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夏目ジウ
2024年3月10日 11:29
※5,528字数。 本作品はフィクションです。 卒業の日を一週間後に控えた愛ノ川小学校には一言では例え難い雰囲気があった。過疎化が進む愛ノ川市は数年前から一気に人口減少の一途をたどっていた。 今月3月末をもって、廃校になるのだ。母校を失くすことは限りなく悲しみが深い。 在校生のうち6年生は5人、5年生は4人、4年生は3人、3年生は2人、2年生は1人。そして、今年度の新入生はいない。傷心に
2024年3月16日 10:46
朧月は救いだった。 早春にくしゃみをすると初恋から醒めてしまう、と昔の言い伝えがあった。じゃあ、くしゃみをしないように僕は鼻を塞ぎ、マスクを二重にした。 付き合っているのか、そうではないのかよく分からない時期だったから絶対に美咲を離したくなかったのだ。 【くしゃみをすると、美咲は消える】 余計なプレッシャーとなり、初めてのデートが何だかよく分からない日になっていた。ドキドキする良い緊張感