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しっとりと弾力のバランスを生む掟破りの方法~"冷やしてから染み込ませる"ブランデーケーキ~

■本州最東端の街にあるけど西野屋です

こんにちは、はじめての方は、はじめまして。

本州でいちばん東にある街・岩手県宮古市、三陸鉄道の宮古駅から徒歩5分ほどのところで、「洋菓子・和菓子・パン」を扱う、小さな菓子店を営んでいます。

お店の名前は「西野屋」(にしのや)

当店の自己紹介記事はこちらです。よろしければ先に読んでいただけるとうれしいです。

今日は、昔からリピーターさんが多い、「ブランデーケーキ」をご紹介したいと思います。

■ブランデーケーキのご紹介

まず、ブランデーケーキというものが何か、ですが…。

ブランデーケーキは、一般的には、パウンドケーキの生地にブランデーを染み込ませたものとなります。
どことなく洋酒の香りと風味が感じられる、大人の味です。
普通のケーキでも、生地に隠し味として洋酒を染み込ませることがあると思います。洋酒とケーキは相性がいいんですね。

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一口にお酒のケーキといっても、お酒を主役としてとらえるのか、ケーキを主役としてとらえるのか、そのあたりで、作り手の考え方がすごく表現されているような気がして、奥が深いレシピだと思います。

最近は、ブランデー以外の洋酒を使ったケーキや、日本酒に浸したパウンドケーキも見かけるようになってきていますが、「XXというお酒を使っています」と、お酒のほうのブランドを前面に押し出すのか、それとも、あくまでパウンドケーキとしての総合的な美味しさを主にして、お酒を引き立て役とするのか、そういったところで、かなり作り手の個性が出ていますね。

■ジャブジャブにすればいいというものでもない

西野屋の商品作りは、誰にとってもお手軽で美味しいと思って喜んでいただけることを目指しています。
それはブランデーケーキでも同じですので、当店の場合は、お酒とケーキのどちらかが主役ということではなく、両方のバランスをとることで、いちばん美味しい状態を目指す、ということになります。

当店のブランデーケーキでは、数種類のブランデーをシロップとブレンドしたものを使っています。もちろん?配合や銘柄は内緒です!
ブランデーケーキでは、生地にフルーツ類を入れることもあると思いますが、当店では何も入れていません。生地の美味しさ一本勝負です。

また、有名な銘柄のブランデーを使う、贅沢で美味しいブランデーケーキもたくさんあると思いますが、当店の場合は、やっぱり地元の人に、気軽に食べていただけるような、お手軽な価格と美味しさのバランスを大切にしたいと思っています。

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ですから、「お酒」が強く出すぎてもいけないとも思いますし、いくら美味しくても、なかなか手が出ないようなお値段になってしまってもいけません。
リーズナブルなお値段でありながら、どなたでも美味しく味わっていただける、それが大切だと思います。
すごいインパクトはないけど、なぜか何回でも食べたくなる、そんな感じが理想かもしれません。

■普通は絶対にやらないひと工夫

同じことはブランデーへの浸し方にも言えます。
お酒を使用したケーキでありがちなのが、お酒の風味を強く打ち出すために、肝心のケーキのほうがべちゃべちゃで水っぽい感じになってしまい、弾力がなくなって食感がよくないこと。
いっぽう、一般的にパウンドケーキでよくありがちな失敗としては、ボソボソ、パサパサになってしまうということかと思います。

当店の場合は、しっとりとしていながらもギュッと弾力があって、パウンドケーキとしても本当に美味しい、そんなところを目指しています。

そのためのひと工夫は、ブランデーシロップにケーキを浸すタイミング。

「ひと工夫」とさらっと書きながら、普通なら絶対にやらないような、禁じ手に近いことをやっています。

お酒を使用するケーキでは、焼き上げてから出来るだけすぐにお酒に浸し、それから冷やして熟成、というのが一般的かと思います。言うまでもなく、そのほうが染み込みやすいからです。

でも当店の場合は、ケーキを焼き上げたら、まずしっかり冷やしています。
焼き立てのケーキにはお酒を浸していません!

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しっかり冷やして寝かせたパウンドケーキにブランデーシロップを浸し、それからまたたっぷり冷やして熟成しています。シロップはもちろん全面にしっかり浸して、たっぷり回しがけもします。

ケーキを冷やしてからお酒に浸すのは、染み込みづらいので普通はまずやらない、たとえば製菓学校の教え方ならありえない順番だと思います。

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でも、当店では、パウンドケーキとしての食感とお酒の香りのバランスがいちばんよく引き出せる方法を試行錯誤して、あえてこういう方法を選んでいます。
そうすることで、しっとりしているのに弾力ある食感が残り、洋酒の香りもほのかに楽しめる美味しさを実現しています。
もちろん、冷やしてから染み込ませるために、ちょっと生地の配合を工夫していますが、その辺りは詳しくは内緒です。

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お酒好きな方でも物足りないと感じるほどではなく、かといってアルコールが苦手な方でも召し上がっていただける、そんな絶妙なバランス。
フルーツ類も何も入っていないのに、飽きが来ないので、1本400g以上あるのですが、ぺろりと丸ごと食べてしまう、という方も。

べちゃべちゃでもパサパサでもない、お酒が強すぎるわけでも弱すぎるわけでもない、西野屋のブランデーケーキならではの飽きが来ない食べ応え。
シンプルが最強、という仕上がりになっていると思います。その違いは、食べてお試しいただければと思います。

■お買い求め情報

当店のブランデーケーキは、生地のタイプで、バターが香るプレーンタイプと、よりビターなコーヒータイプの2種類があります。

お渡しするころにはアルコール分は飛んでいると思いますし、お酒が飲めない方でも美味しいとおっしゃっていただいているお客様もいらっしゃいますが、念のため、お酒が苦手な方はご留意ください。また、お車の運転前、運動の前など、一般的に飲酒を控えるタイミングでは避けていただくよう、お願いいたします。

店頭販売の他に、当店のヤフーショッピングでも通販をしています。

その他にも当店の商品一覧です。



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