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『夢を実現させるために、最も大切な行動とは?』 Vol.2

前回の記事はいかがでしたか?

「情報収集」

この4文字の重要なキーワードを理解していただけたかと思います。

今回はもう少し具体的に、僕が大切にしている2つのポイントについて解説してみようと思います。

キーワードは、

・変換力を身に付ける

情報を制限する

「情報収集」のために必要なのは、この2つです。

|変換力を身に付ける

「変換力」とは、僕が勝手にそう呼んでいるだけの言葉です。

前回も解説したように、音大入試までの情報は比較的オープンに開示されていますが、卒業後についてはよくわからないのが現状ではないでしょうか。

僕はけっこうテレビという媒体が好きで、周りからは忙しくて観ている暇がなさそうと思われがちなんですが、実はけっこう観ています。

そんな中で参考にする事が多いのが、

1. ビジネス関係の番組
2. アスリートをはじめ、他分野のプロフェッショナルが出演、特集されている番組
3. 芸能人が現実を語っている番組

の3つです。

その理由について、1つずつ解説していきますね。

1. ビジネス関係の番組

言うまでもないですが、何度もこの記事の中で伝えているように、「音楽で生計を立てる」というのはビジネスだからです。

参考:『音楽は“ビジネス”だ!』

時には誰もが知っているような大企業の社長さんが、理念や成功のノウハウを語っていたり、時には僕よりも若いベンチャー企業の社長さんが、斬新なアイディアを紹介していたりします。

ちなみに、コンビニエンスストアには約2800種類の商品があり、1週間に100種類ほどが入れ替わっていて、1年後に残るのは数%だそうです。
こんな情報もテレビを通じて入手しました。

自分がふだん毎日利用しているコンビニは、それくらい新鮮さを失わない企業努力をしていて、ライバル会社はそこに商品を置いてもらうために、熾烈な生存競争をしているという事に気付きます。

一見音楽家とは何の関係もないような話ですが、自分の状況に置き換えて物事を考える「変換力」があれば、それを音楽家(自分自身)の生存競争に置き換えて考えられると僕は思います。

大学の経済学部に行って専門の勉強をしなくても、もっと簡単でわかりやすくて実践的な情報を収集する事は可能なんですね。

この「変換力」をまてば、自分が何か物を買う時や、お金を払ってサービスを受ける時のすべてがビジネスの勉強になり、「こういう商品だから自分はずっと使い続けているな」とか、「こんな接客の店には二度と行かない」といった経験を、自分の音楽家としてのあり方に置き換える事が出来るのです。

2. アスリートをはじめ、他分野のプロフェッショナルが出演、特集されている番組

自分のパフォーマンスを限界まで引き上げる努力を常に怠らない世界的なアスリートや、こだわりを持った料理人、ノーベル賞を受賞するような学者さんは、まさに「プロ中のプロ」ですよね。

これらの方々のドキュメンタリー番組は、音楽家を扱ったものよりはるかに多い気がします。

分野は違っても、その道を極めた人の話はとても勉強になり、「変換力」を使えば、自分自身のプロ意識をより高める事が出来ますし、繊細な身体の動きが必要な音楽家にとって、アスリートのメンタルやフィジカルの使い方はとても勉強になります。

音楽家はいまだにアナログなところがあり、気合と根性、過去の習慣や伝統を信じ続けている人も多い気がするのですが(中高生の吹奏楽部などは顕著です)、「スポーツ医学」という言葉があるくらいで、アスリートの世界のほうがはるかに進歩したテクノロジーで心身と向き合っていると思うのです。

音楽を科学的に分析した番組などはほとんど観た事がありませんが、アスリート関係の番組は、スポーツニュースの特集なども含めれば、ほぼ毎日やっていると言っても過言ではありません。

こんな有益な情報を「変換」しない手はないのです!

3. 芸能人が現実を語っている番組

音楽家というのは、広く解釈をすれば「芸能界」の一部であり、芸能人であり(余談ですが、僕は「芸能人健康保険組合」というところに加盟しています)お笑い芸人や役者、声優の世界のピラミッドはほとんど我々と同じです。

お笑いを例にとると、たけしさんやさんまさん、タモリさんのような大御所が比較的高齢でも君臨し続けていて、その下にダウンタウンさんたちがいます。

そこからちょっと下になると、能力はあっても上が退かないので、なかなか冠番組をもつ事が出来ません。

ひな壇芸人やリアクション芸人などという言葉もあり、何らかの「売り」を身に付けた中堅クラスの人たちまではそれなりに仕事がありますが、不景気でスポンサー料が下がっている事や、ネタ番組の減少により、若手はM-1グランプリのような大会で優勝する事に命をかけています。

もちろん優勝するのは凄い事ですが、1年経って新しい優勝者が出たら消えてしまう人もいますよね(仕事を維持するというのはそれだけ大変なのです)。

そして、本戦でテレビに出られるのはほんの数組で、実際には数千組の応募があり、その多くはバイト生活、結局は夢破れて消えていきます。

ここに「変換力」を使うと、自分が業界、コミュニティーの中のどんなポジション(立ち位置)で、どんな能力を身に付けていれば生き残れるのかのヒントがたくさん隠されているのではないでしょうか。

このように、音楽関係からの情報とやみくもな練習だけでなく、社会全体に視野を広げ、自分に必要な情報に「変換」する習慣を付けたほうが、サバイバルに勝つ確率は上がると思いますね!

次回はもう1つのキーワード、「情報収集」とは真逆に感じるかもしれない、「情報を制限する」というトピックで書いてみようと思います。

著者 藤井裕樹(ふじいひろき)プロフィール

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NPO法人ネクストステージ・プランニング音楽ディレクター
株式会社マウントフジミュージック代表取締役
Trombonist, Composer, Arranger, Teacher, Writer, Producer, Consultant

LIFE WITH MUSIC「音楽と共にある生活を」

1979年大阪府生まれ。都立小平南高等学校在学中、第4回日本トロンボーンコンペティションにおいて第3位入賞。アメリカネバダ州立大学ラスベガス校特待生(2005年在籍)。 19歳でプロとしてのキャリアをスタート。国内外の多くのジャズアーティストとの共演の他、東京ディズニーリゾートでのパフォーマンスや、大塚愛、関ジャニ∞、矢沢永吉などのJポップ、ロックアーティストのツアー・ライブサポートや、CDレコーディング、CM音楽のレコーディングなどに参加。作編曲家としては、東京ディズニーリゾートや東京スカイツリーのイベントなどを手がけ、講師としては、2008年から2015年まで(財)ヤマハ音楽振興会認定講師を務める。2016年3月11日、自身では初のリーダーアルバム「Lullaby of Angels」をリリース(東日本大震災チャリティーCDとして)。 2017年1月、NPO法人ネクストステージ・プランニングの音楽ディレクター(プロデューサー)に就任。若い音楽家が自立するためのノウハウを書いたブログ「音楽家のサバイバル術」の執筆も行うほか、これまでの経験を生かし、楽器可物件の不動産会社や音楽事務所、ライブハウス、個人の音楽家などのコンサルティングも行っている。

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