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【人力化計画02】ヨットに持ち込んで測って考えて試作した

Man-Powered Boating Projectヨット人力化計画の2回目ですわ!
プロジェクト名は英語にするとかっこいい(だけ)。

今回はヨットにペダル足漕ぎドライブを持ち込んで現物合わせをしてみたんですけど、結構大変そうな予感が… 手を出さなければよかったな… と、ちょっと後悔。
なんとか今回のプロジェクト、10回以内で終わらせたい。
っていうか10回って言ったら、毎週1回マリーナで作業しても、11月後半よね。
これか、航海先に出来ず… いや後悔先に立たずって。

1回目はこちら↓

前回は、
「ついカッとなって買った。後悔はしていない。」
と供述調書に書かれ、ニュースでアナウンサーが伝えそうな感じで購入した、カヤック用の

このペダル足漕ぎドライブが届いたよと言うお話でした。

場所を取って家では邪魔なので、早くヨットに持って行… いや、その前に家で測れるところは測りまして、それから取り付け方法を妄想します。
あるいは、一人ブレスト会議とも。

取り付けの条件としては3つ。

ヨットに穴を開けたりとかの、不可逆的な加工・工作はしない。
これはもう絶対!
今まで私がヨットに穴を開けたのって、

太孔記(太閤記では無い)
ラダーピポットの取り外しのためにアクセスホールを開けた
魚探水深計の振動子のケーブルを引き込んだ
FFヒーターの排気口を開けた
FFヒーターの据付用に巨大な穴を開けた
FFヒーターの燃料供給用に、燃料タンクに穴を開けた
FFヒーターの送風口用に、壁に大穴を開けた
風向風速計(その時はまだ水深計)のディスプレイの取り付け
マストにレイジージャック用クリートをリベット留め
魚探表示部のアーム用にキャビン木部に取り付け穴を開ける
トノカバー固定用にドッグハウスのフレームに穴を開ける

FFヒーターのインパクトでかいな…

あれ?結構な数の穴を開けてるな…
本当は「これしか穴を開けてませんよー」って言うつもりだったのに。
ま、でも穴を穿うがとか、タッピングスクリュー木ネジで物を留めるとかは必要最小限にしたいものです。
穴を開ける度にドキドキするし、二度と元に戻らないのは嫌、そしてなんとなくヨットの価値を毀損してる気がするし。

もう一つの条件はイージーキッティング
簡単に取り付け取り外しが出来るようにしないとダメ!
実際取り付けてみて、あんな物ペダルドライブでは全くヨットは進まないかもしれないし、普段から取り付けっぱなしにも出来ない、そして日常的に使うにせよ、取り付け取り外しが面倒だと使用頻度は絶対に下がります。
ドライブの取り付け取り外しは、2~3本のウイングナット蝶ナットを手で締めると言う動作だけで終えたいですな。

そして最後の条件は、最悪無視してもいいんですが、ペダル足漕ぎドライブに加工はしない事。
なぜなら、失敗した時に売り払えないから。
使えないドライブが手元にあっても邪魔なだけですしねぇ…

この3つの条件を守った取り付け方法の道筋を、今回はつけてみます。

まず、ドライブのどこをを把持はじするか。

このドライブ、自転車と違ってフリーハブみたいな上等な物はついてなくってペダルとスクリューがダイレクトにつながっています。
つまり、水面下にスクリューを入れたままヨットが進むと、おそらくペダルもくるくる回る事に(だから後進バックも出来るんだけど)。

それはそれで面白い絵にはなりますが、どう考えてもあかんやろ…
いや、動くマネキンとか座らせたらさらに面白いんちゃう?とか、だんだんお笑い方面に流れそうなので、絶対に普段はペラは水の上!使う時だけ水中へ!

そんなわけで、船外機みたいにティルトさせる必要があるわけですな(って事に、ドライブが届いてから気が付いた)。

幸い本来の使い方、つまりカヤックで使用する際も、下の写真で一番右のパイプが刺さっている部分を軸にして引き起こしができる作りになっているっぽいので、パイプが刺さっている穴と、その隣の軽量化用の肉抜き穴の2つを使うことにしますか。

ティルトさせないなら、もっといい方法あるのになー

この穴周辺各部を色々計測しながら、どんな感じのブラケット取付具を作れば固定できるか考え…
うーん、こんな感じでいいか?と言う図面を描きました。
ちなみに、25-22-24と刻んだ数字は、それぞれのパイプ径と、その間隔。
RFはただの前後です。

試作品はいつも青にしてる

当然本番ではSUSステンレスで作りますが、何回か試作してヨットに持って行って…と言う繰り返しになるのが私のパターンですので、最終的な形が決まるまではお手軽な3Dプリンターで試作を重ねる事にします。
今回はまず、この立体データを印刷して…

みました。
ペダルドライブの2つの穴を把持する部分です。

ではこれを持ってマリーナに行きますか!

実は今日は(私にとっては)久しぶりの連休なので、千葉の方までセイリングをし、一泊して帰ってくる…みたいな計画を立てていましたが、天気予報が前日に雨に変わり、ちょっと無理そうなので、予定を変更してこっちをやることに。

実際マリーナに来たら、雨は降ったり止んだりですわ。
この雨が夏を洗い流してくれれば、やっと秋到来かな(実際、秋雨前線に近い感じの前線だし)。

ま、とりあえずブラケットの試作1号を付けてみますと…

うんうん、ハマりますね。
いい感じです。

では、取り付け場所を探りますか、雨降ってるけど…

雨の中、ぢっとヨットを見る(BY 石川啄木)。
あ、スイミングラダーはしご畳まないとダメか。

普段目にする事の少ない、スイミングラダーを畳んだ状態

ホワイトのラインの上と魚探の振動子が吃水の目印になります。
うーん…

ドライブは7kgくらい
片手だと結構キツイ

こんな感じだろうか?
とすると、

この辺にブラケットをつければ?
ヨットの中心軸になるべく近づけた方が、推力的にも重心的にも左右の不均衡が減りますが、アウトラダー艇のウチのヨットは、中心に近づき過ぎると、今度は(舵の方の)ラダーとペダルドライブが喧嘩してしまいます。
ここなら大丈夫っぽい。

あとあれね、ブラケットを取り付けた状態でスイミングラダーが折り畳めないとダメ!
ヨットに乗ってから、ここにブラケットを取り付ける作業なんか、絶対にポセイドンへの貢物を増やす海に落としちゃうだけですわ。

養生テープで、

スイミングラダーを出した状態
スイミングラダーを畳んだ状態

試作ブラケットを貼り付けて、スイミングラダーを畳んだりとか、色々シミュレーション。

結構、各所でギリギリの部分を狙わないと、スクリューが喫水下にならなかったり、スイミングラダーが畳めなかったり で、100万回くらい養生テープを貼ったり剥がしたりの微調整をし、

雨がどんどん強く…

0.5mmのオーダー精度単位で位置を決定!

他にも念のため、

使っている3Dスキャンアプリが有料(しかもサブスク!)になっちゃったのでアナログ計測

周辺各部を計測。

とりあえず取り付ける位置(だけ)は決まり、周辺の寸法も測ったので本日の作業は終了。
帰宅の車中で良い形を思いつき、帰宅直後に試作2号の図面を引き…

この時点で、更に縦棒の裏に凹みを付ければいいんじゃ無い?と思って、更に試作3号を描いて…

↓起こした3Dモデル(多分クリックしたらブラウザで見られると思います)。

この凹み、3Dプリンターだとオーバーハング(3Dプリンターは、下から樹脂を積み上げていくので、オーバーハングが大きいと失敗します)になるので、ちゃんと印刷出来るか微妙だなぁ…と思いながら印刷。

ノズルの温度を標準の220度から116度に下げてチャレンジ

どうかな、どうかな…
1時間後くらいには、ちゃんとつながるかわかるはずです(全体の印刷時間は3時間弱くらい)。

固唾を飲む

なんとかなり… そう?かな…

内部はこんな風になってます

いけたー!
と言うわけで、3時間弱で印刷終了。

よしよし!

製図の時も色を合わせる美学

完成しました。

これを再びマリーナに持って行って、再度現物合わせをして… の予定ですが、ひとまず我が家のお風呂のアレとウチのヨットのスイミングラダーは、共に25mm経ですので、

当然だけどピッタリ

絶対やってみるよね?
多分あと2〜3回これをやれば完全な形が決まって、金属で作れる(←お金がかかる)はず。

と言うか、これを書いてて思い出した!サドルの事をすっかり失念してた!
そっちも固定方法考えないとダメでした、頭から抜け落ちてた。
サドルの方が、全体重がかかるので難しいのよ。
と言うか、そもそもサドル自体も買ってないわ。

次回はこの試作3号をフィッティングさせつつ、サドルをどうやって取り付けるかを考えます。

なんかヨットのブログなのに、しばらく工作記事ばっかりになりそうですみません。
実は平行して他の作業にも手を出しちゃって、キャビンも散らかりまくりで、

座る所すら無いキャビン

すぐに海に出せない感じどころか、フォークリフトで船を動かすのも厳しいレベル…

整理整頓!

ですな。

続きはこちら↓