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20年半ぶりの中つ国

先日、正装して、一人で、ロードオブザリングを観に行ってきました。
というわけで、本日のnoteはつらつら覚え書きをば。

正装。誰がなんと言おうと正装。家からこれで行ったし家までこれで帰った。

トップ画にもあるこのネックレスは元友人が作ってくれたやつ。苦々しい思いはあれど、物には関係……あるけどないよね、気に入っているからいいのだ。She was my friend.ってビルボも言ってる。(言ってない)
ホビットの映画のラストで、He was~.って言ってたの、泣けますよね……。指輪は自前です。ちゃんと裏側にも刻印入ってるけど、約20年前の安物グッズです。や、けっこう高級感があってお気に入りの、とっておきです。

そう、映画でした。初めてのIMAX、そして20年半振りにスクリーンで見るロードオブザリングは、懐かしくて新しくて、ああやはりわたしは心の一部を中つ国に置いている人間なんだなあって再確認する思いでした。

IMAXって強調しすぎじゃない?

IMAXが初めてで勝手が分からず、5列目の席を選んだらちょっと前すぎたので、正直映像とか字幕は記憶に頼るところもあったのですが、音響が……素晴らしかった……。

ビルボの掌から滑り落ちる指輪が、床に落ちる音。ボロミアが射られる時の劇伴。そして静寂。映画館のお腹に響く音響と、静寂。静寂。静寂。映画館の静寂、すごく静かで良い。

ずっとボロボロに泣いていたので大変でした。わたしの涙はクレンジングオイル並みに化粧を落とすので、ノーメイクで街へ出るのには抵抗があったけど、まあマスクして前髪下ろしてメガネかけてるし、と。いま髪がオレンジと黒で、派手なんですけどね。

指輪物語、一年位前に最新版に改訳されて、それはトールキンの意向に沿った細かい文章の変更や英語の発音に沿った固有名詞の変更が主だったんですが、ボロミアはボロミルとボロミアのちょうど間ぐらいだったから、今回の改訳でイシルドゥルに合わせたんだろうなあと思いました。

https://bagend.me/revised_edition_lotr_jp_2020/

改訳についてはこちらのウェブサイトがわかりやすいです。

イシルドゥルについては、エルロンドがキッパリとイシルドゥルって言ってた。

映画の字幕は新版(いま広く紙で売ってるやつ、ボロミアとか、イシルドゥアとか)のままです。見慣れてて安心できます。しかしこの字幕に騒動があって、わたしの中で戸田奈津子氏の評価が地に落ちたことを……わたしはまだ忘れていない……

旧版からのファンの人が、サルーマンとか、アンデュインとか書いているのを高校生の時見て、うーん古参ファンって面倒なのねって面倒に思ってたけど、今やわたしがその立ち位置に……進化し続けるトールキンワールド、素晴らしいですね。

でもそこより、今回の改訳の対象にはならなかったアラゴルンのことをみんなアラゴンって言っているように聞こえて、いや、わたしの耳は完全に日本の発音に適応しているので、rの音が聞き取れてないだけだと思いたいのだけど、今後万が一アラゴンになっちゃったら、なんとなく、字面とか…日本語読みした時の響きとか……やだなって…
なんかアラゴンって希ガスみたいだよねえって、夫に言ったら、かいけつタマゴン?って言われて、なにそれ…もうなんなの、ジェネレーションギャップ。タツノコプロだし。(YouTubeで見せられた、かわいかった。)

と思っていたら、日本語でも文庫版で、とうとう最新版が出るそうで!!年内発売だったかしら、めちゃくちゃ楽しみにしております。久々に読もう……!
今から本を買う人は、最新版がオススメかもしれません。

あと高校生の時に遊んでたネタが次々と蘇ってきて、しょーもない笑いと天から降ってくるような感動で気持ちが忙しかったです。ボロミアがナルシルを持つシーンとか、真似した真似した。ゴクリ語で会話とか手紙のやり取りとかしてた。楽しかった。おバカで、楽しかったなあ。

『冥界に青リンゴ味は存在せぬ…』って、当時有名だったファンサイトの方のネタなんですけど、いま知ってる人いるのかな、あのサイトはちゃめちゃ大好きでした……絵もかわいいの。not腐。というかロードオブザリングで腐とか、個人推しとか、そういうお話はちょっと避けてるめんどくさいオタクです。

そしてやっぱりエンヤはすごかった……ほんとエルフ語にピッタリすぎて当時からビビり散らしてた。各部の主題歌もいいんだよなあ、ロードオブザリング。どういう位置付けかわからないけど、『In dreams』 が、エンドロールで流れる歌の中ではいっとう好き。

例のね、ネックレスの友人がまだ友人で、わたしが一人暮らししていた時、お泊まり会をしていて、ビルボのバースデーパーティの曲を流しながら蝋燭に火をつけてケーキ搬入して彼女のサプライズバースデーパーティしたの楽しかったな……(わたしが

非公式ドリンク。

原作でグロールフィンデルが『怒れる殿原』って書かれていたのが好きだったので、映画でアルウェンに取って代わられた時ヴェッ?!って思った口なんですけど、彼女の声がまーためちゃくちゃ美しくて、ノロリムアスファロス、ノロリム!

アスファロスで疾走するシーンめちゃくちゃカッコよくて好き……走る馬、綺麗。最近インスタで馬の蹄を切る動画ばっかり見ています。なんでやん。

そしてやっぱりボロミアの、気高いが故の葛藤と純粋な人間として誘惑に負け、そしてかつての誇りを取り戻す姿は、忘れられない魅力を放っていました。
あの場面は、静寂も含め、劇場版の方が好きだなあ。しかし当時からなんで消された!って嘆いていたのだけど、『民は待ち続けるだろう、帰らぬ君を。』のセリフ!!!今回こっそり追加されてないかなって思ったけど、んなわきゃなかった。
どうせ3時間弱あるんだから、いっそ3時間にしてしまえばよかったのに。

見終えたあと、心が中つ国に行きっぱなしだったので、シナモンロールで強制帰還させました。沁みた〜!

現実の甘露

力の指輪はまだ見てなくて、でも信頼できる筋からの評判は上々なのですごく楽しみにしています。第二紀…今の映像技術で…面白くないわけがない!マニアックかもだけど!マニアなら任せて!こちとら30年来(!)のトールキンオタクよ!という気持ち。楽しみ…武者震いしちゃう。

でも、最近オタクの老化現象が起きてて、楽しみを先延ばしにしてしまうので、ディーガの容量とか積読とかぎ大変なことに。頑張れわたし。コンテンツは受け止めてなんぼ。
ガッツンガッツン来るコンテンツが好きだから、しんどいけど頑張る。

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