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『フリーランスで成功するための“10の秘訣”』 Vol.2 自己管理が出来ている

今回は

2. 自己管理が出来ている

についてです。

自己管理の最も基本となるのが、「健康管理」です。
健康第一、身体が資本というのは当たり前の事ですよね。

サラリーマンが健康管理を怠って良いという話ではありませんが、有給休暇があったり、休んでもすぐに職を失うリスクがないという点で、やはり恵まれていると感じます。

あなたが休んだら、周りはどうなるか?

フリーランスの場合はどうでしょうか?
当然の事ながら、休むと共演者、関係者に迷惑がかかります(これはサラリーマンも同じですが)。

具合が悪いまま現場に来て、その後インフルエンザで帰らされた人を見た事があります。
劇場やツアーなど、何日にもわたって本番が続いている場合、それが元で公演中止にもなりかねないので、本当に迷惑ですよね。

既にリハーサルも終了している仕事で本番直前に病気になり、大慌てで現場のマネージャーさんが代役(トラ)を探しているという光景も何度かありました。

あなたが休んだら、「次」はあるか?

その結果どうなるか言ううと、リハなしでもこなせるような優秀な奏者が必ず来るんですよね。
言い換えれば、代わりはいくらでもいるという事です。

僕が関わった案件では、病気になった奏者はクビになりませんでしたが(実績、信頼もあったので)、ほかに優秀な奏者が見付かってしまうわけですから、もしも2,3度同じような事が続けば、次は呼ばれない可能性も十分にあります。

たとえさほど重症でない風邪であっても、その状態でベストのパフォーマンスは出来ません。

若手のうちで、まだ実績も信頼もない場合、やっとの事で呼ばれた仕事で病気になったら、仮に穴を空けなくても印象は良くないですよね。

マネージャーの立場から見ても、代役探しは本来やらなくても良い仕事で、言わばサービス残業です。
同じレベルなら、健康な人を仕事に呼びたいというのが雇う側の心理ではないでしょうか。

僕が肝を冷やした経験

他人の事を偉そうに書いていますが、僕自身も20代前半の時、テーマパークのショーで1日穴を空けた経験があります。

不摂生による夏風邪で、高熱を出してしまいました。

当時のテーマパークの仕事はダブルキャストではありませんでした。
そして当然の事ながら、テーマパークは暗譜で振り付けなどの演出付きです。
どんなに優秀な奏者でも、そう簡単に代わりは出来ません。
しかも僕は1st(トップ)を吹いていました。
さらにその日は、夜に都内でライブの仕事も入っていたのです。

テーマパークのほうは、一緒にプレイしていた3rdトロンボーンの方が東京藝大卒の超優秀な人で、耳がめちゃくちゃ良く、1stの音を全部即興で吹けるという事で、その方が1stに繰り上がり、代役を務めてくださいました。

ライブのほうは既に事前のリハーサルも済んでいて、譜面も自分で預かっていたうえ、難曲ばかりだったので、薬で熱を下げて参加し、何とか2ステージを乗り切りました(翌朝にはもうテーマパークのショーに復帰しました)。

テーマパークは年間契約だったので、それが元でクビになったりはしませんでしたが、単発の仕事ではなく、ポジションが保証されている現場で良かったなと感じましたね。

とは言え、共演者に迷惑をかけてしまったのには変わりないし、実際僕より優秀な奏者が代役を務めてくれたわけで、これが単発の仕事だったら、この方に仕事を取られていたかもわかりません。

食事と睡眠 ~ 若くても身体のメンテナンスは大切に

それ以降、気持ちが引き締まり穴を空けた事はないですが、若いころは収入が少なくて、ファストフードやラーメンなどで食事を済ませたり、アレンジの仕事で徹夜をしたりで風邪を引く事もたびたびありました。

今は年齢的に無理がきかなくなってきているのもありますが、収入も安定してきているので、外食でもなるべく栄養バランスに気を付けたり、サプリメントをとったり、仕事が残っていても徹夜をしない、睡眠は十分にとるなど、さまざまな事に気を使っています

若いうちは収入も少なく、偏食になってしまうのもある程度仕方がないし、実際多少の睡眠不足でも頑張れてしまうのですが、僕の場合は当時の無理がたたり、今、身体のメンテナンスなどにお金がかかったりしているので、もう少し気を付けておけば良かったと後悔しています。

フリーランスに有給休暇はありません。
音楽家というのは、メンタルもフィジカルもとても繊細な仕事だと思うので、一つしかない自分の身体を大切にしてくださいね

「商品」としての自己管理

自己管理は健康管理だけではありません。

人を物に例えるのは良くないですが、あなたはある意味「商品」なので、服装や髪型などの身だしなみも大切です。

どんなに美味しい食材を使っていても、お皿が汚れていたり、盛り付けが汚い飲食店には行きたくないですよね(どんなに楽器がうまくても、身だしなみがきちんとしていないとお金を払ってもらえません)。
これも立派な自己管理です。

それから、これは

 3. 時間、期限を守る
 4. 電話、メールなどできちんと連絡が取れる

ともリンクしているので、次回に触れますが、時間やスケジュール管理(タイムマネージメント)もフリーランスには重要な自己管理のスキルです。

では、今回はここまで。

著者 藤井裕樹(ふじいひろき)プロフィール

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NPO法人ネクストステージ・プランニング音楽ディレクター
株式会社マウントフジミュージック代表取締役
Trombonist, Composer, Arranger, Teacher, Writer, Producer, Consultant

LIFE WITH MUSIC「音楽と共にある生活を」

1979年大阪府生まれ。都立小平南高等学校在学中、第4回日本トロンボーンコンペティションにおいて第3位入賞。アメリカネバダ州立大学ラスベガス校特待生(2005年在籍)。 19歳でプロとしてのキャリアをスタート。国内外の多くのジャズアーティストとの共演の他、東京ディズニーリゾートでのパフォーマンスや、大塚愛、関ジャニ∞、矢沢永吉などのJポップ、ロックアーティストのツアー・ライブサポートや、CDレコーディング、CM音楽のレコーディングなどに参加。作編曲家としては、東京ディズニーリゾートや東京スカイツリーのイベントなどを手がけ、講師としては、2008年から2015年まで(財)ヤマハ音楽振興会認定講師を務める。2016年3月11日、自身では初のリーダーアルバム「Lullaby of Angels」をリリース(東日本大震災チャリティーCDとして)。 2017年1月、NPO法人ネクストステージ・プランニングの音楽ディレクター(プロデューサー)に就任。若い音楽家が自立するためのノウハウを書いたブログ「音楽家のサバイバル術」の執筆も行うほか、これまでの経験を生かし、楽器可物件の不動産会社や音楽事務所、ライブハウス、個人の音楽家などのコンサルティングも行っている。

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