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【読書記録】「ひとり終活」は備えが9割

おすすめ度 ★★☆☆☆

おひとり様を悠々自適に楽しんでいる、母のために勉強しておこうと思い、読んだ。
我ながら心配性の娘だ。

母は、子育てが終わってすぐに熟年別居を選択し、その後父が亡くなって晴れておひとり様になった。生まれ育った沖縄で、一人暮らしをしている。

今はとても元気だが、数年前、父の介護や財産整理、葬儀など一通り経験したので大変さを知っている。


本は、病気になる前にできること、認知症になる前にできること、といった生前の話から、遺言や贈与など死後の手続きに係ることまで幅広い。
著者が司法書士なので、士業っぽい実用的な内容が多い。

遺言書など、書き方によって法的に認められなかったり、そもそも遺産以外のことを生前に残すのに制約があるのは知らなかった。
終活って色々知識がいるんだなぁ。

ただ、家族信託への言及がないのは不思議だった。
その分、成年後見人と財産管理委任契約についてたくさん書かれているが、認知症対策といえば家族信託というレベルで重要な手続きだと思う。
私は父の時に家族信託をしていたから助かった。

なぜ「家族信託」を書かずに「財産管理委任契約」と「成年後見人」の2択のように書いてあるんだろう?

家族信託は士業にとって儲からない仕組みなのかもしれない、と穿った目で見てしまった。
やはり情報収集はさまざまな方法、角度から複数調べるのが良いね。


ともあれ、有益な情報も多かったので、母に勧めようかなと思ったけどハタと立ち止まった。
母とは終活話も時々するが、なかなか踏み込んで話すのは難しい。
ともすると「こっちに迷惑かけずに上手いことやっといてね」と思ってると思わせてしまうのではないか(ややこしな)。

こちらとしては、最後まで母らしく尊厳を持って生きてほしいし、余計なことに心を乱されずに楽しく生きてほしいという思いなのだけど。
父の時にした後悔はしたくないし、母には育ててくれた恩も返したい。
そういう想いを伝えつつ、終活話をすればいいんだけど、どうにも気恥ずかしさが優ってしまうのかな。

まあそういう時にさりげなく本を勧めるってのは良い方法だと思うので、こっち系でもっといいのがあったら母に勧めてみよ。

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