夏目ジウ

note2023.4.24開始✒️ 10歳時に芥川太宰川端漱石を熟読し文学に目覚める。大…

夏目ジウ

note2023.4.24開始✒️ 10歳時に芥川太宰川端漱石を熟読し文学に目覚める。大学時代は文芸部とフリーペーパー会社に所属。 誰かに寄り添える力のある文章を描きたい。なるべくならごく自然に。 https://twitter.com/AotengShen62526

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  • 夏目ジウ 掌編・短編小説集

    これまでnoteに掲載した小説をまとめてみました。

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筋書きのないストーリー【ショートストーリー】

 「いいですか、みなさん。今日の宿題は、家族全員分の座右の銘ですからね」  教室中の皆が一斉に無口になり、状態が引き潮と化した。教師よ、どうしてくれるこの空気。  家族間のコミュニケーション不足が昨今の問題とはいえ、座右の銘を家族全員から聞き出すなんてあまりにも野暮過ぎないか。世知辛さを通り過ぎて、もう笑うしかない。  帰宅した後は自室に一人こもった。誰か話しかけてくれないかな、と考えてみてもすぐに切り出せる内容では無いから心は益々閉塞感で覆われる。  「マサノリ、ご飯の用意

    • フタツノ_ナミダ【歌詞】

      1.一つの夏が終わる 君と過ごした思い出は軌跡になる 全ての涙はムダじゃない だって出逢ったことは物語だから 感謝の物語は君と創ってきた 流した二つの涙は忘れない 両目からの涙が重なって一つになる 一つは君でもう一つは僕 ボクら大きな絆でずっと結ばれる 真夏の奇跡はグラウンドいっぱいに広がっている 2.夏の太陽が沈む 夢があったから君に出逢えた 全ての夢は胸にしまう だって出逢ったことは物語だから 感動の物語は君と創ってきた 流した二つの涙は拭わない 両目からの涙が重なって

      • もう恋なんてしない【掌編小説】

         「きいて欲しいことがある」  そうLINEにメッセージを送ってきた君の絵文字は大量の涙で溢れていた。恋なんてしなければ良かった、君から絶対に聞きたくない一言だった。  そう思い悩んでいるなんて到底想像できなかった。君はイケメンでスポーツ万能、さらには勉強も出来る。非の打ち所がない、周りの誰もが羨むほどの才能溢れる人間だからだ。君が失恋した?誰もが恋愛に絶望感を抱いて、さらには生きることすら嫌気がさすぐらいの衝撃ではないか。僕たちの生きる希望とか期待みたく太陽のような存在なん

        • 続いているという感覚は持たない【雑文】

          物事を長く続けるにはコツがあると思う。毎日あまり力を入れ過ぎないこと。 人を愛し過ぎるより、少し一定の距離を置くほうが長い期間愛し合うことが出来るように。 よくわからない表現だけど、何となくそんな風に生きてきた。 好きならば別れても、また好きになるし、運命に任せてみるのもよし。 人間産まれてから好きなことに出会う確率は高くはない。人生には限りがある。 好きなものへは冷静な目で見つつも、持続する意志は忘れない。 好きこそものの上手なれ。 好きなことをトコトン追求してみよう。 人

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        筋書きのないストーリー【ショートストーリー】

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        • 夏目ジウ 掌編・短編小説集
          42本

        記事

          グチる

          俺が悪い いや世の中が悪い やっぱり俺が悪い 俺が悪い 俺が原因だと思わせる世の中が憎い 世の中が憎い 政治家が牛耳っているから憎い 犯罪者と政治家どっちも嫌い 世の中が変わらないのは政治家が悪い 犯罪者が増えるのを無視している政治家が、一番悪い 【了】

          書いていてつらくならない理由【雑文】

           どうしてもこれを書きたかった。  だから、書く。  私は書いていて一度もストレスを感じたことがない。小説でも、エッセイでも、詩でも。これは昔から。  作品の良し悪しは別として(笑) 前世かいつか分からないけど文筆業をしていたのではないかと本気で自らを疑った。何回も。  ストレスを感じない理由。  必ず自分が好きなことを書くと決めているからだ。これは有り難いことで、第一にネタに困らないという副産物が付いてくる。  あと、生まれてこのかた肩こりに襲われたこともない。なぜか肩こり

          書いていてつらくならない理由【雑文】

          蒼くて淡い深夜番組【エッセイ】

           子供の頃、田舎にある親戚の家で観る深夜番組が大好きだった。親戚全員が寝静まって、一人リビングで突如テレビを点ける。ドキドキしながら、誰かの影を気にしつつも少し甘酸っぱい気分に浸る至福の時間。大人になってから決して味わうことは出来ない懐かしい思い出。普段見慣れないローカルタレントが司会をし地方色がとても濃い番組は笑いが絶えることはない。「これ誰?」「何この番組?」とか思いつつも、何が面白いのか分からなくても子供心では何か身近な地方局の良さを感じていた。マスメディアの仕事に興味

          蒼くて淡い深夜番組【エッセイ】

          趣味とビジネスは違う【雑文】

           趣味とビジネスは違う。何者かによって財源を強く握られている父殿には耳の痛い話だ。  何かを続けていくにはどこかで本当のことを言わねばならない。苦しいけれども。  でも着飾るより、ありのままの(ある意味での)素っ裸の自分を披露しておくと楽になる。それが人間本来の姿だと思う。  バカ正直だと何と言われようが、それのほうが、明日死んでも後悔しない生き方であろうと考える。自戒として心に刻んでおくと自分の為になる言葉でもある。 【了】

          趣味とビジネスは違う【雑文】

          令和家族は共闘する【駄文】

          家族にまつわる悲劇が続いている。 忸怩たる思いとしか言い表わせない。そのほとんどは、父親が母親と些細なことで喧嘩になってキレて殺すというパターンだ。 確かに家族とは、特に夫婦とは長く一緒にいればいるほど相容れない事柄や事象が増えてくる。心底楽しいかったのは新婚旅行までだろうか。 結婚式に誓った約束や覚悟なんて、歳月が徐々に薄めていく。ほとんどは「日常をどう回していくか?」ばかりに日々追いかけられる(うちも共働きの為、それが最重要課題。そして、ほぼ毎日小さな争い事がいくつも起こ

          令和家族は共闘する【駄文】

          初夏に帰りたくなる僕ら_2【ショートストーリー】

          やっぱり恋ができない そう呟いたX(エックス)に見知らぬイイネが星の数ほどついた 僕の不幸を嗤う1万イイネは悲しみを増長させる つぶやきの裏にある声にならない叫び --見知らぬ姉に逢いたい 大人になればあえるよ、と言った母に姉のことを訊いてみたくなった 気がつけば朝一の飛行機に勢いよく飛び乗っていた 例年より暑い夏の札幌のせいで到着後は少し気分が悪くなった いや、亡き姉のことを思い過ぎたせいか 無性に姉に甘えたくなった 顔すら知らないのに 聖母でも、聖父でもない ただの女神み

          初夏に帰りたくなる僕ら_2【ショートストーリー】

          響きもしないのに無駄に響かせなくていい【雑文】

           読むことが好きなので、書いている時間以外はほとんど活字を追っている。  面白いものと、面白くないものが当然存在する。世の中の摂理として。いわゆる、自分の好みや感性に触れることのない文章だ。とは言ってもなるべく色眼鏡では視ないようにしている。「面白くなかった」では終わらずに、「こうやったら絶対に面白くなるのに」と期待感を込めて読後を前向きに迎えるようにしている。自分の為にも。  誰にも読まれなくていい文章は存在して欲しくないし、文章には必ず氣みたいなものがあって必ず言霊が宿っ

          響きもしないのに無駄に響かせなくていい【雑文】

          真夏の深愛【詩】_甘野充さん企画「#あなたのキス」参加記事2

          真夏には爽やかな口づけを 青空に口づけをしたら唇が飛んでいった 最悪 口なんかなくなってもいいよね 愛はなくならないから 優しくアイコンタクトして 嗅覚であなたを感じる 体全体であなたの愛を受け止める 恥じらいを忘れるほどあなたが好き 狂おしいくらいあなたを好きになる 最悪 受け止めてくれなくてもいい 酷暑の中であなたへの愛は汗まみれになる 【了】 甘野充さんの企画に参加させて頂きます。 甘野さん、素晴らしい企画をありがとうございます。

          真夏の深愛【詩】_甘野充さん企画「#あなたのキス」参加記事2

          初夏に帰りたくなる僕ら_1【ショートストーリー】

          夏には帰りたくなる ワガママ言って会社の上司を困らせた 新幹線の中でスーツを着た僕みたいな他人 なんで帰りたくなったんだろう 夏が恋しくなったせいだな 「おい帰る時ぐらいはお母さんに連絡しろよ」 「結婚はそろそろか」「仕事は順調か」 父の声が聞こえる 君に逢いたくなったよ だから帰ってきたよ いつも守ってくれてありがとう 毎日思い出すよ 思い出さない日はないよ いまさらだけど・・・優しく出来なくてごめんね 元気でいますか? 明日帰るけど また帰ってくるよ 兄貴が大好きだった

          初夏に帰りたくなる僕ら_1【ショートストーリー】

          【歌詞】夏の涙腺観〜なつのるいせんかん〜

          君の流した涙が淡い放物線を描く その跡に虹がかかった 努力した分だけ報われたんだね 無駄じゃないのが証明されて良かった 誰でも泣くんだよ つらい時 悲しい時 苦しい時 遠慮せずにひたすら泣けばいい 君が寄り添ってくれてそばにいて欲しい 涙腺は夏の終わりに優しく緩む 僕を許した仲間が強い結束力を結ぶ その後に情が生まれた 約束した分だけ仲良くなれたんだね 駄目じゃないのが証明されて良かった 誰でも失敗するんだよ 怒った時 悔しい時 理不尽な時 我慢せずに感情を出せばいい 君が

          【歌詞】夏の涙腺観〜なつのるいせんかん〜

          たまーに無言で書き鳴らして また帰る人【雑文】

          が好きです。私。 こういう人を大歓迎する癖が昔からあります。色んな事情があって離れて、帰りたくなり叫びたくなったと思うんです。誰かに話を聞いて欲しくなったんだと思います。 「お帰りなさい」とも、「お久しぶりです」とも言いません。何も言わずにただスキするだけです。 不器用だから伝わる時があると思うのです。 口下手だから聞いてみたくなるのです。 優しくしてあげましょう。 他人から優しくされたい時があります。 精一杯共感して差し上げます。 だって、人から人にしか伝わらない行為ってあ

          たまーに無言で書き鳴らして また帰る人【雑文】

          ここに連れて来てくれてありがとうね【雑文】

           タイトルの通り、こう言われるように書こうと本日決めた。ここってどこ、って?読後の終着点である。作者とは運転手みたいな存在なのかもしれないという考えに行き着いた。タイトルを決めて、伏線を張って、引き摺るだけ引っ張って地獄に連れて行くのは責任感がなさ過ぎるだろうと。一度掴んだ読者には良い気分になってもらってからキモチのいい現地解散としなくてはならないと。今まで通り、不幸なシチュエーションや一見残酷な登場人物が存在するかもしれない。でもクライマックスでは、何か清々しさや、生きる勇

          ここに連れて来てくれてありがとうね【雑文】