宵闇と花
溶けてなくなってしまえるものなら
いつか粉々に砕けて
消えてしまえるものなら
良かったとでも貴方は言うのでしょうか
善きひとびとの書を辿る
貴方の指が教えてくれなかったこと
この生命が
燃え尽きてしまう前に
一体何が出来るのか、ということ
わたしの道は誰に決められるものでもない
そうと
分かっていたいのに
貴方が何ひとつ教えてくれなかったことを
未だこの胸は恨み続ける
恨み続けることで
覚えていることを
しようとする
▼詩集「硝子のひつじ」
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