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理想の教育~現役高校生の対話~⑦:『九月入学について。賛成?反対?』

はじめに
学校って、なんだろう? 
好きだろうが嫌いだろうが、行かなきゃいけないし。
学ぶのは僕らなのに、学校の方針に関する決定権は無い。

僕がキャンプで会った井上くんは、最近学校を辞めたらしい。
同じくキャンプで出会ったけいちんは、14年間アメリカで過ごして引っ越してきた日本の学校にカルチャーショックを受けたという。
僕は公立高校に進学することに疑問を抱き、現在はN高に通っている。

そんな、ちょっと変わり者の僕らが「理想の教育」とは何か?について話合ってみた。その“議事録”を4回に分けて公開しようと思う。

(第1回「校則についてどう思う?」はこちら)
(第2回「教職員と生徒の関係性」はこちら)
(第3回「校舎についてどう思う?」はこちら)
(第4回「数学って面白い?」はこちら)
(第5回「理工系少なくない?」はこちら)
(第6回「外国語の授業について」はこちら)

・登場人物

りん:

りん

りんたろう(16歳)音楽のプロを目指す高1。この企画の発案者。
公立高校に進学することに疑問を抱き今はN高に通っている。
安宅和人著「シン・ニホン」に感銘を受け、現役高校生の立場から
なにか発信できないかと思い立つ。

井上:

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井上(16歳)高2。
県内の進学校に進学するも、教育方針に疑問、学習レベルに物足りなさを 覚え、高校を中退。今は自分で、大学受験の勉強をしている。中でも数学 分野を重点的に学習中。好きな食べ物はすき焼き。

けい:

けいちん

けいちん(16歳)。高2。0歳から14歳まで14年間アメリカで育つ。
今頑張っていることはディベートやスピーチ。好きな食べ物はトマト。
現在はディベート部に所属している。

第7回「九月入学について。賛成?反対?」

導入
最初の緊急事態宣言の時、学校にしばらく行けないなら9月入学はどうか?っていう議論が出てきて、正直少しワクワクした。
いろいろ大人の事情があるのか、すぐにその議論は下火になってしまったけれど、もう一度考えたい。9月入学、賛成?反対?

井上:では“開国”について。

りん:まず、補足をすると、開国っていうのは、教育を開くことで、
グローバルスタンダードにしていこうという意味。

9月入学について、賛成ですか?反対ですか?

けいちん:賛成派は挙手。

(りん、けいちんが、手を挙げた。)

りん:井上くんは、反対ということですね?

井上:俺はどっちでも良いと思うけどな、正味。そんなに大差ないと思う。

りん:そっか、でも結構大変だよ。留学とか。

けいちん:(9月入学に)動かすのは、大変かもだけど、動かし切ったらそんなに変化はないと思う。

りん:それは思う。

井上:それだったら、動かす分がマイナスやん。収支で言ったら動かして、あんま変わらんのやったら、動かした分がマイナスやん。

りん:でも、一回動かしたらずっとそれで行けるよね。特に、維持費とかはないわけだし。一回動かしちゃえば良い話だから。

けいちん:うん。

井上:メリットは留学のしやすさとか?

けいちん:留学もそうだし、あとは、なんだろ……?

りん:圧倒的に海外人材を受け入れやすくなる。

けいちん:そう。接続がうまく行くんだよね。留学課と。うちの場合、中学3年の6月に日本にきたんだけど、アメリカでは6月で中学を卒業してたの。だけど6月って、日本では中3の2学期じゃん。そのために新たな制服、教科書、数ヶ月しか通わないのに、新しい体操着を買うみたいなのが、シンプルにめんどくさいと思う。

りん:なるほどね、確かに。それもそうだし、例えば、大学で外国から教員を呼ぶにしても、やっぱり、めんどくさいような気がするんだよね。

けいちん:そのわずかな差とわずかなめんどくささがいろんな人を受け入れることを妨げていると思う。いろんな人がそれを理由に日本に来ていないと思う。

りん:結構なめんどくささだよね。日本の人材や才能を解き放つためには、9月にする意義は大きいのではないか。

井上:あ〜、なるほど。

りん:ただ、問題としては、9月にするにしても、学校(の始まり)だけ移して、「はい、終わり」とはならないことだよね。国の動き自体も全部9月スタートに動かさなきゃいけないのが、結構大変らしい。

けいちん:就職とかも変わってくるもんね。

りん:9月入学にするためには、法律も変えなきゃいけないらしい。あと、9月に調節する過程で、生じる学年の人数の人数のズレとか。どこかの学年だけ人数が多くなることになるよね多分。そうするとその年だけ、大学入試の倍率が上がったり。それに対して、不安の声をあげる親御さんもいる。

井上:逆に海外はなんで9月なん?

りん:日本も元々は9月だったんだけど、徴兵制の関係で、4月になったていう話は塾の先生から聞いたことある。

井上:これってさ、グローバルスタンダードに合わせるために4月から9月に変えるって話やんか。グローバルスタンダードがなんで9月なん?

りん:確かに、わかんない。なんでだろ。

けいちん:調べようか。

井上:そんなん6月でも、4月でも1月でも2月でもええやん。

りん:夏休み挟むからじゃない?

けいちん:そう、アメリカはね夏休み3ヶ月あるんだよね。夏休みが3ヶ月あるというあるということだけでも、9月入学になってほしい。宿題ないんだよね、学年変わるから(笑)

りん:あれ、3ヶ月も夏休みあったっけ?2ヶ月半くらいだよね?
けいちん:なぜ9月入学か、ていうの(検索で)出てきたよ。超古典的でさ、「これには様々な言われがありますが、農業のスケジュールに関連するという説が有力です」。
りん:へー。

けいちん:農作業の忙しさは7月、8月頃集中しているためらしい。

井上:うんうん。

けいちん:日本は明治初期は、9月入学だったらしいよ。「官公庁の会計年度が年度を4月始まりに定めたため、4月入学に変わった」って。

井上:やっぱ官公庁の都合が大分でかいんちゃう?

けいちん:まあでも、9月入学も大した理由じゃないってことだよね。

りん:でも、国際的な基準(グローバルスタンダード)が9月何だったら、そっちに合わせた方がメリットは大きいのではないかと思う。それにやった方が楽しくない?
そっちの方がいろいろ面白そう(笑)。

井上:例えば、国の会計年度が4月から9月に移りますってなって、国からの仕事をしている企業が、その間に続々倒産しましたみたいなことになったら大変だから、今までやってないんかなーって。


りん:確かに。

りん:コロナで最初の緊急事態宣言が出て、9月入学になるならないの議論があったときに、ニュースのインタビューで「9月入学になることで子供が不安を覚えるのではないだろうか?」っていう親御さんの意見があったけど、でも不安を覚えているのは、親御さんであって、子供はワクワクするかもしれないと思うんだよね。もちろん親御さんの意見もごもっともなんだけど、そこは一概に言えないし、不安の向こう側にはワクワクがあると思うから、不安だけを執拗に煽るのは、どうなのかなと少し思う。

けいちん:コロナの時に、9月入学にするしないの話で、反対意見がほとんど「時間がない」と、「お金がない」だったんだよね。この二つさえなんとかすれば、不可能ではない。

りん:そもそも、何か目的を達成したい時に条件から入ってはいけない!

井上:いや、俺は三月卒業が良いのよ!(笑)

りん:卒業式には桜がってこと?(笑)

井上:そう(笑)4月入学じゃない。3月卒業がいいの!9月とかに入学してもらってもいいんですけど、僕はあくまでも3月に卒業したい。笑

けいちん:4月から8月まで何すんの?(笑)

りん:またさ、3月はお花見とか別の行事すればいいんだよ。

井上:いや、これはある種の文化的遺産やと思うから。

りん:んー、確かに。桜といえば卒業式みたいなとこあるもんね。
井上:卒業に関する詩が書きにくくなって、その詩人が困窮するみたいなことがあり得るから、まあ、僕は反対ですね。

りん・けいちん:笑笑

最後に
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!
「理想の教育プロジェクト」の記事としては以上になります。
これからも、皆様と今のそして未来の教育について考えて行けたら幸いです!またお会いできる日を楽しみにしております。