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会社規模による仕事比較②-大企業内の政治的な仕事

こんにちは。
キャリア×英語のアドバイザー
にけと申します。

今日は
企業の規模による仕事比較
続き②です。

①の記事にも書いてあるように、
大手企業のネガティブな点を書いていますが
決して大企業より中小の方がいい!
と言いたいわけではない
ので、ご注意を!

特に転職では
大規模→小規模と、
会社の規模を小さくする方が
楽なことが多いですし、
特別な理由がないのなら
大企業の方が無難とも思います

僕はこれまで4社、すべて製造業で
売り上げ規模で
約百億円~数兆円規模の会社で
働いた経験があるので
それをもとに書いています

政治的な仕事が増える

①で書いたように、
大きな会社では
仕事が細かく分担されているので、
多くの部門が携わることから
政治的な仕事が非常に増えます

多くの人とコミュニケーションして
調整していく仕事ですね

いわゆる下ネゴもそうです。
就活中の学生さんだと
下ネゴって何?と
思うかもしれませんので
一応説明しておくと、、

日系大手企業の場合特に、
いろいろなことで
多くの部署などが関わって
各部署からの同意を得られないと
進められないような
仕組みになっています。
(これは良くも悪くも)

例えば、
何か新製品を技術部が開発し、
この生産に入りたいとき、
技術:設計は大丈夫か、安全性は
製造・生産技術:その通りに作れるか
品証:品質は守れるか
営業:販売価格は問題ないか、利益はでるか
知財:特許に抵触してないか、出願しているか
物流:どの国にどうやって輸送するか、関税は
マーケ:横展開の可能性は
などなど、
各部門がいろいろな視点で
確認をして承認をされることで
初めて先に進めます

これを下ネゴを何もせずに
いきなり大きな打ち合わせの場で
「これやりまーす!」
と言ってしまった日には
各部門が言いたい放題で
収集がつかなくなり、
承認が得られず
進まないでしょう

そのために、
事前に各部門1つ1つ
話を事前にしておき、
納得できる落としどころを見つけて、
交渉して進めておくわけです

関わる部署や職位は
内容によって様々で、
この内容なら係長くらいでいいだろう、
これは部長まで話しとおしておいた方がいかな、
なども考える必要があります

そして全体会議の時には
ほとんど決着ついているので
ほとんどの人が文句を言わず
ほぼお披露目会な
儀式みたいになりますが、
これが大規模会社では
大事なことになります
(良いか悪いかはおいといて)

僕が実際に経験した話ですが、
ある日系大手にいたとき
役員クラスが出席するような
大きな会議になると、
別の部署から
「こういう質問するからね!」
と事前に連絡があったり
シナリオ・脚本まで
準備されることすらあります。
ここまでいくと
もはや茶番ですね。。

政治の世界とも似ていると思います。
各国の首脳陣が会談するころには
ほとんどのことは決着がついていて、
あとは形式上の承認儀式を行うだけ、
みたいな。
大きな会社もそんなものです。

こういうのが下ネゴです
大きい会社ほど
こんな仕事が増えるわけです


大きい会社になるほど
同じ部内でも
承認を取る人が増えるので
その調整も必要になります

僕も売上数兆円規模の会社にいたときは、
所属していた複数ある技術部のうちの一つの
〇〇技術部だけで300人近くいて、
仕事の大半が
他部署などとの調整や
部内の上司たちの承認を取るための
資料やチェックシート作りなど
そんな仕事ばかり。

同じ部内の人なんだから、
あまり細かく言わなくてもわかるでしょうと、
適当に書類を出すと
上司から
「俺が短時間ですぐ理解して
 承認するために
 説明資料を作れ、
 いちいち図面をひとつずつ
 比較して見てられない」
とまで言われたことがあります。
客先のためではなくて
上司の承認のためにも
資料を作るわけです。
上司の方が単価が高いですし、
正論なのですが、
あまり進んでやりたい仕事では
ありませんでした。

大きな会社にいたころは
技術部らしい
実験や解析、設計などの
仕事がかなり少なかったです。
(会社や配属される部署にもよりますが)

例えば、
客先から製品について
調べたいことがあると依頼があって、
ちょっと材料の分析しようと思っても、
材料技術部へ依頼する、
評価をしようとしても、
評価チームへ依頼する、
試作品を作ろうとしても
試作グループへ依頼する、
ちょっとした設備を使おうとしても
研修を受けないと使ってはいけない、
設備は予約制で予約がなかなかとれない
。。。
自分でやりたくても
やってはいけません。

そのために依頼書に
背景や内容を細かく書く、
上司の承認をもらう、
打ち合わせして
詳細を説明する。。。
納期の調整をする。。
客から文句を言われる、
再調整する。。

大手ほど仕事が分業化されていますので、
自分でやりたくでもできず
依頼と調整ばかりが
仕事
になります。

会社にもよるとは思いますが、
古い体質の会社だと
顔の広さとか人当たりの良さ、
コミュニケーション力がかなり必要で、
他部署と調整しても
「〇〇さんのお願いなら
 早くやってあげようかな」
とかいう不公平さも当然あり、
結構苦労もします。
コミュニケーションが得意な人の方が
明らかに有利な場面が多い
です。
やはり出世する人も
政治的な調整がうまい人が大半でした

そういう意味でも、
実は大手に中途入社で入ると、
結構大変な思いをすることがあります

中途という時点で
いくら専門性などがあっても、
社内人脈は
ゼロからスタートなので
やり辛さを感じることは多いです

僕が中途で入社した
売上数兆円規模の会社は
10年前の話とはいえ、
かなり古い体質でしたので、
他部署へ電話で依頼したら
「お前のことよく知らないから
 やらない」
と断られたことすらあります。
その後、先輩が電話して
やってもらうことになりましたが。。
先輩からもクセのある人だから
何か言われるかも、、
と事前に言われていたとはいえ。。。


と、
このように
大きな会社では仕事が
分担されていることから
多くの部署との調整が必要で、
その調整の仕事、
政治的な仕事が
業務の多くを占めることがあります


今日はこの辺で。
企業の規模による違いについては
今後、
ルールの中でのやりにくさや、
ライバルについて、
海外駐在のしやすさ、
などにも触れていこうと思います。

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