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ゆめがかわった

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文章で吐き出すことで整理したいことがある気がします。 今までに見たゆめの話を書きました。
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2023年7月の記事一覧

かわったゆめ/あとがき

かわったゆめ/あとがき

 昭和のゆめ、musicianのゆめ、三者面談で語ったゆめ、阿弥陀でゆめ破れて、花の都を夢みて、空を飛ぶ人のゆめ、一度ゆめがなくなってからの働かないゆめ、小説を書くゆめ。書きながらいろんな仕事をして、34歳のおれは職業訓練校の調理科にいた。書く仕事もしたけれど、今はごはんを作る仕事をしている。まさか!

「焼鳥屋さんにならせるためにここまで育ててきたわけじゃない!」
三者面談の後、あんな厳しい顔の

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小説を書くゆめ

小説を書くゆめ

 沢山のゆめを見てきたけれど、何をみている時にでも常にあるゆめが書いて生きていくことだった。新しいようで、実はずっと前から思い描いていたゆめ。

 文章を書いて生きていきたい。そう口にする時、おれの中では実は小説家と決めているのだけれど、いやおいそれはでっけぇ夢だなぁ、いつ叶う、いつからそれが仕事になる、と言われると一生の仕事な気がしていた。ので、心の中で決めてはいても、小説を書きながら何かしら他

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働かないゆめ

働かないゆめ

 その時はゆめとは気が付かず、ただどこかに吐き出したくて、弱りきったおれの救いとなったのが書くことだった。

 お母さんお父さんがいないことに慣れたくなくてずっと悲しみの中にいたかったおれは、書くことで悲しみ続け、書くことで思いを吐き出し整理しながら毎日をどうにか過ごしていた。部屋には沢山の空缶、敷いたままの布団、ヒノ(彼氏)に編んでみているマフラーには床に落ちた髪の毛まで一緒に編み込まれる始末。

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ゆめがなくなる

ゆめがなくなる

 学校の先生になりたい、アイドルになりたい、詩を書く人になりたい、アルフィーの近くに行きたい、東京で働きたい、水族館、映画関係、小説家、客室乗務員。いろいろなりたいものがあったし、おれは勉強するのが好きだった。そのための学校に行くことも学校のことを調べることも好きだった。

 大好きな母がいなくなってもうダメだーと泣き暮らしながらも新しいゆめを見て変なメイクをして前髪も固めて就職活動をしていたけれ

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