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字が下手なことは、恥ずかしいことじゃない

字が下手なことは、恥ずかしいことなのか

自分は字が超下手くそであった

超下手くその字がある。
悪筆とか言われることもある。
小学校の時、「あんたの字は読めないから、」と先生に言われた。
そして返ってきたテストは読解不能という理由で、零点だった。
長い人生、下手くそな字で損ばかりした。
自分から好きで、字が下手なわけじゃない。
ヘタなりに自分では、自分の字はまあまあだと思っていた。
でも、ある日自分は、字をついて勘違いをしていたと気がついた。

ある人に言われたこと

「ぺんち君は、絵がうまいのだから、字だって上手にかけるよ。」
と、大人になった時言われた。
絵と字はまったく違うものだとずっと思っていた自分は、びっくりした。
その人が、「書道三体字典」をくれた。
本を書いた人は、高塚竹堂という書家だった。
その本を読んで(見て)字には書体と言うのがあると分かった。
パソコンで言うところのfontである。
びっくりした。
へー−、字って色々あるんだなと、やっと分かった。
「活字の字は、実はデザインだよ。」
これにもびっくりした。
びっくりびっくりだ。
そうか、字ってデザインなんだ。
これは大発見だった。

生まれて初めて知ったこと

生まれて初めて知ったことは、「書く字」と「読む字」は違うと言うことだった。
「読む字」は新聞などの書体で、明朝体が代表的な書体。
「書く字」は筆記体とは毛筆体や教科書体などがある。
わかりやすく言えば、手書き用の書体である。
ということは、字を書くなら筆記体を真似すれば良いのだ。
こんなことを、30歳になるまで知らなかった。
それから、筆記体を見ながら字の練習をしてみた。
練習をすると、びっくりするほど上達しているのが自分でも分かった。
明朝体は、印刷用のデザインだから、真似して書くと変になるのだ。
なぜか、それはバランスが左右対象で上下も同じに様にしてあるからだ。
印刷用の字だから、印刷に適した書体ということになる。
でも筆記体のバランスは違って、偏(字の左側)が小さい。
右の旁(つくり)とのバランスを考えて偏を書く。
森を書く時は、3つの木は皆大きさが違う、同じ大きさに書いたら明朝体になる。
なるほどなるほどと納得した。
納得すると、字を見る眼が変わった。
字を、バランスに注意して見るようになったのだ。
そして、この字はこう書こうとか自分で考えて書くようになった。
ある日、
「最近、ペンチ君、字がうまくなったね。」と言われた。

字が下手な人はいない

70代になって、字をゆっくり書くようになった。
万年筆が好きなので、色々な万年筆を使って、字を楽しんで書いている。
今は、字に対して卑屈な気持ちは持っていない。
若い頃、自分は字が下手だと思い込んでいた。
でも、実際は字を書くのが下手だったわけではない。
「字」とはどんなものか知らなかっただけ。
「字」とはデザインで絵と同じなんだと分かって、初めて「字」のことを理解できた。
もし、昔のわたくしのように、字で卑屈になったり恥ずかしい思いをしていたら、
ぜひ、「字」には色々な書体があるとわかってほしい。
色々な書体の中で、自分にあった筆記体や毛筆体が見つけたら、真似をすると良い。
真似をしていると、自然に「字」がうまくなっているはず。

字の上手下手と頭の良さは関係がない

何度でも言いたい。
字の下手な人はいないのだ。
下手ではなくて、ちょっと個性的なだけ。
だから、うまくなりたかったら、少しだけ時間をとって書く字を(書体)を練習すればいい。
今は、パソコンの時代で字を書くことが少なくなったけれど、
手書きは味があっていい。
歳をとっても、字を書くのが楽しいと人生が豊かになる。
字が下手でも、決して落ち込んだりしては駄目だ。
言っておくと、字のうまさと頭の良し悪しはまったく関係がない。
これだけは、確認をしておきたい。

旗じいの話を読んでくれて、ありがとう。
ちょっと、「字」には長い間コンプレックスがあった。
だから、同じ様にコンプレックスを持っている人は元気を出して、字を練習して欲しい。
意外に、字を書くのは楽しいものだから。
周囲の言葉は気にしたらだめだ。

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