漢風風物詩 去りゆく秋は

肴が尽きると酒の匂うも消えてゆく
琴の弦は今でも響きけれど、
破暁の頃には月光が故郷の思いともに
静寂な瞑想になる。宴が終わるときには、
すべての神秘と謎が解かれ
この余韻だけが天頂と支える柱に彷徨う
秋の蝉が大地の音楽の去りを恐れ
気持ちを泣いているだけ
山に生えてる樹木には、緑の肌を脱皮せ
血みたいな錆びた鉄の色を晒す
人の里には収穫で急げている
あの黄金の浪の重圧に覆われた田に
数え切れない稲穂は冬で冬眠する
黄金色のガマのニキビみたいだ
少しずずけれど、確かに冷たくなる

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