とろろろろ

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最近の記事

『希望のゆくえ』寺地はるな  を読んで

誰しもその人本人を見ているようで、 本当は自分の見たいものだけを 選び取って見ているだけなのかもしれない。 そう思った。 作中の希望は、 ある人から見れば憧れの対象 またある人から見ればただ都合のいい人 またある人から見れば……… 同じ人物だからといって 周りの人が同じ印象をもつとは限らない。 そこにはある種、 「こんな人であってほしい」という 希望が込められているのかもしれない。 (だから希望という名前にしたの…?) 誰かに希望をもたれたり、期待されたりするのは

    • 『水を縫う』を読んで

      よく聞く言葉だけど 「普通って何だろう?」 「普通でいようとする必要性は  どこにあるんだろう?」 そう思った。 男だから 女だから 子どもだから 大人だから 夫だから 妻だから そういう名前のつく役割を得た以上、 その役割にふさわしい存在であろうと たぶん努力しようとする人が多いと思う。 周りの人に認められたいし、 自分で自分のことを認めたいから。 ”こんなに頑張っている” ”あなたのために努力している” それをわかってほしいがために。 だけど、 周りからの見え方

      • 『そしてバトンは渡された』を読んで

        瀬尾まいこさんの小説『そしてバトンは渡された』 コロナが世の中に蔓延して これまでの楽しみ方ができなくなったときに 始めた読書。 そして出会った『そしてバトンは渡された』 物語の展開ももちろんそうだけど、 物語がどう始まるかの一文目。 これもかなり気になる点なのだが、、 惹きつけられた。 幸せでなにが悪いんだろうと思って読み始めたら、 「この状況で、こんな人生で、  自分だったら幸せだと思える?」 「こんなふうに、多くの人からの  たくさんの愛情、ちゃんと受け取れる?」

        • 『やわらかい砂のうえ』を読んで

          寺地はるなさんの 『やわらかい砂のうえ』を読んだ。 これまで読んできて、今の自分に とても刺さった一冊だった。 人生のバイブルにしたいと思うほどに 刺さりまくった考え方や価値観だった。 「あー自分って、こんなことを 誰かに言ってほしかったんだなあ」 って思う言葉で溢れていた。 登場する人物みんな、 完璧でも 正解ばかりを選んで生きている人でもない。 失敗も経験しているし、 後ろ指さされるような経験もしてる。 だけど発せられる言葉や選び取ってる生き方が 優しいしかっ

        『希望のゆくえ』寺地はるな  を読んで

          『ライオンのおやつ』を読んで

          小川糸さん作、『ライオンのおやつ』 泣きすぎて嗚咽しながら読んだ。 机の上にティッシュの山ができた。 作者は別に涙ほしくて書いているわけではないと思いながらも涙が出て出て止まらなかった。 私はないものを数えるのが得意だ。 あまり気が利かない。 あまり優しくない。 あまり明るくない。 あまり話し上手じゃない。 あまり鼻が高くない。 あまり口が大きくない。 あまり背が高くない。 あまりきれいじゃない。 結婚していない。 彼氏がいない。 子どもがいない。 マイホームがない

          『ライオンのおやつ』を読んで

          もらっていたお年玉をお返しする話

          お正月の楽しみの一つがお年玉だった。 親戚が集まる祖父母の家でもらうお年玉。 楽しみだったしうれしかったけど、 もう、とうにもらうことからは卒業してしまった。 だけど何年たっても思い出せる記憶があることは 幸せなんだといつも思う。 そんな記憶を抱えながら社会人になり、 働き出してから大人ってすごいって思った。 毎日毎日働くことは大変だし、 もたされる責任の重さはきつい。 それから、もらえるお金の貴重さと 生活にどれだけお金がかかるのか。 自分にとって当たり前だった幸

          もらっていたお年玉をお返しする話

          大そうじ

          年末がいよいよ近づいてきて 大そうじを始めました。 とりあえず初日の今日は ・洗濯機 ・ガスコンロ ・換気扇 ・ケトル ・洗面台 ・鏡 ・網戸 ・窓 ・トイレの便器 ・トイレの流し ・床ふき まだまだやることたくさんあるけど、 とりあえずこれだけしたらちょっと気分良い。 そして何かに没頭している間は 頭の中が空っぽになるのも良い。 集中してそうじし終わって めちゃくちゃきれいになってるも良い。 始めるまでは面倒だなあって思ったけど、 はじめてみると楽しくなってきて集

          セクシー田中さん

          買い物が終わってお店を出て車に乗ろうとした瞬間 見えた夕焼けが濃いオレンジに染まってて とてもきれいだったこと。 ふと見つけたパン屋さんで たくさん並んでいる中でも 焼きたてが5種類もあったこと。 焼きたてパンをかじったら ふわふわのあつあつで とってもおいしかったこと。 「おいしいね」って 「焼きたてパンめちゃくちゃおいしいね」 って笑いあえたこと。 『ひとつひとつは些細なことでも、 それを集めたら生きる理由になる』 あかりちゃんが話してた言葉が わたしの人生の一

          セクシー田中さん

          ねむれない夜に

          ねむれなくなった。 こんなことは初めてだった。 何年も毎日のように当たり前にしていた仕事で つもりにつもったものが爆発したのか 涙が止まらなくなって仕事に行けなくなった。 そしたらねむれなくなった。 ねむろうとするのがいやになった。 それがもう一年以上。 なんともないときと、ねむれなくてねむれなくて そこの踏切に歩いていきたくなるときと、 自分でもよくわからない波がある。 だけど最近気づいた、見つけた。 わたしがねむれるあったかいもの。 すうすう寝てくれる友達の寝息

          ねむれない夜に

          それしかないわけないでしょう

          ”たまごはめだまやきかゆでたまご?” それしかないわけないでしょう。 ”飼いたいのはいぬかねこ?” それしかないわけないでしょう。 ”未来はわるいことばかり?” それしかないわけないでしょう。 自分として生きていけばいくほど、 自分の思う道を進めていればいるほど、 気づかないうちに 幅がせまくなっていっているんだと思う。 今いる場所が自分にはしんどい。 それは今の自分に合っていないだけで、 居場所はそこだけのわけないでしょう。 一年が終わるけど何も変わってない自分に

          それしかないわけないでしょう

          下剋上球児

          自分は今底辺にいるんだと感じてしまう、 それほどしんどいことはなかった。 自分のふがいなさもだめさも 果てしなく感じてもがいて、 考えても考えてもそこから抜け出せなくて、 いっそのことあきらめて認めてしまえば楽だけど そうはできないプライドも戦っている。 「今、底辺だよね。だからどう動いたって  プラスにしかならないよ。」 そう言ってくれる友達がいて、 「あの時、底辺だったよね。  よく耐えたよね。」 そう言ってくれる友達もいた。 だから今まだ自分はここにいるんだと

          『僕の姉ちゃん』を読んで

          好きな言葉は「お土産」 女の子の本気度をみるのはデートの時の指の毛のケア なんていうユニークなような でも芯をついているような 姉ちゃんがおもしろくて好き。 一番すきなのは、 弟に「姉ちゃんって男に尽くすタイプじゃなさそうだよね。」 って言われた時の姉ちゃんの返し。 「弟よ、わたしが生まれたその日に両親は、 ”この子が男に尽くす女になりますように” って願ったとおもうかね?」ってやつ。 そんなわけない!と思ったね。 絶対そんなわけないって。 本人がやりたいことをやって

          『僕の姉ちゃん』を読んで

          駅伝当日に坊主にして現れた、あの大田くんが好きすぎる話

          そう、あの大田くんが好きすぎる。 不良?ではなく、ヤンキー?でもなく、普通?ってなんだ、 そしてまじめにもなりきれないあの大田くん。 小学生で勉強をあきらめ、タバコに万引きにけんかに、 いろんな悪いこともして 金髪頭でふらふらと毎日を過ごしていた、 『あと少し、もう少し』で駅伝2区を走った大田くん。 襷をつないでみんなで走る駅伝大会に、 陸上部でもなく部活に入るでもなく、学校をさぼったり、 来たかと思えばテニスコートでタバコを吸っていた大田くん。 『君が夏を走らせる』

          駅伝当日に坊主にして現れた、あの大田くんが好きすぎる話

          『52ヘルツのクジラたち』を読んで

          生きるのが上手な人もそうじゃない人もいる。 「助けて」が言えるひとも言えない人もいる。 いろんな人がいて、だから誰かと一緒にいたいと思った。 誰にも聞こえない52ヘルツの声を、届かない声を、 たった一人でもいい どこかで拾ってくれて、わかってくれる人がいたら それは幸せなことなんだろう。 そもそも届く声が自分に出せるなら苦労も孤独もないかもしれないけど、 だからこそ誰かの声なき声に気づいたり 受け取ったりすることができるんだと思う。 今までも十分、傷ついたり悲しい思いを

          『52ヘルツのクジラたち』を読んで