鉢古

ものかき / 総合垢@nrkm8

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Skebはじめました

テキストがOKになったと聞いたので、とりあえず頁だけ作ってみました。新しいものがそれなりに好きなので。 https://skeb.jp/@nrkm8 詩や短歌、掌編などを主に書いています。 感想文とかは苦手なので、これを読んで・やって感想を~系にはお答えする自信はないです、と先に言っておきます。王様の耳はロバの耳に使ってくれても大丈夫です、その際には非公開設定などクライアント設定の見直しを先にお願いいたします。イメージ詩、イメージ短歌も普段はやっているのですが、お金が絡んでく

    • 冬と雑踏

      冷たい部屋でずっと蹲ってるのは誰の幸せも見たくないからだ。また何にこんな、お金を使ったの。それはただただ俺の悪いところのはなし、達成感も何もない世界で、ただ証明したいような、出来ることを増やしたいような、何者かになった気でいたいような、そういうやつで、どうしたってスタートはそこじゃないだろ、みたいなところにジャンプする。 そういうのが上手だった、憎まれながら愛される、みたいなの。蹴り出されないこの生命がいつ不必要になるかのチキンレース。そういうのが上手いわけじゃあないけれど、

      • 終電の街の吐瀉物

        もしもきみが神様だったら、一体何を願ったかな 願われるのはもうこりごりですって そんなことを言ったのかな その肩にのっかった 大きなまっくろいものを きみは愛だと呼んだ 僕にはそうは見えないな 六畳一間の汚いアパートで きみが首を吊る午前四時 もう少ししたら交代の時間だったよ ねえ、そうでしょう? 叫ぶことなんて必要なくて ぽたぽたと だめになった水道が 音を立てるのを聞いている 明日が雨ならよかったな 善人でいることは難しくはないよ そんなことを言ったきみは もう何処にもい

        • うろのなか

          ちゃんと朝に起きたいなあ、と思う。なんかそういうのって普通らしくて、特に努力しなくても出来るものらしい。人それぞれとは言うけれど、社会がそうなってるのはそういうことが出来る人間が多いからで、薬を飲まなければ二十時間くらい起きっぱなし動きっぱなしってことはないらしい。いやあれよ、二十四時間なんていうのは勝手に昔の人が区切った区分のくせに、太陽が真上から降りてから起きる僕を指さして普通じゃないって言うなよ。 そんなこと言ったって、起きられるようになるわけもないんだけど。 喉を食事

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          イノセンス

          どうにもこうにも 難しい世の中になってまいりましたね 行き場のないコンテンツ 指をさされて笑われるだけの時間は終わったのです 僕たちは、 清く正しくそして可笑しく 生きなければなりません ピエロ、そんなものは何処もいないから ゴミ捨て場でも覗いてみなさい 運がよければ 時代の遺物が見られるかもね 真珠の涙を流す少女も 祈りだけで喰っていける教祖も 不幸に塗れた少年も すべての罪を押し付けられる被害者も もういらない もういらない 過不足なく、それがこの世界のありようです 飽和

          イノセンス

          夢日記まとめ -22/06/23

          木立  まだ終わっていないのだ、というのは探偵の台詞だと思っていた。山には、もう林間学校の生徒がいる。事件は終わっていない、理想に当てはまるのであればそれはきっと、誰でもいい。見つけたそばからそれは実行される。  でも、でも、と立ち上がる。  かわいらしい装飾を施した、作りかけのお菓子。それをくれると言った彼ら。  その生命を見捨てることは、まだ出来ないのだから。 * 午後の静寂  階段の、軋む音がした。落ちた、落ちた、事故、怪我、伝言ゲームのような言葉はどうやって次

          夢日記まとめ -22/06/23

          ほしのこどもたち

          なみだ、を 流すようなひとにはなりたくなかった わたしの涙が夜空を割って 誰かの願いを背負うようなものには なってほしくなかった あの星は きっとあなたが殺した星 誰も知らない土地に住むひとの 不幸をあなたは願ったのです そこでは慣用句も通じなくて 魚が空を舞っては虹の上をどたばたと あなたによくよく似たひとびとが 走っていく 赤茶色の砂が 光にまぎれて紫にかがやいてみせて 戦争なんてことばを 誰もしらなくて 大地が焼かれるようなこともない 雨が降らないかわりに 水を必要とし

          ほしのこどもたち

          どれが傷ですか。

          嘘を吐くのが苦手です。 口からでまかせを言うのは得意なのに、それを嘘を認識するとてんでだめになってしまう。それ以外の動きを忘れたみたいに。出来ることを出来ないと言うことが出来ません。出来るけれども能力以上のことを、断ることが出来ません。出来ることを褒められても困ります。出来ないことを責められても困ります。あなたは言う、どうして、と。わたしが聞きたい、どうして、と。あなたの世界では何が普通ですか。何をもってして普通と言うのですかどうしてわたしを普通ではないと断じるのですかわたし

          どれが傷ですか。

          海底

          泣くほどこの世界が嫌いになってみたかった。自分ではどうしようもないことなんだって、朝のニュースを見てベランダから花束を放り投げるような、そういうひとになってみたかった。きみが知っているぼくのこと、みたいに。誰でも出来ることが、ぼくにとっては死ぬほど難しくて、本当のところは死ぬよりも簡単だけれど、死ぬ方がずっと楽であるみたいなことを、言ってしまいたくて、逃げたくて、逃げる場所もなくて、いつだって踏切の音を聞いている。 この耳の底には海がある。 きみが、ぼくが、生まれた海を、きみ

          no name

          誰もいない世界のことが嫌いだ、 だってそれは誰の所為にも出来ないということだから 夜の空は黙りこくって この階段の向こうには何もなくて 鍵とチェーン 錆びついたもの 忘れ去られたもの お前も一緒だね、なんて冗談でも言えなかった 忘れてはくれない世界 誰かの何かでしかない世界 此処は自由のありさま それでも僕は動けない 誰でもないあなたを 僕は殺して回りたかった どうしようもなくサイレンの中で こどものように駆けずり回ってみたかった あなたも、あなたも、あなたも、 誰かでしかな

          翁草

          これは病ではないらしい。 だろうな、と僕は思う。残念ながらどうにも彼の口から出るものと自分の世界が一致しなかった。魔法みたいなその病のことを思うと、これは呪いの装備のようなもの。何処が可笑しいわけでもない、ただ、そうやって生まれてしまっただけ。そうやって言うと、お前は何処も欠けていないのだろうときっと後ろ指をさされるのだろうけれど、どうやら見えない部分が欠けているらしかった。あーあ、と思う。 これが病であれば、いつか治るのかもしれないという思いでいられた。けれども今、もうそう

          生ハムの乗ってないメロン

          寒いからだろう、余計なことばかり考える。猫をこねながら、あたたかいなあ、と思うことで気を逸らしている。生命の温度は、少しまだ、重い。 人に嫌われることも、好かれることもそれなりにある人生を歩んできたように思える。前者の方が意識に残るのは恐らく人間というものがそうやって出来ているからというのと、後者をひどく恐れて避けていたからだ。自分に向けられる好意というものがどうしても気持ち悪かった。それがたとえ、好きな相手だったとしても。自分に価値がないと思っていたかった。その方が逃げ道を

          生ハムの乗ってないメロン

          閉幕

          梢 小鳥は囀るもの 餌場、天気、番の居場所、 そして、敵のこと 小鳥は囀るもの その囀りに罪はない 籠の中に入れられた小鳥が他に何が出来ましょう そういうもの そうやって生まれたもの そうするしか 最早、ないもの 小鳥は囀るもの それは生き方 貴方が恨むことも出来ぬ ただの生命 「使嗾」 排水管の墓 口を噤まなければなりません 綺麗に彩って それを崩さないように 食べてはいけません 喋ってはいけません 貴方はお人形 ただのお飾り 貴方が人間であることを あの人はきっ

          さよなら春の日々よ

          机の上に 捨てられるように置かれた花束 きみのことを 誰かが思っいたって 本気で思っているの? 誰もいない廊下の先 光が反響して きみはただ、一人で 学校用の決められた 薄汚いシューズで踊っていた 此処が土足だったなら きみは踵を 気に出来ただろうか 分からない 分からないよ もう答えをくれるきみは消えてしまったから 廊下を走る きみのいない 階段を駆け上がる そのさきの扉の 鍵の確かな反発が きみの不在を更に浮き彫りにさせる この腕は きみの所為できれいだよ そ

          さよなら春の日々よ

          端喰

          おしゃべりをしよう、誰が誰だか分からなくなるまで。嘘しか吐けないこの指が、この冬に凍てついて布団にくるまってすべて夢で終わらせたくなるまで。この身体は生きるのには向いていない、この目はいつだって幻を映す、人はそれを気狂いと呼び、あり得ざるものたちを脳の副作用だと嘲笑う。それは別に良いのだ、気が狂っているのは事実である、この世界が何処まで本当であるのか、何処までがこの脳の反作用であるのか、誰も教えてくれる人はいない、証明だって出来ない。出来ないものはそのままで良いのだ。数式を連

          宵闇と花

          溶けてなくなってしまえるものなら いつか粉々に砕けて 消えてしまえるものなら 良かったとでも貴方は言うのでしょうか 善きひとびとの書を辿る 貴方の指が教えてくれなかったこと この生命が 燃え尽きてしまう前に 一体何が出来るのか、ということ わたしの道は誰に決められるものでもない そうと 分かっていたいのに 貴方が何ひとつ教えてくれなかったことを 未だこの胸は恨み続ける 恨み続けることで 覚えていることを しようとする ▼詩集「硝子のひつじ」  https://nikuma

          宵闇と花