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NFTを分析するマガジン

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エンジニアがデータからNFTの分析を読み取るノートを書きます。企業の新規事業開発部やスタートアップでNFT関連の事業を検討されている方向けに、データや新規技術に基づいてインサイト…
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#NFT

NFTの循環取引を発見するツールを開発しました

NFTの循環取引を発見するツールを開発しました

ブロックチェーン上のNFT取引履歴は公開されていて検証可能です。しかし意外とデータが公開されていても検証されることは多くありません。

私がいくつかのNFTを分析していると、不正な取引疑惑があるNFTを見つけることがあります。例えば循環取引を見つけます。特定のアドレス間で往復して取引されることで高い価値があるように見せかける取引を循環取引と言い、よくある不正会計の手法です。

現実の取引であれば第

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CryptoKittiesはどのように収益を稼いでいるのか?

CryptoKittiesはどのように収益を稼いでいるのか?

2017年末に登場したCryptoKittiesはNFTゲームの先駆けです。現在のERC721の規格もここから発祥しています。CryptoKittiesは仮想猫のデジタルアイテムを売買するマーケットプレイスです。

CryptoKittiesは、徐々に値段が下がるダッチオークション方式で売買されます。次の画像は、猫の購入画面で、徐々に値段が下がっていく様子が表示されます。

ゲーム内マーケットの売

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CryptoKittiesは内部マーケットでどの程度収益を出しているのか?

CryptoKittiesは内部マーケットでどの程度収益を出しているのか?

前回の記事ではどのように収益を稼いでいるのかの仕組みを説明しました。

内容として

・ゲーム内マーケットの売買成約時における手数料収益
・交配マッチング時の手数料(ただしガス代のカバー用)
・二次流通マーケットでの手数料収益
・運営からの売り出しであるgen0オークションの売上収益

という4種類の収益形態を紹介しました。

今回は多くを占めると思われる

・ゲーム内マーケットの売買成約時におけ

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CryptoPunksはいつ頃からホルダーが広がっていったのか

CryptoPunksはいつ頃からホルダーが広がっていったのか

CryptoPunksは最古のNFTという売り文句で(諸説あります)、高値で取引されるようになっています。2020年7月30日には1つのアドレスが買い占めたということでまた話題になりました。

こちらはCryptoPunksの週次USD建の売買高です。一気に買い占められていますね。

※入札形式での取引は含んでいません

この記事ではCryptoPunksの概要と、ホルダー数の推移などについて解説

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[ニュース考察]クリエイターを集めるNFTマーケット各社の動き

[ニュース考察]クリエイターを集めるNFTマーケット各社の動き

バイナンスNFTの100 Creators

6/24に正式リリースされるNFTマーケットである、「バイナンスNFT」では「100 Creators」というキャンペーンを行います。これは様々なクリエイターを招致して、NFT作品の出品をサポートするキャンペーンです。

「100 Creators」には様々な現代アーティストなどが招致されています。日本からはVRアーティストの「せきぐち

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NFTマーケットプレイスRaribleの特徴と取引高の成長

NFTマーケットプレイスRaribleの特徴と取引高の成長

Raribleはクリエイターが作品をNFTとして出品することができるマーケットプレイスです。近年大きく成長しています。

特徴として、誰でも簡単にNFT化することができ、発行時に二次流通手数料を設定することもできます。再販売された際にクリエイターに手数料の一部が還元される、クリエイターに必要な機能を指向したNFT売買プラットフォームと言えるでしょう。

Raribleの出品内容についてRaribl

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NFTバブルでOpenSeaの取引高はどの程度増えたのか

NFTバブルでOpenSeaの取引高はどの程度増えたのか

NFTバブルですね。2021年は暗号資産の価格上昇に加えて、NBA Topshotが火をつけてNFTブームが来ました。バンクシーがNFTアートを発行したり、ジャックが2月頃から盛り上がりましたが、NFTマーケットの最大手のOpenSeaはどの程度盛り上がったのでしょうか。

直近1年間の流通取引総額OpenSeaの流通取引総額(GMV)について調べてみます。Dune Analyticsで公開されて

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NFTロイヤルティ(二次流通手数料)に関するEthereumコミュニティの議論

NFTロイヤルティ(二次流通手数料)に関するEthereumコミュニティの議論

ブロックチェーンの特性として取引の証明ができるということがあります。NFTにおいては、あるNFTが再販売された際、二次流通の履歴を追うことができます。

これをクリエイター分野に活かそうという試みがあります。これまでの取引では、ある作品が作られて、別の人が再販売したとしてもその履歴を追うことは難しかったです。また、同じプラットフォームでは再販売できても、別々のプラットフォームで販売されると履歴を追

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ブロックチェーンデータ分析のお仕事依頼について

ブロックチェーンデータ分析のお仕事依頼について

ブロックチェーンデータ分析のお仕事ご依頼について、自己紹介を含めて書かせていただきます。

ブロックチェーンデータ分析と自己紹介
私(@naomasabit) は2017年からブロックチェーンを仕事として関わり始め、エンジニア兼データアナリストとして暗号通貨監査や仮想通貨取引分析プラットフォームの開発に携わったり、スタートアップ創業時はブロックチェーンデータのモニタリングSaaSを作ルナど、ブロッ

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請求書ファイナンスをブロックチェーンで行う融資サービスTinlakeとは?

請求書ファイナンスをブロックチェーンで行う融資サービスTinlakeとは?

Tinlakeとは

Tinlakeは5月26日にリリースされたNFT担保型ローンプロトコルです。NFTはNon-Fungible Token(代替不可能なトークン)の略であり唯一無二の属性を持つ対象をトークン化した内容です。

Tinlakeは請求書、モーゲージ、ローンといった金融商品をNFTに紐付け、そのNFTを担保にステーブルコインを借りることを可能にするエコシステムです。借り手はNFTの所

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クリプトスペルズはどのように収益を出しているのか?

クリプトスペルズはどのように収益を出しているのか?

前回の記事ではクリプトスペルズのカード取引がどのくらいの数、金額で行われているかを分析しましたが、今回の記事ではクリプトスペルズの収益モデル、つまり運営がどの様に収益を得ているかについてまとめたいと思います。

収益を得るポイント現在運営が収益を得るポイントは2つあります。ゲーム内通貨(SPL)の売り上げ、そしてOpenSeaでの取引手数料です。それぞれについて分析したいと思います。

【分析条件

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クリプトスペルズはOpenSeaでどの程度取引されてるのか?

クリプトスペルズはOpenSeaでどの程度取引されてるのか?

今回はトランザクション情報からクリプトスペルズの市場を分析したいと思います。
クリプトスペルズはブロックチェーンゲームとして国内2位の取引量を誇るTCG(Trading Card Game)で、下記の様なカードを使って対戦します。(遊び方はこちらからご覧ください)

このカードにはレアリティが5種類あります。レアリティから高い方から、リミテッドレジェンド、レジェンド、ゴールド、シルバー、ブロンズと

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NFTライブコマースのAuctionityではどのような取引が行われているのか?

NFTライブコマースのAuctionityではどのような取引が行われているのか?

NFTの取引プラットフォームとしてはOpenSeaが有名です。OpenSeaはマーケットプレイスとして、各自がNFTを出品し、購入者とコントラクトを通して売買を行います。

昔、OpenSeaを含むNFTマーケットの取引を分析した記事をMeduimで書きましたので、取引ボリュームなどの概観を知りたい方はこちらをご覧ください。

https://medium.com/catabira-japan/n

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