#46 他者との関わり
こんにちは。NPO法人にいまーる 理事の臼井です。
現在、NPO法人にいまーるには、毎週と言って良いほど学生ボランティアが足繁く通っています。
ボランティアの内容は「ろう・難聴者と手話でおしゃべりすること」。これの何がボランティア?と思うかもしれませんが、普通に生きていて聴こえる立場と聴こえない立場が、腰を据えてじっくり話すことがどれほどあるでしょうか?文化や言語、ライフスタイルなどを共有し、違いを知り尊重しあう。おしゃべりするだけでも立派な社会活動であると我々は考えています。
「久しぶりに来てみたら顔を覚えていてくれた」
「初めてでとても緊張したけれどスタッフからのフォローもあって、なんとかコミュニケーションが取れた」
「手話の単語を覚えるだけでなく、ろう者のことをもっと知りたくなった」
にいまーるのスタッフには現役の大学生もいます。
施設長の私からは「学業優先で!」といつも話していますが、貴重な時間を捻出して仕事しに来ています。学生スタッフのほぼ全員が、見学を兼ねたボランティアからスタートしています。
特に新潟大学の学生は、大学がある地域から当施設まで、交通費と時間が結構かかります。それでも「次に来るのが楽しみ」と言って帰っていかれます。
上級生が卒業するたびに学生スタッフが入れ替わっていますが、不思議なことに先入観をあまり持たない方も多いです。
「手話が思うように読み取れなくて悔しい」「ろう者はどうして、そういう行動をするのか興味深い」といった声を聞くたびに、知識と情報を提供し、学びを共に深めています。
また卒業した学生スタッフに対して利用者の方々とは「卒業した○○さん、どうしてるのかな」「○○くん、とっても良い子だから頑張ってるかな」と時々話題に上ります。
学生スタッフには利用者さんの作業を見てもらったり、イベントを一緒に楽しんだりすることで、共同作業に取り組んでもらっています。
そしてボランティアの方には、利用者さんとの交流を楽しんでいただくことにより「音声言語以外の言語を使って会話をすること」「ろう者と一緒にいる空間」を体感してもらっています。
授業のない長期休暇(特にこの夏休み)はボランティアが多く来る時期でもあり、当初は「聴者との関わりは難しい」と交流を拒んでいた利用者さんも慣れてきました。
最近はろう者の実習生も増えてきました。
一人一人それぞれが学びを深められるような機会を今後も提供し続けていきたいと思います。
そして、いつかは海外でのホームステイのような形で、手話ホームステイを実現できたら・・・。
その時を心待ちに、今日もボランティアを迎え入れます。
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文:臼井千恵
Twitter:@chie_fukurou
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