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小さな声が聞こえるところ145 「終の住処にならない水槽」

 お弁当にと、ゆで卵を包丁で半分に切る。
そのとき、包丁についた卵の黄身の少しのかけらを見て「メダカの赤ちゃんにあげなきゃ」と思ってから「ああ、もうメダカはいないんだなあ」と思い直す。
そんなことが続いていたこの季節。

園では、2017年から6年間、野生メダカを飼っていました。
ほぼ毎年卵が孵化していました。
「野生」というのは、東日本大震災で被災した仙台のメダカのことです。
メダカは、同じ種であっても遺伝子レベルでは地域によって異なる集団に分けられるそうで、その地域のメダカはそこにしか存在しないメダカとなるそうです。
現在メダカそのものが絶滅危惧種となっていますが、それは全国各地で遺伝子レベルでの地域個体群が絶滅してしまっているということでもあるのですね。寂しいです。

仙台市沿岸部の農地に野生で生息していたこのメダカは、津波でまるごと流されてしまいました。絶滅したと思われましたが、宮城教育大学に研究目的で採取されていたメダカが残っていることがわかり、仙台市八木山動物公園との連携で「メダカの里親プロジェクト」が発足し、園のメダカもその一環で分けてもらってきたものです。

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