コマツ_

「コマツ」のビジネスモデルはなぜすばらしいのか?②

前回からの続きです。

簡単に前回の内容を振り返ると、

✔ 高額な建設機械を販売しているため、リテールファイナンス(融資)のサービスとの相性が良い。

✔ KOMTRAXというネットワーク・システムによるデータの収集が、新たなビジネスのポイントになっている

✔ROEやROAが高い一方で、売上に対する売上債権の割合が大きい。また新興国に対する取引も多いので貸し倒れリスクの高さが懸念される


今回は、KOMTRAXが貸倒リスクを下げることに貢献している仕組みを説明していきます。

貸し倒れリスクが低いカラクリとは!?


前回お話ししたように、KOMTRAXを搭載している建設機械から位置情報や稼働状況などのデータを収集することができます。

さらにコマツは建設機械を遠隔で制御することができます。お金を滞納しているユーザーがいたら、その使用する建設機械を遠隔で止めることができます。

そのためユーザーはコマツにお金をどうしても払わざるを得ないという状況になっています。これが、貸し倒れリスクが抑えられているカラクリです。


このようによく考えられたビジネスモデルになっているコマツですが、懸念される事業リスクには何があるのでしょうか?

キーワードは「石炭依存」と「ESG投資」


IR資料を見てみると以下のようなリスクがあることが分かります。

世界の石炭需要についてはIEA(国際エネルギー機関)も2023年までは横ばいだが、それ以降は減少していくという予測を発表しています。


コマツの製品は石炭の需要に影響されます。
株価は2018年初頭には一時4000円以上の高値を付けましたが、2019年の3月時点では2600~2800円で推移しています。様々な理由が考えれますが、石炭に依存しているビジネスモデルは投資家から不安視しているのも大きいと考えれます。日経には外資投信のファンドマネジャーが「石炭の比率が大きいコマツを積極的に持てないため売った」と答えたという記事も載っていました。

従来のエネルギー(石炭など)から再生可能エネルギー(太陽光など)に世界中がシフトいるのに伴い、環境などの面からビジネスで社会に貢献している企業を投資対象にするESG投資も世界中に広まっています。


仮に石炭の需要が大幅には減少していかず業績は安定しているのに、ESGの観点からは良くないからという理由で今後株価がさらにマイナスの影響を受ける可能性もあります。

現在コマツは売上に占める15%ほどが石炭関連になっていますが、現在の世界の流れを考えるとこの比率は縮小していかざるを得ないのではかと思います。


ざっくりですが、ここまでの流れが就活時にしておくべき①企業のビジネスモデル、強みや弱み、事業リスクを知るという段階になります。


つづいて、②自分が社長ならどうするかを考えるということをしていきます。

前回もお話ししましたが、企業は学生レベルを超えるような意見まで求めていないと思います。的外れな意見でなければ、どのような意見でもOKですので必要以上に気負う必要はありません。

大切なのは自分なりに考えた意見を述べることです。いきなりは難しいと思いますが、これもトライしていく内に慣れてくると思うので頑張ってみて下さい。

ここからは僕が社長だった場合どうするかを提案していきます。

提案は2つあります。
1つ目は「油圧ショベル事業の強化」
2つ目は「情報化施工の強化」


つづきは次回の投稿をご覧ください。



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