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保育士専用 転職・情報アプリのUX設計をイチから行った話

こんにちは!デザインチームの三澤です。

先日、ネクストビートの基幹事業でもある「保育士バンク!」のアプリがリニューアルいたしました🚀
今回のリニューアルでは、「日常で使える保育士転職アプリ」というコンセプトのもと行われました。
そのリニューアルにあたって、UX設計を一から見直し、アプリでの最適なユーザー体験を設計した話を紹介します!


1.ユーザー調査

UX設計を行うにあたり、まずはユーザー調査を行いました。

最初の段階で「調査の対象者の決定」を行ったのですが、

社内には実際に保育士としてのご経験を持っている方や、保育士資格を持っている方など、実際のユーザーに近い社員の方が多くいらっしゃいます。
このように実際のユーザーに近い社員の方々を、社内では「ほいくpro」と呼び、1つのチームとなって、いつでも意見を聞ける体制があります🎉

そのため、この「ほいくpro」の中で実務経験がある2名に調査を行いました。

調査は、

調査者:プロダクトマネージャー1名、デザインマネージャー1名、デザイナー1名(私)
調査協力者:2名

で行いました。

調査の内容ですが、もともと「日常で使える転職アプリ」というコンセプトが決まっておりました。
転職という非日常の出来事に関するアプリを日常で使ってもらうアプリにするため、
「保育士として生活する上で悩んだエピソード」や「転職の際に困ったエピソード」
などをヒアリングし、保育士の日常と転職におけるペインを探りました。

2.調査分析

1.での調査結果をもとに、上位下位関係分析を行ってユーザーの「本質的な課題」を導き出しました。

上位下位関係分析とは...
調査より抽出した実際の出来事をグルーピング化し、そこから上位化(本質化)をすることでユーザーの潜在的ニーズ(本質的価値)を導き出す分析法

共感マップ – 4

※インタビューで得たデータにぼかしをかけています

上位下位関係分析は調査を行った3名で行いました。


上位下位関係分析の進め方

フェーズ1:黄色付箋にユーザーの事象を記載
 ①実際にインタビューで得られた事象を洗い出す
 ②事象ごとに近しい内容をグルーピング化する
 ③グルーピング化したもの同士で似ているものを隣に置く
フェーズ2:青付箋にユーザーの行為目標を記載
 ①グルーピング化した黄色付箋をもとに「なぜこの事象を行いたいのか」を考察
 ②上記を青付箋に記載し、該当する黄色付箋のグループと線でつなぐ
 ③内容が似ている青付箋を近くに置く
フェーズ3:赤付箋にユーザーの本質的ニーズを記載
 ①青付箋をもとに「結局どうなりたいのか」を考察し、赤付箋に記載
 →ここで記載した内容こそが、ユーザーが本当に求めている価値(本質的価値)


この分析により、保育士さんは「仕事とプライベートにメリハリをつけながら、理想の働き方をしたい」という本質的なニーズがあると判明しました。


また、ユーザーマトリクスを用いてセグメント分けすることで、
リニューアルでフォーカスするペルソナを視覚化すると共に、ユーザーの全体把握を行いました。

ユーザーマトリクス – 2

まずは調査で得られた結果より、X軸とY軸のラベルを決定します。
今回は日常と転職を紐付けるアプリなので、「日常への満足度」と「転職意欲」を軸としました。

この軸をもとに4つに分けられたセグメントの詳細を記載していきます。

そして、今回のアプリリニューアルでフォーカスするユーザーはどこに当たるのかを記載します。(比較のため、WEB版の保育士バンク!の対象ユーザーもここで示しています)

ユーザーマトリクス_対象範囲 – 1

こうして、HBアプリの対象ユーザーが定まりました。
WEB側では「転職意欲がすでにあり、ある程度転職への余裕もあるユーザー」を対象とするのに対し、
日常的に使うアプリの方は「仕事が忙しいなど余裕がなく、転職に踏み込めない保育士さん」を対象としました。


3.UXコンセプトの設計

1.2.の調査・分析で得られた結果より、
保育士バンク!アプリのユーザー体験を実際に設計していきます。

まず「UXコンセプトシート」と「UXコンセプトツリー」を用いて、ユーザーにとって最適かつ魅力的な体験を考察・整理します。

※UXコンセプト:調査・分析で判明したユーザーの本質的価値を叶えるための体験アイディアのこと

UXコンセプトシート – 2

UXコンセプトツリー – 2

UXコンセプトツリーとは...
調査・分析によって判明したユーザーの本質的な価値より、APPの体験設計(誰がどのようにどんな体験を保育士バンク!アプリでするのか)を整理する手法

こちらでは、調査分析より判明した「日々、理想の保育士になれる」という本質的価値に着目し、

UXコンセプトは
「『理想の保育士像』が明確になり近づける。」
「自分に合った園がストレスなく見つかる。」
としました。

これにより、「ただ転職を支援してくれるアプリ」ではなく、
「日々理想に近づくことができる転職アプリ」に進化しました🙌


4.カスタマージャーニーマップの作成

UXコンセプトシートでユーザーの体験を言語化することができたので、
カスタマージャーニーマップ(TO-BEモデル)を活用して、一連のユーザー体験の流れを可視化します。

カスタマージャーニーマップ – 4


このカスタマージャーニーマップよって、
日々の仕事の疲れや将来への不安から転職意欲が沸き始め、
プライベートに影響を及ぼさないストレスのない転職活動を要求し、
ストレスなくスキマ時間で行える転職サービスを利用することで転職にいたる。
というユーザーの行動が判明・整理できました。

カスタマージャーニーマップを作ることで、体験設計をUX期間モデル(参考:UX白書)に基づいて整理できるだけでなく、
言葉だけでは見えなかったユーザーの体験やペインが可視化されます!


5.リニューアルの機能要件定義

ジャーニーマップによって判明したユーザー行動をもとに、
ユーザーの願いを叶えるための必要機能を洗い出していきます。

必要機能の洗い出し – 2


これによって、リニューアルの機能要件定義を行い、リニューアルの要件が整いました🎉


6.まとめ

このように、ユーザー調査・分析から最適なUX設計を行い、
リニューアルのコンセプトや一覧の体験を設計することで、
保育士さんの本質的価値(体験価値)を叶えるUXを設計しました。

今後はさらにユーザー調査・分析を進め、
「保育士さんの日常と転職における体験価値」を追求していきたいと思います!

次回は設計したユーザー体験をもとに、UIデザイナーが最適なデザインを設計したお話をお送りします!

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