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ブロックチェーンの基礎【NEXCHAIN勉強会】

こんにちは、NEXCHAINです。

今回は、6月に対面形式で開催した会員様向け勉強会「ブロックチェーンの基礎」の概要について、かいつまんでご紹介します。
講師はNEXCHAINの基盤構築者です。6社10名の会員のみなさまにご参加いただきました。

会場の様子

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンと聞くと、ビットコインを連想する人がいるかもしれませんが、ビットコインなどの暗号通貨を支える技術として開発されました。
ブロックチェーンは、あらゆる分野の既存のビジネスを変革する可能性を持っており、汎用的な技術として様々な業種・業務への適用が検討及び推進されています。

ブロックチェーンとは、参加者間でデータを共有することにより、安全で信頼性の高いデータのやり取りを実現するデータベースの一種です。
従来システムのような第三者機関を経由する中央集権型ではなく、利用者同士が直接取引できる非中央集権型のシステムとして利用できます。

勉強会資料より抜粋

例えば、家賃の支払いを考えてみましょう。中央集権型のシステムでは、ほとんどの人が銀行などの第三者機関を通じて家賃を支払います。銀行はその取引に伴う手数料を受け取っています。
一方、非中央集権型のシステムでは、全ての参加者が取引を監視できる状態で、借主から大家へ直接、透明性のある形でお金のやり取りが行われます。仲介者が不要なため、手数料を節約できます。しかし、この形式では不正を防ぐための独特な仕組みが必要となります。その一つがブロックチェーンです。

ブロックチェーンの特長:「なりすまし」を防止

ブロックチェーンの特長の一つに、「デジタル署名」という機能があります。これにより、「なりすまし」や「データ改ざん」を防止することができます。その実現には「ハッシュ値」と呼ばれる技術要素が一役買っています。例えば、2つのHello,Worldという文字列があります。

勉強会資料より抜粋

Hello,World!  ⇒  ハッシュ値: 2ef7bde608ce5404e97d5f042f95f89f1c232871
Hello,World.  ⇒  ハッシュ値: 94eeeedb63ac88ca0b0b26973296f8c25b8f1b9e

「Hello,World!」と「Hello,World.」の二つの文字列は微妙に異なりますが、そのハッシュ値は全く異なるものになります。これにより、データが少しでも変更されると(つまり、改ざんされると)、整合性が取れなくなります。

ブロックチェーンの特長:スマート・コントラクト

ブロックチェーンの重要な特性の1つは、スマート・コントラクトです。
これは「特定の条件が満たされたときに自動的に行動するプログラム」を指します。
スマート・コントラクトの概念を理解するためには、「自動販売機」が良い例となります。「自動販売機」は「投入した金額」と「選択した飲料のボタン」という2つの入力条件に基づき、「飲料の出力」と「おつりの返却」を自動で実行します。このように人手を介さずに手続きを自動化することは、これまでのあらゆる手間を削減し、利便性を向上させる可能性を持っています。

勉強会資料より抜粋

ブロックチェーンのモデルや適用パターン

ブロックチェーンのモデルには、パブリック型コンソーシアム型プライベート型の3パターンがあります。
パブリック型は誰でも使用でき、例えばビットコインがあります。コンソーシアム型とプライベート型は、参加者の範囲を限定します。コンソーシアム型は特定のグループや組織によって管理するブロックチェーンであり、NEXCHAIN基盤がこれに該当します。プライベート型は単一の組織や個人に限定して利用するもので、セキュリティレベルがより高くなっています。

どの種類のブロックチェーンが適用されるかは、目的や状況によります。
パブリック型は完全な透明性が必要な場合、コンソーシアム型は特定の業界や組織間でのデータ共有が求められる場合、プライベート型は特定の組織内部でのセキュリティが重視される場合に適用されます。

勉強会資料より抜粋

ブロックチェーンは、当初は金融分野で取り組まれていましたが、技術が進歩していくにしたがい、非金融分野へも拡大しつつあります。非金融分野の事例として食品トレーサビリティを紹介します。

勉強会資料より抜粋

2018年、米国でロメインレタスが原因とみられる大腸菌感染が拡大し、200人以上が感染し大きな被害をもたらしました。これを受けて、ウォルマートでは、食品の調達経路透明性確保のため、生産地から店舗までの全経路を追跡できるようブロックチェーン技術の導入に踏み切りました。
それまでは7日かかっていた調達経路特定作業がバーコードを読み取るだけで可能になり、時間の大幅短縮に繋がりました。
また、2022年の熊本県産アサリの産地偽装問題後には、九州産アサリのブランドを守るために、ブロックチェーン技術を活用した流通経路の透明化が導入されました。この取り組みにより、今後の食品産業の進歩に大いに期待が寄せられています。

ひと通りの解説が終わった後は、ブロックチェーンの市場規模や、社会の中での普及状況、ブロックチェーンの導入が進まない理由などがディスカッションされました。
講師からは、「既存の中央集権の仕組みをブロックチェーンに置き換えるのではなく、まずはサブシステムを組合せながら取り組んでいくこと」というコメントがありました。最初から大きいことをやろうとすると、うまくいかないようです。
ネットワークのスピード、法規制など、難しい問題はありますが、ステークホルダーとの協力のもと、連動していきたい、とのことでした。

会場の様子

参加者のみなさんの満足度は高く、また次のようなコメントを頂きました。
「質疑も含め非常に勉強になりました」
「周りの方の質問を聞きながら、理解が深まりました」
「対面での勉強会いいな、と思いました」

8月には、今年度2回目の勉強会、「更なるDXの推進に向けた新たな技術動向」を開催予定で、現在お申込みを受付中です。会員のみなさま、お待ちしていますね。


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