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2年間と半年、一緒に通った分団登校


予感は的中しました

黄色い帽子は寂し気にうつむいている

真新しいタンポポ帽子が ぽつんと

色とりどのランドセルに紛れて

シュンと頭をもたげ
 
こちらを何度も振り返り、振り返り
 
見えなくなった

私は胸がまた張り裂けそうになる
と同時に「はぁ~。。」とため息。

我が子が可哀そう。。
と締め付けられ、震えるこころと
あの子はなんでそうなのよ。。
と怒りで震えるこころ。  

私の心は葛藤する

こんな風に、怒りを思う私は
「うわべだけ優しい母親かもしれない」
と、自信を失いそうになる。

せっかく1人になれる時間が
できたのに。。。
娘の後ろ姿が気になって
家事の合間にまた、、 ため息。

ウィンドウショッピングに
行ってはみるけれど
時計をチラッと見ては
「何してるかなぁ~1人でまたいるのかなぁぁ」
とすぐ考えてしまう。。

いつになったら、安心して
「行ってらっしゃーい!」
が言えるんだろうか私は。。

そんな時に必ず頭に浮かぶ
場面」があるのです。

娘が赤ちゃんの頃
寝かせようとそぉーっとお布団に
おろそうとすると、必ず娘は気づき
「ふぇ ふぇ びえーん」と泣き出す
「ごめん ごめん」
私はすぐに抱き上げる

なのでお布団でのお昼寝させるの
をやめました。
その時間がもったいないからです。
娘は2才と半年、常におんぶでのお昼寝。
その場面を思い出すと、私は我にかえります。

「私の育て方が間違っているんじゃない!彼女の性格なんだ」

そう考えると少し楽になるのです。

その頃、気に入っていた本がありました。
当時、よくテレビ番組で取り上げられてた
「石田さん家の大家族」の
お母さんが書かれた本です。
ハッとさせられた言葉がありました。

📘「どうしようではなく、ではどうする?」

なにか問題が起こった時
どうしようと思ってしまうと 
ゼロより下のマイナスから始まる
これって結構しんどい。。 
「では、どうする?」のゼロから
のスタートにしてみる。
悩んでも解決にならないのなら
その時間を省いて前にすすむ。

📘「子ども達は、大人が思っているより周りをよく見ている

こども達は大人が思っている以上に
周りの人や大人たちの事を見ている。
だから、なるべく学校行事には参加して
「あの子のお母ちゃんに関わると、めんどくさそうだな」
という印象をもってもらうのです。


娘は幼稚園の時から、みんなでワイワイと
仲良くするタイプではありませんでした。
まわりのお友達は、楽しそうに園庭を
走り回ったり追いかけっこしているのに
うちの子は1人で園庭のすみっこで
三輪車を、コキ コキ コキ。。

自分が楽しいと思わないなら1人でいる
良く言えば「周りに合わせない強さ」
がある。
悪くいえば「協調性」がない。

ですがそんな娘にも1人だけ心許した
お友達がいました。
その大好きなお友達しか目に入らず
いつも幼稚園に着くとその子を探して
一目散に走り寄る。

そのお友達と一緒に遊べれば、楽しくなり
そのお友達と遊べないと、悲しくなる
その大好きなお友達で1日が楽しくなるか
どうかが決まるのです。

そんな一喜一憂する我が子の姿をみて
私は、やきもきする。
そしてこんな事も頭によぎります。。。
「将来、好きになった人に振り回されなきゃいいけど」
と余計な心配をしたり。。

そこで私がとった行動は
石田さん家のお母さんの言葉を実行して

「わたしがこども達の輪に入る!」

園の子ども達に、たくさん話しかけたり
笑いあったりと積極的に声をかけました。

意外にもこの時間は私にとっては
癒しの時間になり、後に子どもを
お世話する仕事につくきっかけに。。

楽しみながらも、我が子が取り残され
ないように。そして
「○○ちゃんのおかあさん」と
「うちの子」セットでみんなと
仲良くなりました。

娘は相変わらず自分スタイルを貫き通します。

本人は、一喜一憂する楽しさをは堪能して
無事に卒園します。

話が少しそれましたので戻します。。

🌸🌸🌸

『さーくら 咲いたら いちねんせい ひーとりでいけるかなぁ~』

卒園式で前歯が1本ぬけた娘が
大きな口で歌っていました。
その翌月 娘は1年生なりました。

黄色い帽子は、わたしを振り返り

つまずきそうになりながら

タンポポ帽子は 振り返り 振り返り

学校へとみんなと流れていきました

1年生になっても、自分からお友達を
作りにいくこともなく
放課中は外には行くのですが
1人で時間をつぶす日々。。
遠足は行きたくないといって 
先生の近くでお弁当を食べる。
娘は毎朝、テンションが下がる。

席のお隣さんには 
ここから入るな!と言われる。

学校行事で後ろの子達に
ランドセルを押される。

まだ低学年生では「悪気のない行動」
はつきものだと、今はわかっています。
ですが当時の私は必死でした。。
私も一年生なのです。。。

毎日つまらなそうな顔で帰ってくる娘
朝はメソメソとするので
親子で毎朝が億劫になる
私は無理に学校に行かせなくて
もいいのかなとも考えました。

ただこの時に学校に行かせた理由は
「本を読めるくらいになるまでは、、」
でした。
一冊の本で人生が変わることがある。
私自身が本や漫画で人生が救われた
1人であります。
もう少し字が読めるようになるまでは
学校で習ってきてもらおう。。!
そこで私がとった行動は幼稚園と同じく

「こども達の中に入ってみる」

黙って見守るスタイルを変えることに!

毎朝、分団に私も一緒にまぜてもらい 
娘の隣で歩く。
娘が「もういい」と言うまで
学校の門までではなく、少し手前の信号まで
春夏秋冬、小さな軍団に大人が1人
ちょっとした
朝の名物だったかもしれません(笑)
旗当番のお母さん達の視線はカット!!

ですがこの経験は「吉」とでました。

思いのほか、まわりのこども達が 
私を、受け入れたのです。
一緒に歩いていると、まわりのこども達が
我も我もと、自分の話をしに来てくれる。

「昨日こんな事があったよ」
「ゲームでここまでクリアした」
「妹がうまれるんだ!」
「昨日お母さんと喧嘩した~」
「この前、病気してさ・・」
と歩きすがらに。。
意外と大きい男の子や女の子も
「あのさー」と話してきてくれた
その時に私は強く感じたことがありました。

『こども達は、大人と話したがっている』

この経験を通して学んだ気がします。
こども達は、大人のことを遠ざけたり
なんかしていない

このご時世だからと「楽」を選んでいるのは
遠ざけてるのは大人の方なのかもしれない

一歩踏み込んで見えた
こども達の世界は
意外と心地がよかったのです。

そんなこんなで
「○○ちゃんのお母さん」が
こども達に浸透しました。

ですが娘は相変わらず
自分スタイルを貫きます
1人でいることも多かったと思いますが
「つまはじき」
になることはなかったようです。

時間はかかるかもしれないけど

本人がゆっくり成長できる時間と空間を

わたしは提供できたと思います。

ここまではお手伝い
その他は見極めて見守る

娘は「とりあえず行けばいいんでしょ?」
のスタイルでしたが(笑)
それが「うちの子らしい」
と今はわかってます。。

娘が「」をすこし破れたのは
2年生の夏休み明けの
はじめて参加した
ピアノの発表会でした。

小学校が離れてしまった
幼稚園の大好きなお友達と
週に1回は会えるように
一緒のピアノ教室に1年生
から通っていました。
その時間は娘は本当に楽しそうで
ピアノ教室で遊ぶ約束もできるので
小学校は違いましたが
週末にはよく我が家で遊んでました。

そして2年生の時に
「ピアノの発表会に出る」
ことになります。

私は娘が人前に出ることを嫌がるだろう
と思っていたのですが、意外にも
そうでもなかったのです。

着飾ったドレスを着こなし
背筋をすーっと伸ばして
彼女は舞台に登場しました

ゆっくりとお辞儀をして
グランドピアノに座りました

夏休みに私と喧嘩をしながら
練習した曲を大勢の観客の前で
披露する娘。。

失敗しても慌てることなく
弾き直して
最後は大きな拍手の中
またゆっくりとお辞儀をし
舞台袖の黒いカーテンの中に
消えていきました。。

ゆったりとして 
凛として 優しい音色でした


私は1人の観客として
遠い場所からその様子を
見て思ったのです

「そうかぁ、あのこは大丈夫だったんだ」

1人の個性がその場所で力強く存在していました。

2年生の夏休みが明けて2学期が始まり
少しして、家の近くのお友達と2人で
帰ってくるようになります。
その子は娘と正反対の活発的な女の子。
男の子とドッチボールなんかもスイスイ
と参加します。
ですが、どこか娘と似ているところもあります
彼女も「周りに合わせない強さがある」
女の子なのです。
娘の世界は少しづつ広がりはじめます。
そして、ある日、娘が言いました。

「ママ 明日は1人で、分団にいくね 」

長い長い私の分団登校は
そうして終わりました。。。。。

もう彼女は
黄色いタンポポ帽子では
なくなったけれども
相変わらずベランダで
見送る私を
振り返り 手を振ります。

身長はぐんと伸び

隣の新しいタンポポ帽子の

女の子の手を握り

その背中はやっぱり

すーっと伸びています☆彡



(最後に)

私の行動は正しいのかどうか
はわかりません。
身内や友人、担任の先生からも
「甘いのでは?」といってもらった
こともあります。
それも正しいとも思います
現に私の子供時代はサバイバルでしたし
1人で乗り越えてきました。

ですが私が今回採用したのは

「なんとなくこの子はこうした方がいい気がする」
という母親の勘です。

赤ん坊の頃に私にしがみついていた
あの感覚を覚えているです。。

先日、病院に行くため学校を
お休みしました。
その時に娘がこう言ったのです。

「あ~あ、学校行きたかったなぁ~皆んな心配してるかなぁ?」

あの頃の私が聞いたら、テンション上がりまくりです(笑)

とりあえず今のところは
「終わり良ければ総て良し!!」


なんとなく こうした方がいいに

周りの目は関係ない

十人十色 我が子の 

笑顔が多くなるほうを

わたしはこれからも

選び続けます☆彡


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