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こどものオンライン授業についておもうこと(実体験)

2020年のロックダウンのとき、こどもたち(小学校低学年)の学校ではじめてオンライン授業が取り入れられました。そして現在2度目のハードロックダウン。オンライン授業が再開しました。

この機会に、こどもたちの学習をサポートして感じたことを記録に残しておこうとおもいます。

はじめに、ざっくりとした感想ですが…

・思った以上に時間を取られる
・ストレスがものすごい

…です。

正直なところ、現時点のわたしの主観では『得るもの <<  ストレス』となってしまっています。。親同士の会話でも「オンライン授業はサポートが大変」「またオンライン授業始まるのか…泣」といった声も聞かれました。

しかし、主観だけでは偏った意見になってしまいます。

ですので今回は、オンライン授業になってストレスを感じていること、よかったことを、【親】【子】【先生】それぞれの立場を想像してできるだけ客観的に考えていきたいと思います。


オンライン学習の流れ

学校により大きく異なると思いますが、おおまかな流れをまとめてみます。

・朝、専用アプリにアクセスして課題を確認
・課題はテキストやビデオレターなどで受け取る
・美術や体育や音楽の授業も週1くらいで行われる(ビデオレター)
・週に2-3回オンラインミーティングがある
・1日3つくらいの課題を終わらせてその都度提出する
・提出はテキストや写真、動画などを使用

はじめてオンライン授業と聞いたとき、先生が1時間授業をしてるのをライブ配信またはビデオで見るような感じかと想像していました。もしくは教室の先生と何時間もオンラインでつながっている状態かと。。ですがこどもたちの学校では、毎日いくつかの課題が与えられ各自のペースで取り組んでいくスタイルでした。

先生が課題についてテキストや短いビデオレターまたは音声で説明してくれています。学習時間が30分ほどの課題が多いです。期限はその日の夕方まで。提出用のフォームにテキストや音声を入力したり、写真や動画を添えたりして提出します。

小学校低学年ということもあり勉強というよりゲームのような内容もあります。外で指定されたものを探してくるなどのアクティビティもあり、こどもたちが飽きずに勉強できるよう、先生方が工夫してくれてるのが伝わってきます。

ストレスの要因

では、具体的にどんなことにストレスを感じているのか(感じているとおもわれるのか)挙げていきます。

【親】

こどもにつきっきり状態
課題を理解するのがむずかしい
こどもの気分のムラ
・距離感がむずかしい
家事・仕事がすすまない
自分ひとりの時間がほとんどない

こどもにつきっきり状態
(語学力や、パソコン・タブレットの操作が必要なのでこどもだけでは課題をこなすのが難しいです。こどものそばでサポートしなければならないことが多いです)

課題を理解するのがむずかしい
(私の語学力の問題もあります。ボイスメッセージやビデオレターは翻訳機能が使えないので何度か聞きなおすことがあり、子どもに内容を伝えるまでに時間がかかってしまいます。また『この絵に込められたメッセージは?』などの課題もあり、大人でも難しいと感じることがあります)

こどもの気分のムラ
(家だと日常の空間なので気持ちがおやすみモードのままです。気分がノっているときにははかどりますが、休憩や食事などでいったん気がそれると勉強モードに戻すのも一苦労です。動画や写真も恥ずかしがって撮らせてくれないこともあります。また、未就学児がいると邪魔されることもあるのでてんやわんやです。親の忍耐力も試されているようです…)

・距離感が難しい
(先生から「こどもの本当の実力を知ることが必要なので親が間違いを直しすぎないように」とクラス全体にメールが来たことがあります。その通りだと思います。こどもの課題なのでPC操作や翻訳程度のアドバイスにしておきたいのですが…どこまで親が口を出していいのか悩ましいところです)

家事・仕事がすすまない
(リモートワークだとしても、多くの時間が削られるとおもいます。高学年のお子さんなら一人で課題に取り組めるでしょうが、それでも時間配分など見守りが必要かとおもいます。実際我が家ではこどもの集中力が続かず1つの課題に1-2時間かかることもあります。わたしも夫も日中は子どもの課題に時間がとられてしまい、終わらなかった仕事が夜にズレ込むこともあります)

自分ひとりの時間がほとんどない
(こどもと毎日ずっと一緒にいる状態なので、家にいる間はひとりで過ごす時間がほとんどありません。ストレスを発散することが大事だと感じます)


【こども】

・課題の意味が理解できない
・PCやタブレットの操作方法がわからない
・目が疲れる
・つねに親に監視されている
・クラスメイトと遊べない
・気が散ってしまう
・自分ひとりの時間が確保できない

課題の意味が理解できない
(学校であれば分からないことはその場で先生教えてもらえますが、一方的に送られてくる課題だと先生にタイムリーに質問できません。質問するにも、メッセージの入力や送信に親のサポートが必要となります)

・PCやタブレットの操作方法がわからない
(レポートを作成して送信するのは、低学年のうちはむずかしいかとおもいます。その都度操作方法を教える必要があります)

・目が疲れる
(パソコンやタブレットを長時間見続けるので目が疲れます。休憩をはさむなどして目を休める必要があります)

・つねに親に監視されている
(ほんとうは操作方法を教えたりアドバイスする程度にしたいのですが、結局つきっきりなので監視のような状態です。こどもたちも窮屈な思いをしているとおもいます)

・クラスメイトと遊べない
(たまにグループミーティングはあるのですが、発言している人以外はマイクをOFFにするなどのきまりがあります。学校のようにみんなでワイワイするのはむずかしいです)

・気が散ってしまう
(課題に取り組むときは極力周りにモノを置かないようにしていますが、他の兄弟がいたり、おもちゃやごはんが視界に入ると気が散ってしまいます。またパソコンやタブレットで学習するので、ほかのアプリやYouTubeを見たくなることもあります。時間を決めて課題に取り組むようにしていますが、一度切れた集中を取り戻すのは難しいです)

・自分ひとりの時間を確保できない
(学校にいけば各々クラスメイトと過ごすことができますが、いまはつねに家にいる状態なので、親同様、こどもも自分ひとりの時間を確保するのがむずかしいです。いつも同じメンバーなので気分転換ができずしんどいとおもいます。大人はこどもが寝た後ならゆっくりひとりの時間をとれますが、こどもはそれができないので、大人よりストレスを感じているかもしれません)


【先生】

・オンライン授業用の資料を作成
・毎日が授業参観状態
・グループミーティングがカオス
・各家庭との連絡調整
・成績の付け方が難しい
(※先生の様子を想像して書いてます)

・オンライン授業用の資料を作成
(通常授業の準備とは異なり、オンライン授業用の資料を作成しなければなりません。動画作成やアプリの操作などあたらしい技術を取り入れつつ授業の準備をする必要があります。実際、授業内容も生徒が興味をもって主体的に取り組めるよう工夫されているとおもいます。)

・毎日が授業参観状態
(こどもに送った課題は周りの大人にも見られます。親に監視されている感覚かとおもいます)

・グループミーティングがカオス
(たまに小グループでオンラインミーティングがあります。はじめのうちはわたしも隣で見ていたのですが、うちの子は恥ずかしがってまったく返答しなかったです。。画面から逃げ出すこともありました。そうかと思えばずっとおしゃべりしている子や、ペット紹介をしはじめる子、親のスマホで家中ぐるぐる歩き回りながら参加している子もいたり…。見ているだけならおもしろいのですが、先生は大変だとおもいました。最近ではみんな慣れてきたのか、ルールをまもって落ち着いてミーティングできているようです)

・各家庭との連絡調整
(面談やメールにて家庭学習の様子や困っていることなどについて相談する機会があります。オンライン授業に協力的な親ばかりではないでしょうし、学習の進み具合が各家庭で異なったり、親からの要望やクレームもあるでしょうから、各々への対処が大変かとおもわれます)

・成績の付け方が難しい
(こどもが実際に課題に取り組む様子を、先生がずっと見ているわけではありません。そのため授業態度を評価するのは難しいとおもいます。また、こどもの学習を親がサポートしていることが多いので、提出された課題を見ただけではどこまでがこどもの実力が判断しづらいとおもいます)


よかったこと、得られたもの

ここまで散々ネガティブなことばかり書いてきましたが、ここからはオンライン学習になってよかったこと、得られた(であろう)ことを書いていきます。

【親】

・学校のありがたみを再確認した
・授業の様子を知ることができた
・インターネットの使い方についてこどもと話し合えた
・毎日の送迎にかかる時間と費用を節約できた

・学校のありがたみを再確認した
(学校の目的はこどもたちの勉強がメインなので、究極のところオンライン授業でも目標は達成されるのかもしれません。しかし、学校だと先生から直接指導してもらえるし友人といっしょに勉強できるので、オンラインよりも勉強のスピードや深みが増すとおもいます。なにより、オンライン授業によるストレスがなくなるのは大いに助かります)

・授業の様子を知ることができた
(これまで三者面談はありましたが授業参観のようなものがなかったので、オンライン授業で実際の様子を見ることができました)

・インターネットの使い方についてこどもと話し合えた
(個人情報の取り扱いなどネットリテラシーについてこどもと話し合う機会にもなりました)

・毎日の送迎にかかる時間と費用を節約できた
(学校のときは毎日お弁当を作り、朝夕の送迎をしていました。それにともなう時間と費用はオンライン授業によって節約できました)

【こども】

・オンライン授業の受け方を学ぶことができた
・わからないところを何度も見返すことができた
・パソコン・タブレットの操作や機能を学ぶことができた
・リラックスできる環境で勉強できた
・時間のつかい方が自由

・オンライン授業の受け方を学ぶことができた
(オンラインミーティングをしたことで、帰国後も離れたところにいる友人と話せるとわかり安心した様子でした)

・わからないところを何度も見返すことができた
(学校の授業だとわからないことはその場で聞く必要がありますが、オンライン授業では何度も動画を見たり音声を聞きいたりできます)

・パソコン・タブレットの操作や機能を学ぶことができた
(学校でもパソコンやタブレットを使っているようですが、家でのほうが触れている時間が長いです。操作方法や機能に関する知識が少しずつ身についてきました)

・リラックスできる環境で勉強できた
(家なので、疲れたら横になったり外に出たり…学校よりも自由に過ごすことができました)

・時間のつかい方が自由
(課題を提出すればよいので、早く終わればその分自由時間が増えます。逆にじっくり取り組みたい課題にはゆっくり時間をかけれます。苦手な教科はとことんやらなくなる可能性はありますが、得意なことは時間をかけて興味を掘り下げていけます。よくもわるくも、自分のペース時間をつかうことができます)

【先生】

・新しい授業の仕方を学べた
・時間を有効利用できた
・プリントを刷る時間と費用を削減できた
・生徒ひとりひとりの理解度を把握できた
※先生の様子を想像して書いてます

・新しい授業の仕方を学べた
(アプリを使用した課題のつくりかたや動画編集、オンラインミーティングのセッティングや進め方など、これまでの学校の授業では経験できなかったことを学ぶことができたとおもいます)

・時間を有効利用できた
(いったん課題を作成してしまえば好きな時に投稿できるので時間を有効活用できたとおもいます。また学校では生徒たちが騒がしくて授業が進まないこともあるかもしれませんが、オンライン授業ではそれがないので円滑に授業をすすめることができたとおもいます。)

・プリントを刷る時間と費用を削減できた
(こちらの学校には教科書がなく、毎回先生が課題を準備しているようです。ワークブックもありますが、プリントの課題も多いようです。オンライン授業ではプリントを準備する必要がないので、その分の時間と費用を削減できるとおもいます)

・生徒ひとりひとりの理解度を把握できた
(学校で多数の生徒にむけていっせいに授業するので、その都度ひとりひとりの理解度を確認するのが困難かとおもいます。オンライン授業では課題提出の有無や、その内容を確認することで生徒ひとりひとりの理解度を確認しフィードバックすることができるとおもいます。)


まとめ

上記を踏まえ、オンライン学習をのりきるコツを考えたのでまとめました。(自分自身にも言い聞かせてます)

1. 親は先生ではない、親は生徒ではない
2.「親のペースも守る」と割り切る
3.家族全員に「好きなことをしていい時間」を設ける

1.親は先生ではない、親は生徒ではない
→先生のように適切なアドバイスや指導をしようとするとプレッシャーに感じてしまいます。すると余裕をもってこどもと接することができなくなります。また勉強の主体はこどもなので、こどもの実力のまま課題を提出すればよいとおもいます。無理に正解を導かず、不完全でもこどもが自分で考えたことを先生に伝えられるようサポートしていけばいいのだとおもいます。ありのままで大丈夫です。

2.「親のペースも守る」と割り切る
→仕事や家事の時間が追われると焦ります。焦りやイライラなどの負の感情でさらに効率が悪くなります。なので、親自身の仕事や家事の時間を先に確保してしまうと少し気持ちが楽になります。自分の仕事が終わっているとゆったりした気持ちでこどもと向き合うことができます。

3.家族全員に「好きなことをしていい時間」を設ける
→毎日家族全員が家にいる。これは日常のようで、非日常です。休日もはじめは楽しくてもずーっと続くと飽きてきたり嫌になったりするとおもいます。いまはそんな状態です。そして一人がピリピリしていると家族全員に広がり一気に雰囲気が悪くなります。なので、気分転換が必須です。1日のなかでひとり1回は自由時間を設けることが必要だとおもいます。その時間内はだれにも文句を言われず好きなことができる時間。いまのところ、私が考えたいつでもできる気分転換はこれです。


長くなりました。最後まで読んでいただきありがとうございました。
しんどい時期ですが、なんとか工夫してのりこえていきましょう!

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