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どんなに壁が正しくてどんなに卵がまちがっていても、私は卵の側に立ちます。

私がnoteを知ったのは、私を特定できるような記事がnoteにあったからです。とてもショックで傷つきました。

保育園建設問題に係わり反対したら、土地建物所者の立場での想いがnoteにあげられ、そのスキが700以上ありました。スキは時には暴力にもなります。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.com/mkt_555/n/n19c6a275047a

はてなブログ、Twitter等でみるみる拡散されました。
様々な意見がありますが、noteの記事を肯定しわたしは叩かれました。

ひとつの立場での見方で。


私の家は建設予定地には隣接していません。別荘もあるので嫌だったら別荘に行けばいいので保育園ができても、まぁ仕方がないかなという程度でした。

私が反対したのは、業者・土地建物所有者に思いやりや優しさがなかったからです。

隣接している3つのお宅はのうち2つは高齢者。そのうちおひとりは施設に入ってらしゃいます。もう1つは土地建物所有者のご親戚。ご親戚と隣接している高齢者の方に思いやりがなかったのです。親戚の方なのだから事前に相談したりと方法はあったはずです。

土地所有者の方は現在建設予定地に住んでいらっしゃらないので、地域の方との交流がありませんでした。彼が建設予定地に住んでいて住民と挨拶を交わしたり、町会のお手伝いをしてくださっていればまた状況が変わっていたのではと思います。

図面も思いやりを感じなかったです。土地所有者の土地は広く、2つの道路に囲まれているのも関わらず、「2か所2方向」の避難経路がとれるのに、無理やり「1か所2方向」で、無理やりの10mでした。

不自然だと思いました。指定された条件を満たしていたらいいというものではないはずです。反対されないような思いやりのあるものでなけでばなりません。

近所に保育園ができるのなら、私もお手伝いできるようなところがいいと思い、チェーン店のひとつに電話して

「見学させてください。保育者として勉強させてください」

と話したところいい返事を頂けなかったです。子どもが園庭で遊んでいる姿を見るだけでいいです、と話したら園庭で遊ぶとは限らないと返事が返ってきました。

ここの保育園の社長さんは「園庭はいらない」というお考えで、独自の遊具を園庭の真ん中にでん!と置くようなのでその遊具を見たかったのですがだめでした。

この会社は実は、予定地から1kmあまりのところにも保育園を建設中でした。ここの土地建物所有者の方は町会役員で住民の理解を得ることができたのだと思います。

業者との話し合いで、保育園に隣接している高齢者の方(土地建物所有者の借地に住んでいらっしゃいます)土地所有者の方に「私たちの生活はどうなるのか」とお怒りになられると「ただ、謝るしかない」と土地所有者の方は、土下座をなさいました。

久しぶりに嫌なものを見てしまいました。話してもむだ、とお隣の高齢者の方はお怒りになり帰られてしまいました。

大義名分の「待機児童解消」。待機児童問題は、重々承知しています。解消すべきだと思っています。

だけど、どんな保育園でもいい、というわけではありません。保育だから、私の意見が通じるのかと思っていたら、違いました。びっくりしました。保育じゃない、ビジネスでした。

会社説明、保育園の説明をし、嘘でもいいから、「いい保育してます!」と言って欲しかったです。保育に関するお話はまったくありませんでした

区役所の方も運営業者が、株式会社だと選定に慎重になる、突っ込んだ保育の質問をすると答えられない、とおっしゃっていました。

ひとりでも反対者がいるとその保育園はうまくいきません。保育園開設後、大変な想いをなさるのは保育関係者、保護者の方々、お子さんたちです。

声をあげたくってもできない人がたくさんいます。本当は嫌だけど、土地建物所有者の借地だから、事を荒げたくないという方々。

今回、色々なことを勉強させていただいたけど、何よりもご近所の方々ときちんとお話しできたことがとてもよかったです。

「街の未来のため」「区が推進する事業」と土地建物所有者の理想ややりたいことが大きいのは素晴らしいことだと思います。

だけどまず、近所の方々に挨拶をするということも「街の未来のため」にならないでしょうか。事業ではないけど。今、この地域での問題は、高齢者の見守りなのでいでしょうか。

物事を考えるにあたって、相手の立場になって考えてみるのが大切なことだと思います。私が土地建物所有者だったら。運営事業者だったら。

自分の利は捨て、相手のことを考えます。どうしたら理解を得ることができるか。住民・保護者・子ども・保育従事者のことを思いやること。

夫が、運営会社の方に「保育園に隣接している家が、あなたの家だったらどう思いますか?」と聞いたら、応えなかったそうです。2回聞いたけど、2回とも。

待機児童解消のため地域社会、街づくり、未来のため、という彼の意欲はすばらしいし、うらやましい。まだまだこれからの方です。今後の活躍、成長に期待したいです。

区役所の方々、運営業者の方、土地所有者の方、地域の方々、ありがとうございました。いい経験をさせて頂きました。


待機児童、減少して今やっと「量より質」という保育問題に目を向けられるようになってきました。

タイトルは村上春樹さんの2009年のエルサレム賞受賞スピーチの「壁と卵」から引用させていただきました。

(2020/02/26 06:28  492)


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