台風の日に休める社会がいい。
わたしは今回の台風15号の件で、「台風だろうがなんだろうが会社に行かなければならない」という暗黙の了解みたいなのが崩れるきっかけになって、日本が少し生きやすい国になるんじゃないかって思っています。
津田沼駅の『駅に入るまで2時間以上も並ぶコミケ状態』を見て思ったのは、この中のいったい何人の人が、"会社に行きたいから行く"と選択して並んでるんだろう。いったい何人の人が本心では "なんでこんな日にまで仕事行かなきゃならないんだ"って思ってるんだろうってこと。
たぶん行きたくて並んでた人なんてほとんどいないし、みんなできることならこんな日は無理せず家にいたかったんじゃないかと思う。
やりたくないことをやったり、本当はおかしいと思ってるのにルールだからみんなやってるからと従うとき、わたしたちは「それしか選択肢がない」と思い込んでいる。よくいう言葉だと「思考停止」してしまっている。
職場のみんなにもお客さんにも迷惑はかけられない。今日中にやらなきゃいけない仕事がある。道路が冠水しようが電車が本数減らそうが、会社にはいかなければならない。だから会社に行く以外の選択肢はない。そう思っている。
でもいつだって、YESの選択肢があればNOの選択肢だってある。
這ってでも会社に行くという選択肢があるのなら、断固として出勤しない選択肢だってある。
数時間かけてまで職場に行く選択肢があるのなら、行かない代わりに家で仕事をできる体制を整えるよう上司に提案する選択肢だってある。
わたしたちはいつでも選べる。
だって自分の人生だから。
それを覚えておいてほしい。
冒頭に言った通り、これからは災害時の出勤にNOと言いやすくなると思う。だってみんな「こんなときに出勤するなんてちょっとバカバカしいよね」って気づいたから。
いやとっくの昔に気づいているんだけど、言い出せない空気があった。でも今回あまりにもひどかったから、もうこんなときくらいは出勤しなくていいよね、って言える雰囲気ができた。
昔は踏み絵にNOと言ったら殺されていたり、上司にNOと言ったら左遷されていたかもしれない。でもいまはNOと言ってもいい雰囲気がどんどん出来上がってる。NOが尊重され始めている。
でもまだ完璧じゃない。やっぱりまだ言いずらい空気がある。
でもどうする?日本社会がNOに寛大になるまで待つ?自分の会社がシリコンバレーみたいにフレキシブルになるまで耐え続ける?
人が変わらなければ、社会は変わらない。
わたしたちが「災害時でも出勤しなければ」と思い実際にそうし続ける限り、社会は「みんなそうしてるから、あなたもそうしなさい」と言い続ける。
自分が「こんな日はお休みします」と言えば、周りもNOの選択肢の存在に気づき、みんなが休めるようになる。すると組織も「災害時は家にいよう」と言い出す。
必ず自分が先。自分が変わらない限り周りは変わらない。自分がやりたくないことも我慢してやり続ける限り、やりたくないことも我慢しなければならない社会があり続ける。
変えるのは自分。
みんなは、どうする?
まだ、やりたくないことやる?
まだ、我慢し続ける?
まだ、おかしいと思ってるルールに従う?
もう答えは決まってるよね。
社会を動かすのはわたしたち一人ひとりだから、みんなで日本をもっと居心地のいい国にしよ。わたしたちなら、できる。
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