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<第3回>組織・個人にとっての業務委託のメリット

【1】フリーランスの活用拡大とその背景

(1) フリーランスの活用拡大の状況

クラウドソーシング(「仕事を依頼したい企業」と「仕事を受けたい個人」をオンライン上でマッチングするWebサービス)の運営を行う「ランサーズ」が、2021年11月に公表した「新・フリーランス実態調査2021~22年版」によると、2021年の広義のフリーランス人口は約1,577万人(前年比3.9%増)となりました。

フリーランスの内訳は、「副業系」が424万人、「パラレル系(複業)」が356万人、「自由業」が297万人、「自営業」が500万人で、コロナ禍によるリモートワークの普及などでフリーランス人口は増えたと考えられます。

また、過去1年間にオンラインで仕事をした人は過半数の53.2%に上り、フリーランス業務のデジタル化が進んでいます。また、30%以上が「過去や現在にマネジメント経験がある」と答えており、テレワークで時間に余裕のできたマネジメント層がフリーランスに参入したとみられています。

(2)フリーランスの拡大の背景

①企業側の事情
このようにフリーランスが増えている背景には、発注側である企業のフリーランスに対する姿勢が変わったことが挙げられます。少し前までは、企業側は、「情報漏洩のリスクがある」などの理由からフリーランスの活用に消極的でした。2017年に経済産業省が行った調査(経済産業省「働き方改革に関する企業の実態調査」2017年3月)でも、フリーランスを活用している企業は全体の約18.9%に過ぎませんでした。

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