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人事は感情が必要?不要?


最近、自分の仕事について考える時間がとても多い。私の人事としてのキャリアは主に研修と採用をメインに行ってきて、最近は人事評価制度や面談、退職関係など比較的ナイーブな部分にも関わり出しているという状況。

キャリアを積んでくる中で前の会社でも今の会社でも常に言われてきたことがある。それは人事は感情的になってはいけないということ。なぜなら自分が疲れてしまうから。

実際、面談などを行うと非常に疲れる。色んな身の上話を聞くと大変だな、とか感情が入ってしまうこともあってメンタルが引きずられることもある。なので人の深刻な話を聞いた後、溢れる感情を抑える練習をしている最中だ。

一方で私に伝えてきた人間は人事として感情的じゃなかったかと言われると割とそうではなかったりする。出向先にいたとある人間は面談を行った後に「出向者は全員バカだ」「真面目に取り合う必要はない」今の会社の人間は仕事を行い「俺は嫌な気持ちになった」「俺は嫌い」そう言って人事の仕事を切り捨てたり苦手な人の対応を押し付けられた。少なくとも私は好き嫌いや個人的感情で仕事を切り捨てたりしたことは無いので、そういった人間ほど感情はダメ!と人に能弁たれがちなのかなとも思う。

…話が脱線したのだけれども、結論、私は人事の仕事は感情的で良い部分もあるのではないかなと思っている。なぜなら我々は人ありきの仕事だから


感情移入をしちゃいけないのは分かるが、相手の感情をおいてけぼりにして仕事を進めるのも違うのではないかと思う。そのバランスというか落としどころを探して、自分がメンタルを引きずられない範囲で、限りなく人の感情に寄り添う、のが仕事なんじゃないかな、なんて最近は思っている。

新入社員に対する研修でもそうだけれど、独りよがりの研修じゃ誰もついてこない。1人1人に真摯に向き合って毎日対話をすることで信頼関係が結ばれる。心から人のためを思ってした行動や言動なら相手の心に響きわたる、そう信じて言葉を日々紡いでいる。


実際、悩んでいる日報が提出され、一生懸命なんとか力になれないかと考えて出した返答をしっかり新入社員が読んでいて、それを実践していると報告してもらったこともある。嬉しいけれど相手の性格や特性を見た上で発言をする必要は今後もあるなと思ったが、暗闇にいる彼にとって響いたんだなと思った瞬間だった。

また、先輩や上司の印象に残っている言葉や行動もやはり感情が先行していると思うのだ。「あなたは自分が思っている、考えているよりももっと素晴らしいんだよ」と、部長が私に伝えてくれた言葉は何年経っても色褪せない。前の会社ではあまり良い思い出は無いけれど、そんな私を想って人がくれた言葉は割と覚えているものだ。


そういった実体験を踏まえると、一個人間でのやり取りですら人の感情を覚えているのだから、人のお世話や手続きなどの仕事を行う人事の仕事なら、殊更感情は蔑ろにできないんじゃ無いか、そう思っている。


だから、私は誰かの記憶に、気持ちに寄り添える様に感情を大切にしながら今日も人事の仕事をする。

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