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【人力化計画01】ヨット人力化への道を歩んでみる

太陽からの焼けるような日差しが届かぬ日陰には、ちょっとだけ秋の一端が見え隠れするようになりました?かね?
やっと涼しくなる気がするなー。

そんな折、ニュープロジェクトのスタートですわ。
題して、

「ヨット人力化計画!」


どんな計画かと申しますと、コクピットに立って団扇うちわでセイルを煽いでヨットを前に… と言う話ではありません。
そりゃそうか。

エンジンの音は聞きたく無いけども、ちょっとは移動したい。
しかしこんな微風ではセイルを出してもなぁ… そんな時のソリューションをなんとかしようと言うイメージですわ。
エンジン壊れても、やはりちょっとは走れる要素を残しておきたいもの。
人力で動くか?とざっくり数字を思い浮かべると…(風は考えない)
3ノット出す≒1.54m/sec≒(ハルの抵抗は)20.43kgf≒200N
うむ?200Nくらいならいけそうじゃない?かな?
だいたい考えつく方法としては…

◾️オールで漕ぐ(Rowing)
ま、これは一番最初に思い付くヤツですわな。
古くは紀元前に大活躍の三段櫂船から、19世紀初頭を描いた海の男ホーンブロワーシリーズでも、無風の時に自在に機動する船として何度も登場しましたガレー船なんかもそう。
ホーンブロワーの時代は漕ぎ手が奴隷で、劣悪な環境(病気や怪我だと、そのまま海に捨てられる)だったために、ガレー船の風下に来ると酷い悪臭が…と言う描写が、ショッキングでしたわ。
いや、話が逸れましたが、オールで漕ぐのは悪く無いと思う。
むしろ単純で良さそう。
実際に世界は広いもので、オールをメインドライブとしてヨットを進ませる人は、探すと結構いましたわ。
私が一番驚いたのは

もう、圧倒的に↑これですね。
専用のRowing bed漕ぎ台的な物を作り(?)、人間一人が完全にヨットのドライブになっていますわ。
これ、エンジン外したら船検要らないんじゃないの?

一応気になったので調べてみると、

平成十三年法律第百二号
小型船舶の登録等に関する法律

第二条 この法律において「小型船舶」とは、総トン数二十トン未満の船舶のうち、日本船舶(船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第一条に規定する日本船舶をいう。以下同じ。)又は日本船舶以外の船舶(本邦の各港間又は湖、川若しくは港のみを航行する船舶に限る。)であって、次に掲げる船舶以外のものをいう。
一 漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項に規定する漁船
二 ろかい又は主としてろかいをもって運転する舟、係留船その他国土交通省令で定める船舶

おお!20トン未満なら、やはりろかい(櫓や櫂の事よね?)で進む船は小型船舶に入らないよ!!

似た感じの抜け穴で、タイヤじゃなくて自分の足で着陸するなら航空機じゃないという法律もあるよ

脇道に外れたな…
でもオールを漕ぐって、基本は後ろ向きじゃないですか?(人間の筋肉的にね)
99%がシングルハンドセイリングお一人様ヨットの私にはちょっと向かないので、オールは保留。

◾️で漕ぐ(Sculling)
これこれ!これでしょう!
同じ「漕ぐ」でも、先ほどのオール(かいともパドルとも言いますな)よりもずっと高効率!
私が鴨川にヨットを置いていた時はテンダー使用でしたが、速度重視の時はオールを1本だけ持って、テンダーのスターンで櫓っぽく使ってました。
櫓と言うと東アジア中心のイメージもありますが、ネイティブアメリカンアメリカ先住民が五大湖周辺で使っていた記録や遺跡も残ってます(モンゴロイドだから、アジアから持ち込まれたのか、文明伝播なのかは不明… っていうか調べてない)。
小学生の時に図書館で読んだ釣りキチ三平でも、

これは2巻の青い鮒の話ね
櫓床も早緒も描かれてないけど…

三平のじいちゃん、三平 一平みひら いっぺいさんも漕いでましたな。
手に持つ部分が櫓腕(ろうで)、櫓腕の先に括り付けられて水中に入るブレード部分を櫓脚(ろあし)と呼びます。
スターンに設置したベース(櫓床)から突起(櫓杭)が突き出ていて、そこに櫓に付けられた凹み(入れ子)を当てて軸にし、櫓をひねりながら左右に漕いで、櫓脚ブレード前方に負圧を発生(と言う言い方は変か)させて推進力とします。
しかし世界は広い… と再び言いますが、いるんですよ、

こんな感じでヨットで櫓を漕ぐ人々バカが。
この動画の人なんか早緒はやお(この人はOriental lanyardと言ってます)まで使用してて、よく勉強されてますわ(東洋の技術と言う事で上から目線)。
探す限り、最大で40ftのヨットを動かしてる人までいました。
40ftのヨットって8トン以上ない?すげぇ…

この櫓は前方視界、使わない時の道具の収容、(工作の)手軽さの三拍子揃った素晴らしい方法で最有力なんだけど、ちょっとウチのヨットの場合はブームが邪魔なのよね…
座ったら力入んないしなー。
残念ながら、これも保留。

で、第三の方法ですわ!

◾️足漕ぎ式(Pedalling)
これはねー、それまであんまり考えて無かったんですけど、お盆くらいにカヤックフィッシングに出る人を海辺でボーっと眺めてたら、なんぞペダルを漕いで進んでるじゃありませんか!
もうね、その場で検索しましたよ!
いや、正確に言うと、検索する前にエウメネスアリストテレスを思い出した。

ヒストリエ(岩明均)1巻のアリストテレス先生

↑これね。

検索すると、どうもカヤックの足漕ぎ推進力システムは2種類あるっぽくて、一つはミラージュタイプと言われる足踏み式で、ペダルを踏むと2枚のフィンが動き、それで推進力を得る物。
こんなのあるんか…
ちょっと興味ある方は画像検索でもしてみてください(面倒なので画像載せない)。
これは効率良さそうだし、何しろ水に入れっぱなしでも水の抵抗が少なそうなので興味ありますが、ボツ。
足漕ぎとは言っても、回転じゃなくてステップ(往復)運動なんですよね。
これをヨットの後ろに付けて、自分がステップ運動する姿勢が想像出来ない。
ヨットの後ろに簡易的に付けるのって無理じゃない?と思ってやめました。
コクピットから船底まで貫通させれば出来るけどね…

もう1つは、想像の通りと言うか、オーディナリーな感じと言うか、自転車の如くペダルをクルクルと回して、それでスクリューを回すタイプ。
うん、絶対上に書いたフィンよりも効率悪そう。
しかし、回転運動なら機械ドライブの配置が結構自由なはず。
ペダルが前にあろうが、下にあろうが、漕ぐことは出来ます(ペダルが前にある=リカンベントに乗って上り坂を進むと、体重の載せられないペダルの辛さを思い知りますが、それでもなんとか進みます)から、設置の自由度は高いはず。
もうこれだろ!
よし!Amazonで注文!!

バーン!

写真撮影の都合上、床側のペダルは付けてない

はいはい、早速(と言っても注文から3週間くらいかかった)届きましたよ!
価格5万円弱、重量約7kg。

これをですね、なんとなく今のイメージですと、

こんな感じにしたら、前も見えるし、ティラーもティラーエクステンション使えば届く範囲だと思うし、いいんじゃない?
と、妄想したり、過去に撮った写真から色々な角度で

まずはざっくりの3Dデータを起こしてみる

当てこんでみたりしていると、取り付けのイメージが固まりつつ、ここのサイズは?とか、あの長さは?とか、必要な数字が炙り出されて来ました。
例えば、ペダルとサドルの間隔がわからないので、

サドルからクランクの中心までは、股下の87.5%の長さが標準っぽい

駐輪場に行って、自分の自転車の各所を測ったりとかしまして、もう大体の家で測れる物は全部測ったかな?となる頃には、
よし!机上の空論はだいたい固まった!
今週末は3連休!マリーナに行ってヨット遊びに興じつつ、余った時間はヨット各所の測定をして図面を引っ張って、どんなSUS材ステンレス材や、その他の部材が必要かリストアップして、休み明けには発注して、そうだ!溶接機とかTIG溶接機も…

と思ってたんですよ。
ところが、ウチの奥さんが
「ねぇ、匂いも味もしないんだけど…」
と、急に言い出すではないですか。
え?それって流行り病アレじゃないの?
ええ、奥さんを病院に行かせ、って検査してもらったらアレでしたわ。

いや、アレってタイガースの優勝じゃないですよ?(ファンの方はおめでとうございます)

そんなわけで、私も罹患する可能性は非常に高いし、あまり外をウロチョロするのもダメだろう…と言う事で、三連休は完全にお家時間ですわ!
江ノ島までセイリングしようと思ってたのにー。

しばし自宅で軟禁生活。

朝晩2回やってる…

来週は0泊4日の欧州出張入れてたのを、再来週に延期しました。

しかし、暇なんでヨットの人力化をしてる人を探すと、世界には結構いるものですな。
自転車を改造したドライブを付けたヨットや、船尾式外輪船に改造したヨットなんかもありました。
私も頑張るぞー!

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