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読書|彬子女王 「赤と青のガウン オックスフォード留学記」

文庫本:400ページ
読了までにかかった時間:150分

わが家担当の側衛たちは、柔道や剣道の猛者たちが多いので闘えば強い(はずだ)。しかし、基本的には英語は話せない。

外国資本の飛行機に乗れば、外国人のCAさんたちに日本語で話しかける。タクシーを停めて行き先を説明するのはもちろん私。言葉の通じない国で私を見失い、迷子になった側衛を探し回ったことも何度かある。

彬子女王「赤と青のガウン オックスフォード留学記」

これは著者による海外滞在中の皇族あるある。

迷子になった側衛さんを探すとか、そんなこともあるんですね!

側衛さん(皇宮護衛官のうち、皇室の方々を直近でお護りする方)たちのエピソードは思わずクスッと笑いたくなるような人間味あるものが多くて、エッセイの世界に一気に惹き込まれました。


そして、気がつけば一度も本を閉じることなく読破。


面白かった!!




女性皇族として初めて海外で博士号を取得された彬子女王殿下。

博士論文執筆までの奮闘が綴られた留学滞在記として読み応えがあるのはもちろん、様々な失敗や恩師・友人たちとの交流が生き生きとした筆致で描かれていて、新しい環境でもがく等身大の若者の心境に畏れ多くも親近感を覚えるほど。


明るくて行動力があって、人との出会いを楽しんでいて、きっと書かれていない部分には他の人には想像もできないような制約や苦労などもあるのだろうけれど、ひたむきに努力し続ける姿にすっかり魅せられてしまいました。


全国の中学生・高校生が読んだら、きっとぱっと視野が広がるような運命的な出合いとなる子も多いのではないでしょうか。

(いや、「大学院行ってみたかった」とか「本当は留学したかった」という思いを胸に秘めた中高年により刺さる内容かもしれない。)


9年前の単行本がTwitterによって話題になり、今年になって文庫化。

文庫化されるまでの過程が書かれたあとがきも面白いので、ぜひ本のすみずみまで読み尽くしていただくことをおすすめします。

彬子女王「赤と青のガウン オックスフォード留学記」
PHP研究所 2024年04月01日発売


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シマエナガ子
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