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『そしてバトンは渡された』を読んで

瀬尾まいこさんの小説『そしてバトンは渡された』

コロナが世の中に蔓延して
これまでの楽しみ方ができなくなったときに
始めた読書。
そして出会った『そしてバトンは渡された』

物語の展開ももちろんそうだけど、
物語がどう始まるかの一文目。
これもかなり気になる点なのだが、、

惹きつけられた。
幸せでなにが悪いんだろうと思って読み始めたら、
「この状況で、こんな人生で、
 自分だったら幸せだと思える?」
「こんなふうに、多くの人からの
 たくさんの愛情、ちゃんと受け取れる?」
そう思った。


"愛すること"、"大切にすること"
の重要さはよく語られるけど、
”愛されること”、”大切にされること”
についてはあまり見ない気がする。


ただただみーたんのために、
みーたんの幸せを願って尽くした
大人がたくさんいて。

それに無理にこたえようとするわけじゃなく
過剰にも過小にもせずに、
ただただ受け入れたみーたんがいた。

差し伸べられた手をちゃんと握ること、
与えられた優しさをそんまんま受け取ること、

当たり前のようで、簡単なことのようで、
実はとても難しいことだと思う。


自分以外の誰かを大切にすること、
それと同じくらい、いやそれ以上に、
自分を大切にすることも絶対に必要だと思う。


社会の厳しさとか冷たさとか
日々感じることもたくさんあるし
もうこんな自分なんて、て思うことも
たくさんたくさんあるけど、

いや、それだけじゃないかも。
意外と優しい世界もあるかも。
自分も誰かにとって親切にしたくなる
存在なのかも。

とか、そんなあったかい気持ちを
ほっこり感じさせてくれる
『そしてバトンは渡された』
何度も読み返したくなる一冊だった。


できるだけたくさんのものをそのまんま
ありがとうって受け入れたい。

ぎゅって抱きしめてくれる存在を
ぎゅっっって抱きしめ返したい。


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