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UIUXデザイン-KIDSNAシッター編(前編)

こんにちは!「KIDSNAシッター」のデザインに携わっている吉川です🙋‍♀️
KIDSNAシッターに携わるデザインと開発メンバーで、UIUX改善の一環として、様々なワークショップを行ってきました。
今回は、その一部をご紹介する記事の前編になります!

👶 KIDSNAシッターについて 👶
日本初の「保育士/幼稚園教諭/看護師」100%で構成された安心・安全なベビーシッターマッチングサービスです。潜在保育士・潜在幼稚園教諭が活躍し続けられる環境作りと、保護者の子育て支援の両立を目指します。

1. 『競合アプリ調査』で他社のUI設計を知ろう!✨

開発メンバーと一緒に「競合アプリ調査」を行う

デザイナーであれば、関連アプリの調査を同時に行いながらデザインするかと思いますが、開発メンバーは、スピーディなアジャイル開発の間は中々競合調査の時間を取ることは難しいかと思います。

そこで、KIDSNAシッターに携わるデザインと開発のメンバー計8名で、競合アプリ調査を行う時間を設けました。敢えてまとまった時間を取って一緒に競合他社アプリを触ってみたことで、プロダクト改修に繋がる多くの発見が得られました。

💡どのように行なったか

①まずは「ポジショニングマップ」で自社サービスの立ち位置を知る

②メンバーをグループ分けし、調査対象のアプリを触ってみる
発見したこと気づきを、miro上にメモしていく

④今後の調査やアクションが必要なことを「Try」にまとめて改善に繋げる

①「ポジショニングマップ」を作成する

自社サービスのポジショニングを知ることから始める

まずは、縦横の2軸を設定して4象限で競合との比較を行う「ポジショニングマップ」の作成から始めました。競合の理解を深めると同時に、市場での自社の立ち位置を知ることができるため一石二鳥です。

ポジショニングマップを作ることで、競合と差別化できて優位性のあるポイントを認識できますこの2軸は、①購買決定要因(KBF)となるサービスの特徴や機能、そして②購買の要因を洗い出して設定するといいです。この時、競合に勝てるポイントで設定することもポイントです。

KIDSNAシッターでは、①資格や研修といった専門性の有無と②価格の2軸で作成し、ポジショニングマップを作成しました。

🟣 気づいたこと
・自社サービスの立ち位置がクリアになる
・類似サービスの中でも、本当の競合が見えてくる
・自社サービスで強み・強めるべきポイントが自ずと見えてくる

② メンバーに調査対象のアプリを割り振り、触ってみる

ポジショニングマップで自社に近い位置付けのサービスを2、3ピックアップし、どのアプリ調査をするかを割り振ります。時間は限られているので、調査対象を「どこからどこまで」と決めておきます。この会では『予約リクエストを送る手前まで』と絞り、時間を設定してアプリを触ってみました。可能であれば、スクショやメモをとりながら行うと良いかもしれません。

時間があまり取れなくても、複数人で行うことで、意外と多くの発見が得られると思います。

🟣 時間短縮のために工夫したこと
・アプリインストールや会員登録は、事前に済ませてもらっておく

・デザイナー側で、他社がどんなサービスか簡単にまとめておく

・オンライン上で得られる口コミなどは集めておく

・可能ならスクショを貼り付けておく

③ 発見したことや気づきを、miro上にメモしていく

競合アプリ調査で「発見したこと・気になったこと」をmiro上に貼り出す

アプリを触ってみる時間が終わったら、「発見したこと」「気になったこと」をmiro上に付箋で貼り出していきます。

🟣 気づいたこと
・複数人で行うと、異なる視点からの気づきが短時間でもたくさん集まる
・優れた点、足りない点など、自社アプリへの共通理解が深まる
・「負けてはいられない!」というチームのモチベーションに繋がる

④ 今後必要な調査やアクションを「Try」の付箋にまとめる

「発見したこと」「気になったこと」の付箋をメンバーで確認していきます。その中で、今後調査が必要な箇所や、プロダクト改善として取り入れていきたい内容を「Try」の項目として付箋でまとめていきます。この「Try」の項目からプロダクト改善に繋がるヒントが得られます。

1つ注意したいのは、調査で「他社にあって自社にない機能」がいくつか上がってきても、すぐには改修に取り入れないことです。本当に必要とされ、使われている機能であるかは、一度検討することが大事です。

🟣 気づいたこと
・UIUX改善で取り組むべきポイントが見えてくる

・UIUX改善に限らず、サービス全体で今後必要なアクションが見えてくる

2. 『価値分析』を行い、ユーザーへの提供価値を知る

『価値分析』のワークショップで、本質的な提供価値を知る

UX設計では「どんなユーザーがプロダクトでどんな行為をどんな理由で行うのか、そしてそのユーザーは本質的に何を求めているのか」を細かく追っていき、把握することで、ユーザー自身も意識していないような本質的な価値を分析します。

ただ、そのような価値分析のために、始めからコストをかけてユーザーにインタビューを行えない場合も多いと思います。その場合、一度社内で簡易的に行ってみることをおすすめします。

今回は、KIDSNAシッターで行なった簡易的な方法をご紹介したいと思います。

💡どのように行なったか

Work 1. 行動・要因を細かく追って、本質的価値を探る
Work 2. 『ペルソナ』になりきり、悩みを探る

Work 3. 理想像を書き出し、『提供価値』を探る
Work 4. 『提供価値』をグルーピングしてまとめる

Work 1.  行動・要因を細かく追って、本質的価値を探る

Work 1 価値分析

Work 1 の『価値分析』では、下記3つの観点で付箋を貼り出していきます。

A. ユーザーの行動、モチベーション、課題
→ なぜ使うのか、予約に至る要因、継続利用の要因、利用時に大事にしてい   ること、利用前に心配なこと
B. ユーザーの価値観

→ 何を便利と感じるか、何を不便だと感じるか、時間に関する考え方、お金に関する考え方
C. どんな状況でアプリを使用しているか

社内メンバーで行う場合の難しさは、ユーザー視点になりきれないことがあることです。ここで役に立ったのが、KIDSNAシッターで過去に保護者やシッターに向けて行なったインタビューやアンケート回答や、ベビーシッター経験があり、保護者の声を直接聞いている社員の声です。

そのような定性データが既にある場合は、事前にmiro上に貼り出しておくことで、ワークの時間短縮にも繋がります。

🟣 時間短縮のために工夫したこと
・過去のインタビューやアンケートで得られた回答は、事前に貼っておく
・付箋を事前に貼っておくことで、初めてのワーク参加者にも自分が何をすべきかが伝わり安くなる
・シッター経験があり保護者の声を聞いている社員へのヒアリングも、ワーク中ではなく事前に済ませて、付箋を貼っておく

Work 2. 『ペルソナ』になりきり、悩みを探る

Work 2 共感ペルソナ

Work 2では、4つの属性でリアルな人物像に落としこんだペルソナを設定します。KIDSNAシッターでは、まず大きく「新規ユーザー」と「ヘビー・ミドルユーザー」の2つに分け、それらをさらに、子供の人数、夫婦の就業状況、性格や環境の違い、サービスを利用する頻度といった観点で分けて、4タイプのペルソナを設定しました。

Work 1で得られたユーザーの価値観に留意しながら、なりきってもらうペルソナをチームメンバーに振り分け、どのような悩みを抱えていそうか、付箋で書き出していきました。

書き出せたら、同じような悩みの付箋同士、軽くグルーピングします。

🟣 時間短縮のために工夫したこと
・事前に4つの属性のペルソナは設定しておく
・なりきってもらうペルソナは事前にメンバーを割り振っておく

Work 3. 理想像を書き出し、『提供価値』を探る

Work 3 提供価値

Work 2で書き出した各ペルソナの悩みを、下の文章フォーマットの①②③をテキストで穴埋めする形で完結させます。

私たちはペルソナAさんの「 ①テキスト穴埋め 」に対し、
「 ②テキスト穴埋め (機能・仕組み) 」を提供することで、
③テキスト穴埋め (機能・仕組み) 」を実現できると信じます。

具体的にユーザーに提供できる価値がどのようなものか、言語化することで見えやすくなります。

🟣 難しかったこと
・①に入る「保護者の悩み」を解決できる機能がどんなものなのかを②で言語化すること自体が難しい
(Work3のスクショを見てわかるとおり、②の機能の部分で空欄が目立っています。ここを分析することが一番重要で、難しいポイントです)

Work 4. 『提供価値』をグルーピングしてまとめる

Work 4 提供価値グルーピング

Work3で洗い出された提供価値を、似たもの同士の付箋を近くに貼り、グルーピング化します。グループごとに共通しているユーザー価値を言語化し、グループのタイトルとして大きな付箋に書き出します。

今回のワークショップでは、「安心して子どもを預けられること」「自分の時間を作れること」「子育てのパートナーとマッチングできること」「長時間子供を預けられること」「子供を成長させられること」の5つを導き出すことができました。

🟣 気づいたこと

・グルーピングすると、保護者にとっての本質的価値が見えてくる

・今後サービスとして強化すべきポイントが見えてくる

・ユーザー視点を改めて知ることで、プロダクト改善の考え方が強化される

まとめ

ここまで前編として、KIDSNAシッターでの『競合アプリ調査』と『価値分析』の行い方の2点をご紹介しました。UIUX改善の一環であるワークショップは、コストをかけて大々的に行わなくても、社内で簡易的に行う方法はいくつもあると思います。今回ご紹介したものはあくまで弊社の一例ですので、少しでも参考にしていただける部分があれば幸いです。

ぜひ「KIDSNAシッター編(後編)」も読んでみてください!
https://note.com/nextbeat_design/n/n971d46507487

最後に

毎週木曜日20時より、バーテンダーが作るお酒を楽しみながら気軽に社員と交流できる「NEXTBEAT HUB」が開催されています!
少しでもネクストビートやデザイン業務が気になりましたら、まずは気軽にお話ししましょう🎉 
ご参加希望の方は下記からお申し込みください!



そして、もしよければ「UIデザイナーに求められるスキル」に関する記事もよろしくお願いします🙇‍♀️


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