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孤独と独楽(コマ)

孤独と独楽(コマ)

ガガーリンの孤独

「一人ぼっち」と言う言葉がある。
これは、「独り法師」というのが本来の意味だと知った時、
一人ぼっちも決して悪いことではないと気づいた。
「独り法師」とは、どこの宗派や派閥にも属さない法師さんのことらしい。
自分の考えを持ち自分の信念を貫いた法師(人)なんだ。
だから、一人ぼっちを怖がったり恥ずかしく思ったりする必要はないんだ。
「一人ぼっち」の言葉の中に、勇気を見つけた気がする。
もう一つ、似たものに「孤独」と言う言葉がある。
そして「孤独」は人を死に追いやることもあると言う。

わたくしは、人類史上初めてロケットで宇宙空間へ行ったガガーリンのことを思い出す。
その前、スプートニク人工衛星で宇宙に行った犬がいた。
いたけれど、犬の気持ちは伝わらない。
でも、ガガリーンはどうだったのだろうか。
人は独りだと感じた時に、「孤独」を感じるんだろうか。
田舎のぽつんと一軒家に住んでいると、「孤独」を感じるのだろうか。
自分の周りに誰もいないことに気がついた時、「孤独」は現れるのかもしれない。

ガガリーンは、宇宙という手の届かない未知の世界へ、たった独りで旅たった。
その時、ガガーリンは「孤独」を感じただろうか。
短い時間の宇宙滞在中やることが多かったから、孤独を感じる暇はなかったかもしれない。
ただ、わたくしは、ちょっとガガーリンの孤独を想像してみたくなった。
地球へ帰還できるかどうか、保証のない旅へ向かったガガーリンのことを。
もし、ガガーリンが宇宙空間から青い地球を眺めながら、孤独を感じていたとしたら、その孤独は、人類の進歩のための一歩だったと言える。
生活の中でも、わたくしたちは、孤独を感じるときがある。
そんな時、ガガリーンのことを考えるとホッとする。
だって、孤独は次の世界へ向かうための勇気ある一歩だから。

孤独は自分に向かい合う時間

誰かと喧嘩をしたり、言い合いになったり、一人ぼっちの日曜日の午後とか、
孤独を感じると、人は自分自身へ向かい合う。
鏡に写った自分の心と向かい合うように。
そして、色々な思いが、心の中に浮かんでは消え浮かんでは消えていく。
現実と想像が入り乱れて浮かんでは消えていく。
その想像が、人を悲しみから救ってくれる時もある。
想像には、悲しみを癒やす力がある。
自分と向き合う時間は、別の見方をすれば、「冷却時間」と言えるかもしれない。
心をガガリーンにして、たった独りで宇宙空間に浮遊してみよう。
すると、どうだろう美しい地球が見えないか。
人は自分に向かい合った時、美しいものを発見したりする。
だから、孤独は悲しい気分だけで満たされているわけではない。

孤独と独楽

老後、人は「一人ぼっち」に陥りやすくなると言う。
老人の「孤独死」がニュースに上がるほど、「孤独」は社会の中に深く浸透している。
「孤独死」だけではない。
年老いて、社会へ出ていくことがなく、家に閉じこもっていたら。
どんな人も「孤独」に向かい合わなくてはならないのだろう。
若いうちから、老後に備えて、お金を貯めたりするのは賢明だけれど、
老人の行き着く「孤独」にも慣れて置いたほうが良いような気がする。
「孤独」の時間を通して、人は体も心もリセットされるような気がしないではない。
「孤独」は悪いことだと、決めつけて自己嫌悪に陥っていないだろうか。
そうじゃない、物事には色々な面がある。
人間に「孤独」がつきまとうのは、きっと人間は孤独の時間を必要としているのだ。
独楽(こま)の漢字は、素晴らしい漢字だ。
独楽(こま)と書いて、独りで楽しむ。
この心境を学べたらなと思う。
「孤独」を紛らわしたり忘れさせたりするのは、きっと独楽のような心境になった時だろう。
だから、生きていく上で、何か生きがいが必要とされるのかもしれない。
独りでも、楽しめるものを持つことが大切だ。
それはお金ではない。
生きていく上で大切な推進力みたいなものだ。
独楽が独りで回り続けるために必要なエネルギーのようなものだ。
それを、若いうちから見つけておきたい。
ぜひ見つけて欲しい。
お金よりも、そのことを考えて欲しい。

旗じいの話を最後まで根気よく聞いてくれてありがとう。

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