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九州医療センター「食改善プロジェクト」③

noteをご覧いただき、ありがとうございます。
九州医療センター「食事改善プロジェクト」運営事務局です。
本記事では、九州医療センターが病院食の課題を解決するために行う「食事改善プロジェクト」 について発信していきます。

1.『九州医療センター「食事改善プロジェクト~お花見弁当~」』


 日差しが暖かくなり、春を感じられる桜満開の時期になると家族や友人とお花見に出かける方もいるのではないでしょうか。
 患者さんの中には、治療により入院生活を余儀なくされ、残念ながら通常と異なる生活となり春を感じることができなくなった方がいらっしゃいます。
 そのようなことから、入院している患者さんに少しでもお花見気分を味わっていただきたく、今回当院初のお花見弁当を企画しました。提供の2か月前から、調理師スタッフとお弁当の中身やおかずの配置、どのお弁当箱を使用するかなどの話し合いを重ねました。

 そら豆や菜の花などの旬の食材、さくらもちやピンク色の花柄の入ったお弁当箱を使用し、折箱には和紙の掛け紙とメッセージカードを添えて春らしさを演出しました。

~春を感じるお花見弁当~

 実際に召し上がった患者さんからは、「お花見をしたときのような気持ちになれました。」「春を感じられました。」という数々のお言葉を頂きました。また、味付けや見た目の感想などの手書きのメッセージを下さった患者さんもいらっしゃいました。

 また、当院広報委員から試食の感想として「お花見を感じさせる素敵な和風桜柄のお弁当箱で、開ける前からワクワクしました。菜の花のおひたしや花麩、桜餅と随所に春を感じさせられました。抹茶塩で食べるサクサクの天ぷらに五感を刺激させられました。とても美味しかったです。」とご満悦の様子でした。

 たくさんの喜びの声が届き、私たち栄養管理室スタッフの今後の食事改善への取り組みの励みにもなりました。
これからも、患者さんが喜んでいただける満足感のある楽しい食事を目指して、食事改善に取り組んでいきたいと思います。

2.「食事改善プロジェクト」について

 病院における食事は治療の一環であり、入院中の楽しみの一つでもあります。
 四季折々の行事食、調理師おすすめメニュー、行事食に合わせた手作りメッセージカードを添えるなど、工夫を凝らした食事提供に心がけています。
 病院食は病態に応じ70種類以上あり、疾患による制約と限られた予算の中での献立は複雑で、1食500食以上の食事提供を行っています。

 当院では独自で院内患者満足度調査を実施し、その中で食事に対するご意見をもとに病院食改善に取り組んでまいりました。そんな中、森田前院長より「ホテル日航福岡」中橋名誉総料理長にアドバイスをいただき食事改善につなげてみてはとお声掛けていただきました。早速、中橋名誉総料理長を訪ね、当院の食事提供の現状と食事に対する想いをお伝えしました。ホテルでは、名誉総料理長の長年の夢である自家農園を併設し、地場で採れた旬の食材をお客様に提供するなど食に対する想いを大切にされています。

 中橋名誉総料理長の承諾を得て、12月からプロジェクトを始動しています。
 まずは患者満足度調査で食事に対するご意見について、栄養管理室スタッフと名誉総料理長とで問題点を共有しました。季節感、適温での提供を目指した調理、調理上の工夫など手を加えることで肉がやわらかくなり、美味しいソースが出来上がり目にするものは新鮮なものばかりです。

 現在、月2回シェフの訪問時にご教授いただきながら昨年度の行事食をアレンジし、通常の食事とは異なった食材の使い方、調理・盛り付けの工夫など見栄えのよいものとなっています。名誉総料理長のお人柄、食に対する想いなど会話の中にもたくさんの学びがあり、病院食と共通するものを感じています。

このご縁を機に、更なる食事改善に取り組み、九州医療センター一丸となって、患者さんに喜んでいただける食事の提供に努めてまいります。

栄養管理室長 春田典子


プロジェクト内容は今後もnoteで発信予定です。最後までご覧いただき、ありがとうございました!


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