶがぶ飲んだ。

台所の丸椅子に腰掛けてひと休み。1Lのナルゲンにたっぷりと梅醤番茶が入っている安心感。あたたかいボトルを抱えてカイロ代わりにして日記を書く。猫を抱いているような、かつて友だちだったうさぎを抱いているような、じんわりとしたあたたかさにまた安心する。

日記は無職になって2番目に始めた日課だ。元々小学5年生から20歳くらいまで毎日毎日日記を書いていた。日記を書くのはお母さんが勧めてくれたのだったかな。分厚い単行本くらいの大きさの日記帳に、その日の出来事とか思いをつづるのが楽しくてずっと続けて書いていた。続けること、継続することが苦手なわたしなのに、日記だけは自分で書くと決めて毎日書いていた。書いていたというか、書かざる終えず書いていたに近いのかもしれない。不安がある日はおまじないのように前向きなことばを繰り返し書いて自分を励ましていることもあった。内向的で普段外に出せない気持ちを文字にして吐き出すことで自分のバランスを保とうとしていたのかもしれない。これまでの人生の中で小学生の時が1番悩んでいたと自覚している。そんな感じで日記を書くことは続けられた実績があるのでまた日記を書いてみることにしたのだった。

とはいえ、とにかく言葉で自分を表現するのが苦手だ。自分のことも実際よく分かっていない。就職活動などでは履歴書の職務経歴書や自己アピールの欄が全く書けない。人の意見に合わせて流されて生きてきたわたしは、自分のしてきたことや気持ちに全く自信が持てずにいた。なんとかしたいとずっと思ってきた。
それでもうこれは人にさらすしかないと日記を書く場所をnoteに設定した。誰もみていなくてもいいし評価されたいわけではない。ただ自分の言葉をなるべく素直に書くための場所が欲しかった。自分の1日を振り返りながらこころの変化を拾い上げ、自分を知ってみたかった。それでももしかすると誰かが読んでくれるかもしれないと思いながら日記を書くことは、相手を思いながら話すということのちいさな練習にもなると感じていた。

最初は短い文章しか書くことができなかったしうまくまとめようとしてしまうところがあったように思う。でも書くことに慣れてくると、いろんなことを気にするよりもまず書くことが単純に楽しくなって、自分が少しずつ見えてくるような気がしてどんどんやみつきになってきたのだった。まあ、自分のことを書くだけだからそりゃあ無理なく書けるというのもある。うまく書こうと思わないこと、自分の小さな変化を見落とさないように書き留めること。素直になること。そんなことを意識している。
文章は上手にはならないし、語彙力もないまま。それでも続けることだけは欠かさない。今のところ5ヶ月間毎日下手な文章を人目にさらし続けている。

今日も曇りでしっかり冷える。今日は靴下にカイロを貼っていこう。フリマサイトの発送もないので午前中は絵をゆっくり描く。絵の先生からのアドバイスを元に文旦の絵に左からの光を意識して色を足す。寺尾紗穂さんの音楽がわたしに集中力をくれる。今描いている台所に落としてしまったクマの絵も描き進める。うちのクマの中で1番手触りのいいその子は、佇まいがなんだか面白くてわたしを笑わせてくれる。L.L.beanで見つけたちょっと田舎っぽくてなんともいえない可愛さがあるクマ。台所に落としてしまった時の後ろ姿もなんだか笑えるのだ。わたしだけの面白さを描いている。絵を描く時は客観的にみるために時々写真を撮って見ている。少し離れてみると絵の全体がよくわかる。おかしな部分もよく見えてくるのだ。クマのサイズ感が少し小さいので明日また修正する。

お昼ご飯にする。両面焼きの目玉焼き、納豆、ご飯、キャベツを蒸したもの、昨日の変なこんにゃくを大皿に一気に盛った。ぬか漬けも出す。実家のぬか床のぬかをひとにぎりもらって入れたら一気にぐぐぐっと美味しくなった。びっくりする。いきなり実家のぬか床の味になった。あのひとにぎりがこんなに全体に影響するのか。ぬか漬けと小豆入りご飯の組み合わせが美味しい。ぬか漬けやたくあんは特に、白ごはんよりも玄米や分づき米の方が合うような気がする。

眠たくて15分だけ横になる。15分だけと思うと目をつむるだけでも集中して休むことができる。だらだら休まないと夜、さあ寝るぞと布団に入る時の嬉しさが明らかに違うと感じる。

12時過ぎに出かける。少しだけ雨が降っているので念のため傘をリュックに入れる。今日は高校生がたくさん。テスト期間なのかな。学校がお昼までなのかな、駅に向かう高校生と同じ方向に歩いた。図書館に到着。明日は休館日のようだ、気をつけなければ。今日は少しぼんやりするのでコーヒーを買う。家にコーヒーがないと、外で飲むコーヒーが特別に感じるようになった。味にもやや敏感になる。うん、400円という味だったけれど、窓際で鳥を見ながら飲むコーヒーはいいな。鳥が見たくて懲りずに今日も窓際の席に座る。はしっこは選ばずに中央のL時になった特別っぽい席にした。ここは暖かい。
周りが少し賑やかだったのでイヤホンをして外を眺める。寺尾紗穂さんの歌を聞きながら鳥を見ていると、外の鳥の声が聞こえてくるような気がする。テラスのほうに一本だけある桜、花が咲いている。メジロが2羽花びらをのぞき込む。ちゅちゅちゅ、さあもう春だよ、一重の桜の蜜はとびきり美味しいな。口の周りいっぱいに花粉をつけて蜜を吸うメジロも見えた気がした。

家から持って出た本を読みながら独自の自己分析を進める。職務経歴書に書くような、堅苦しい形式に当てはめるのはやめにして、白い紙に自由に書いていく。机にカツカツと鉛筆の音がするのはわたしのテーブルだけ。鉛筆の音、気持ちがいい音だな。
途中から縄文時代の暮らしが気になってきて本を探してみる。全然関係ない漬け物の本と縄文植物誌の本を見つけた。どちらもすごく面白くて欲しくなる。縄文植物誌の本は今度またじっくり読むことにしよう。脱線しながらも今日もまた無職の自分を振り返ってみた。新しく興味が出たらすぐに試したり調べたりする、それでいいと思う。そういう意味で図書館での自己分析ははかどる。

大好きな自然食品の店へ寄る。この店のキャッチフレーズはこだわりの八百屋、と書いてあったっけな。わくわくするキャッチフレーズ、いいな。縄文時代からあったとされる里芋と、にんじん、とろろ昆布、古代米の甘酒、しいたけ、からし菜、トマトを買って帰った。野菜の歴史もちょっと調べ始めたのだった。

おからの残りとひじきとしいたけ、にんじん、お揚げ、こんにゃくの残りを炒め煮にする。とんでもない量の常備菜みたいなものが出来上がった。出汁が少なくてごく薄味。お味噌汁は里芋とにんじんにとろろ昆布。里芋ってほんと美味しいな。縄文時代から今に残っているだけのことはある。たっぷりあるのでポタージュにするぞ。

お風呂に入って10分ヨガをしたらもうすぐに眠ってしまいそう。今日もよく頭を動かして満足した。ここのところ退屈していたんだと思う。わたしは疲れたかったんだよね。
布団に入り毛布にくるまる時間が待ち遠しい。

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