虹乃美稀子

シュタイナー幼児教育者 東仙台シュタイナー虹のこども園で園長・担任を務めています。 オ…

虹乃美稀子

シュタイナー幼児教育者 東仙台シュタイナー虹のこども園で園長・担任を務めています。 オンライン講座では「子どものスピリュチアリティの育て方」シリーズを開講中。(第4期は2024年6月スタート) 子どもが、子どもらしく、子ども時代を過ごすために大切なことをお伝えしています。

マガジン

  • 東仙台シュタイナー虹のこども園マガジン

    虹のこども園HPに毎月はじめに掲載される「園だより」と新月・満月更新の連載エッセイ「小さな声が聞こえるところ」を中心にお届けします。 (以前の同名マガジンからこちらに移行しました) 園だよりは「牛乳・卵・白砂糖を使わないシュタイナー園のおやつレシピ」が人気です。 連載エッセイは、子育てや保育に関するヒントや気づきを中心に書いています。 これまでのマガジンに掲載されていました記事は、こちらからお読みいただけます。 https://sendaiyunta.com/essay/

最近の記事

小さな声が聞こえるところ147 「眼差しこそが、愛」

子どもにとって、大人が目を瞑っていることは「この場を共有していない、ここにいるのにいない」状態を表していて、とても不安になるのです。 大人がふざけて寝たふりなどするのを、幼い子どもたちが嫌がったり怖がったりするのもそのためです。 心は、見えない大いなる力への畏敬の念に満たされながら、目覚めた意識で、眼差しはしっかり子どもたちに向けている。 目を開いてしっかり眼差しを向けていることほど、愛情深い態度はありません。 「見守っている」眼差しは、肯定的な言葉や寄り添った応対を

    • 虹のこども園だより7月号/2024

      お庭のビワの実、大豊作。 たくさん採れて、おやつにしたり、各家庭におみやげにしたりしました。 このビワの木の種を最初に植えた子どもたちは、もう今年は成人です。 いま食べている子どもたちは、むかし園に通っていたお兄さんお姉さんが植えたビワだよと聞いて、大事そうに種を持って帰っています。 今月の連載レシピは「ひじきのもと」。 ぜひアレンジいろいろ応用して、おいしいものつくってみてくださいね。 こちらからお読みいただけます。

      • 小さな声が聞こえるところ146「井の中の蛙にならないために」

        先日、新聞に子どもが外遊びをしなくなった、という記事がありました。 とくに幼児は、半数が平日に園以外での外遊びをしておらず、12人に1人は1週間のうち1日も園外の外遊びをしていないそうです。 記事自体は驚くものではなく「やはりそうだろうな」という印象でした。 単純に考えて共働き世帯が増え、比例して保育時間が長時間に渡るようになり、大人もお子どもも家庭にいる時間は極端に減りました。 家に帰ればご飯を食べさせ、お風呂に入れて、寝かしつけるのが精一杯というのが現状でしょう。平

        • 第4期講座の始まりに寄せて

          5月が過ぎて、いよいよ明日から一年ぶりにオンライン連続講座が始まる前夜。 午前の親子クラスから夜の小学生クラスまで走り抜け、やっと初回スライド資料を用意したところです。 2020年のコロナの真っ最中に始まったこの講座も、はや5年目。 その間の私たちの世界の変化について、改めて思います。 変化が大きくて、 早すぎて、 大人たちも息切れしそう。 いつからこんなに生きることが大変になったんだろう。 そんな声も、聴こえてきます。 ・ モノの豊かさから、 心の豊かさの時代へー そんなこ

        小さな声が聞こえるところ147 「眼差しこそが、愛」

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        • 東仙台シュタイナー虹のこども園マガジン
          11本

        記事

          小さな声が聞こえるところ145 「終の住処にならない水槽」

           お弁当にと、ゆで卵を包丁で半分に切る。 そのとき、包丁についた卵の黄身の少しのかけらを見て「メダカの赤ちゃんにあげなきゃ」と思ってから「ああ、もうメダカはいないんだなあ」と思い直す。 そんなことが続いていたこの季節。 園では、2017年から6年間、野生メダカを飼っていました。 ほぼ毎年卵が孵化していました。 「野生」というのは、東日本大震災で被災した仙台のメダカのことです。 メダカは、同じ種であっても遺伝子レベルでは地域によって異なる集団に分けられるそうで、その地域のメダ

          小さな声が聞こえるところ145 「終の住処にならない水槽」

          虹のこども園だより6月号/2024

          新年度を迎え2ヶ月ほど。 新入園の子どもたちも、もう泣きません。 明日は幼稚園お休みとお家で言われて泣いたりするほどに、 みんなどんどん、幼稚園が大好きになっていきます。 幼稚園は楽しいところ、みんなのもうひとつのお家です。 6月号、下記のリンクからお読みください。

          虹のこども園だより6月号/2024

          小さな声が聞こえるところ144「立っておしっこできるかな?」

          私は女性なので、いわゆる「立ちション」の経験はないのですが、幼稚園の先生というのは時に「立ちション」の仕方もガイドする場面があります。 洋式便座が普及し、便器をなるたけ汚さないために?男性も座って用を足すようになってきた現代の暮らしの中では、子どもたちが立ちションを覚える機会が実は少なくなっていますー 排泄に自信のない子どもが増えていますが、排泄は自立の第一歩です。 園の連載エッセイ、満月更新しました。 こちらからお読みいただけます。 #小さな声が聞こえるところ #立

          小さな声が聞こえるところ144「立っておしっこできるかな?」

          小さな声が聞こえるところ143「小さなシュタイナー診察室」

          昨年度より、アントロポゾフィー医療(シュタイナー医療)の小さないずみの会の、おもに看護師による手当と医師による診療の会場に園の分室が使われています。 そうです、園の分室はときどき、小さなシュタイナー病院の診察室になっているのです。 今年度は会員外の方も、リズミカルアインライブング(オイルケア)の療法も体験いただけます。 医療としては治療のひとつとなりますが、健康な人にとっては深いリラクゼーションをもたらすものです。 体験日程は本文にあります。 こちらからお読みください

          小さな声が聞こえるところ143「小さなシュタイナー診察室」

          虹のこども園だより5月号/2024

          前アカウントを間違えて退会してしまったために、新たにフォローいただいたみなさん、ありがとうございます。 こちらでも改めてどうぞよろしくお願いします。 虹のこども園だより、5月号でました。 今月のおやつレシピはじゃがいもクラッカーです! 「じゃがいもはシュタイナーは”悪い”食べものだと言うんですよね」と時々言われますが、ドイツの食事のように主食のような量をたくさん食べるのでなければ、問題ありません。 新じゃがの美味しい季節、ぜひじゃがいものおやつも試してみてください。

          虹のこども園だより5月号/2024

          虹のこども園だより4月号/2024

          2024年度スタート! 今年もみんなに愛される虹のこども園であれますように。 どうぞよろしくお願いします。 園だより、新年度4月号リリースしました。 今月の「牛乳・卵・白砂糖を使わないおやつレシピ」はきなこの豆乳プリンです。 こちらからお読みください。 #虹のこども園だより #アレルギー対応おやつ #シュタイナー園 #シュタイナー幼児教育

          虹のこども園だより4月号/2024

          note 再出発です!

           春休みにさまざまな仕事まわりのあれこれを整理していました。その整理作業の中で、うっかりミス! なんと、noteのアカウントの未使用のものを削除するつもりが、間違って「虹のこども園マガジン」「子どものスピリチュアリティの育て方」マガジンも連載しているアカウントを削除してしまったのです。  慌てて取り消せないかと問い合わせたものの、もう難しくあきらめて新たにこちらのアカウントから再出発することにしました。 恐れ入りますが、こちらを改めてフォローいただけましたら幸いです。 な

          note 再出発です!

          小さな声が聞こえるところ142「ダメなものはダメと言える境界線」

          30年保育の仕事をしているなかで、社会も変化していき、それにともなって子育ての意識も大きく変わっていきました。 ここ最近の主流は「子どもの意志を尊重する」「やりたいことをなるたけやらせるようにする」「自主性を大事にする」といったところでしょうか。 もちろん、それらのどれも間違っておらず大事にしたいところなのですが、そのために大人はどんなスタンスで、どんなふうに関わればよいか?となると、迷走してしまうことが多いようですー 園の連載エッセイ、満月更新しました。 こちらからお読み

          小さな声が聞こえるところ142「ダメなものはダメと言える境界線」

          小さな声が聞こえるところ139「少子化と保育界の変遷と」

          コロナ騒動が5月に社会的に収束し、だんだんと「元に戻った」2023年度。気づけば、園の子どもたちももう卒園です。 この年長さんたちとは入園前の親子クラスの頃からのお付き合いですが、コロナの流行り初めの頃は個別クラスや、分室での分散保育をしたりと試行錯誤しながらの日々だったなと思い出します。今はやっと、そうした特別の配慮を考えずとも以前のような暮らしに戻れて安堵しますが、気づけばこの3年の間で見えない変化が大きくなっているようにも感じます。 例えば、最近になって「おめでた」

          小さな声が聞こえるところ139「少子化と保育界の変遷と」