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終活の見える化と銀行口座

終活をはじめるにも、やさしいところから始めていただきたいものです。

まずは、自分の財産を総点検して、どこになにがあるのかを見えるようにしておくことです。

終活というのは、相続とは違い、亡くなった後のことばかりが問題ではありません。

生きている間、これから長く生きていくときに、自分も家族も困らないようにすることが先決です。

急に病気で倒れて救急車で運ばれたり、認知症になって財産の管理が難しくなったりしたときに、困るのは身の回りの家族です。

特に、銀行口座については手軽に始められますから、おすすめです。

銀行口座は、できるだけまとめる

相続で解約するにも、1000万円入っていても、5万円入っていても、やらなければならない手続は同じです。

医療費を払おうとして、家探しをしてやっと見つけた銀行の通帳を記帳してみたら、残高が500円では、がっかりして膝から崩れ落ちてしまいます。

ふだん使っていない口座は、解約しましょう。わずかだから放置するというのも、迷惑がかかります。

まとめる場合は、できるだけ子どもたちの住んでいるところでも手続ができるような支店の多い金融機関を選びましょう。

たとえば、農協の口座は、口座をもっている支店に行かなければ手続ができないため、家族には負担になるので、できるだけ避けたいものです。

都市銀行では、郵送やインターネットでの手続もできるようになっていますから、管理はしやすいです。

定期預金は解約し、キャッシュカードを準備する

定期預金は、銀行の窓口に行かなければ解約できないところが多いです。

将来の医療費、介護費用のために貯蓄されている方もありますが、本人が銀行の窓口に行けないようでは、そのお金をおろすことができません。

いまどき、定期預金にしておいても、利息はつきません。

高齢になってから考えるべきは、増やすことよりも、使いたいときに、使えるようにしておくことです。

入院していたり、認知症になったりしてからでは、定期預金を解約することができないため、せっかく貯蓄してきたものを使えずに、子どもたちが医療費や介護費用を立替払いすることになってしまいます。

立替払いした医療費や介護費用を遺産から精算するためには、他の相続人の全員の同意が必要となり、相続がもめる原因です。

また、日常の生活費を家族の方に管理してもらうにも、キャッシュカードをつくっておくことも有効です。

もちろん、家族が勝手に使い込んでしまわないように、管理はしっかりしましょう。

財産管理を引き継ぎやすく

いつまでも元気なのはもっともなことですが、いつ、自分のことが自分でできなくなるのかわかりません。

財産管理ができなくなれば、家族や後見人に、これらを頼むことになります。

そのようなときに、どこに財産があって、毎月の収入や支出がまったくわからず、調べられないようでは、円滑に財産管理が引き継げません。

人生100年時代においては、誰もが、財産管理を他人にお願いをしていく可能性があります。

大切なことは、財産を整理する、まとめる、いらないものを片付けることです。

難しいことをするまえに、お金のかからない終活から始めてみませんか。

進めていくうちに、気持ちの整理や身の回りの心配ごとが整理され、具体的に相続に向けた備えが見えてくるものです。


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