子供を授かっていない夫婦の「子供」になれる仕事

(読了時間:約1分30秒)


一組のご夫婦は僕の事をまるで自分の子供のように「ゆうき」と呼んでくれます


付き合いは始まって7年?8年?結構経ちました。ファーストコンタクトの記憶がまったくないことについて自分に憤りを感じますが笑、ここ数年は年に3回から4回、僕の読めないレベルの達筆ラブレター(「なんて書いてたんですか!?」とか言われますからねホント笑)が届くと必ず顔を見せてくれます。


おふたりにはお子様がいません。結婚して数十年。年齢は40代前半。理由は聞いたこともないですし聞く気もさらさらないのですが、その事実とリンクさせて僕は勝手にこう思っています。


きっと自分の子供のような可愛さを僕に感じてくれているのではないかと


バーテンダーって「モテる」「格好良い」というクラシックなイメージと「ちゃらい」「3B」などの最近の風評被害レベルの悪しきイメージが混合している変な仕事なのですが笑、こういった「現場での経験でしか知りえない」「採用広告には載っていない、そして経営陣にはわからない」ような素敵な一種の社会貢献ができるという側面があります


大人になると親とはそんなにしょっちゅう会うことができないものです。お互いのライフスタイルの違いが主な原因なのでしょうが、その点を踏まえても年に3回、4回のスパンで顔を合わせる、そんな関係性もまた「子供感」になっているような気さえします。


おふたりは僕の店に来る前の一次会は以前に僕が紹介した串揚げのお店と決まっています。


そこの店は「おまかせストップコース」といって、お客様側がお腹いっぱいになったと言うまでノンストップで串揚げがでてくるスタイルなのですが、


「今日初めて一周したんだよね!」

(「一周」というのはその日の串揚げのラインナップをすべて1本ずつ食べ切ったということ)


って嬉しそうに僕に報告をしてくださるんです。そして、


「ビールばっか飲んだら食べれないと思ったから赤ワインにしてさ」


なんて、まるで子供のように目をキラキラさせて僕に一次会での出来事をお話してくださるんです


この、「今日起こった出来事を楽しそうに話してくる」感じが、母と食事に行った時の光景と非常に被るんですよね


僕の母は未亡人です。20代前半からずっと寄り添っていた相棒を失ってからは僕がそのポジションを「息子」として微力ながら時折埋めています。


時折なので話したい内容や楽しかった出来事が会うたびに更新されていて、その更新内容を僕に話してくるわけですよ。


「この前行った同窓会でさ、あんたのこと知ってる奴がいてさ、名刺みせてもらったんだよ。○○さんって知ってる?」


にような、まあ延々と続く続く笑


僕は既にそんな母の事を「可愛い」とさえ思えるようになっているので会うのが楽しみでしかないのですが、同じような感覚を僕に抱いてくれる、そんなご夫婦を母と同じように「可愛い」と思っています。


バーテンダーはナイトワークですし勤務体系も特殊です。ですが、その代わりと言ってはなんですが、バーテンダーだからこそ生まれる「お客様との関係性」がありますし、その関係性は愛に満ち溢れたものがほとんどです。


「素敵な仕事を選んだな」と我ながら尖ってた22歳当時の自分に感謝です












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