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キャット・ホームズさんと学ぶインクルーシブデザイン⑨最終回

キャット・ホームズ(Kat Holmes)さん著書『MISMATCH 見えないユーザーを排除しない「インクルーシブ」なデザインへ』を教科書にインクルーシブデザインについてまとめていく連載です。自分用のメモでしたが、共に学び、共に考え、共に行動できる人に向けて連載という形で公開していくことにしました。

インクルージョンの重要性

インクルージョンがなぜ重要なのかについては専門的な理由がある

①解決する価値がある問題に対する私たち自身の思考を拡張する
②私たちの創造力を刺激して、新しい人々と協力し、新しい方法で考えられる
 ようになる
③不確実性
 私たちが排除に巧みに導かれてしまうのは不確実なことを避けるからである
 デザイナーやエンジニアは数学的モデルを使って、デザインの対象者を均質化
 する

不確実性

私たちが取り巻くデザインは年齢とともに私たちを社会的に孤立させるのではなく、どのように社会参加を確実なものにしてくれるだろうか?

それぞれが直面する最も差し迫った不確実性

私たちの能力は常に変わり続ける
多くは老いるにつれて新たな排除に直面する
身体のみならず、社会貢献する能力も変化していく

インクルーシブデザインと未来

インクルージョンを目指してデザインしている時、それは未来の自分自身のためにデザインしている
インクルージョンのデザインは、次世代がどのように私たちを扱い、世話してくれるかをデザインすることなのである

人生において最も重要である人とのつながりを維持するためのソリューションを作ることでもある
そこで求められるのは尊厳、健康、安全性、家にいるような居心地である

人間の行動の複雑さを理解するのに役立つシックデータが必要
人々の行動の根源には文化的かつ個人的な理由がある
そうした人間の行動する理由を理解しようとするのに優れているのは排除されたコミュニティをインクルージョンすることである

テクノロジーの移行期はインクルーシブデザインを取り入れるのに最適な時期
新しいモデルを使って存在しない平均人向けの排他的なデザインにならないようにすることができる

インクルーシブな成長の定義
「人口のあらゆる層に機会を生み出し、もたらされた繁栄の配当を社会全体で金銭とそれ以外の両方で分配する経済成長」

WEF「仕事の未来」

世界経済フォーラム(WEF)「仕事の未来」レポート
未来の仕事に求められる上位10位までのスキル予測

1、複雑な問題解決力
2、批判的な思考力
3、創造性
4、人材のマネジメント力
5、他者との協調性
6、感情知能
7、判断と意思決定
8、サービス志向
9、交渉力
10、柔軟な認識力

これらの技能が重視しているのは、不確実性を理解し、さまざまなアプローチを取って解決に値する問題を提起し、個別の状況に特化したソリューションを見つけること

人間同士の結びつきを築く能力である

インクルーシブデザインと問題解決

インクルーシブデザインの3原則
①排除を認識する
②多様性から学ぶ
③ひとりのために解決し、大勢に拡張する

インクルーシブデザインの原則が排除のサイクルに適応された時、インクルージョンが生まれる
問題解決者として、一つ選択することで排除のサイクルをインクルージョンに転換することができる

デザインについて誰が自身の能力を活かして社会貢献できるかはあなたが決める
そして、彼らの貢献は私たち皆の未来をかたちづくる

ひとつひとつ違うソリューションはさらに多くの人々の役に立つように拡張できる
全てひとつにまとめれば誰もが帰属意識を持てる多様な参加方法を生み出すことができる

私たちが必要なのは個別のニーズ、多様な身体、多様な心に適応する人間の環境のためのソリューションなのだ

まとめ

この世界にあるモノ・コトは合理性や生産性、利便性、速さなど、「人間」としては似つかわないように思います。私たちが人間がまるでロボットになってしまったようです。
この本で学んだことは、その真逆です。
手間かかり、手作業で、長い時間を要し、地道に覚悟を決めて取り組んでいくということ。
皆が目を逸らしてきた排除について、目を逸らさず、むしろ積極的に関与してもらうことやその排除にこそ革新的なソリューションがあるということ。
また、私たちは永遠ではない、諸行無常な存在です。そしてあまりにも多様で、複雑な存在です。でもそれが人間です。
私たちが生み出さなければならないのは、人間味が溢れる愛すべきものです。心が通ったものです。人間そのものをこの世界をインクルージョンしたものです。
私は、私たちがこの何百年かけて作り上げた世界を時間をかけて、手間をかけて、諦めず、百年後にこの世界にいる人たちへインクルーシブな世界に転換させて手渡したいと思います。その一歩がこの本の中にあったのだと思います。



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