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【23卒内定者NEWONEセミナーまとめ】『人的資本経営時代のリーダー育成 人的資本を活かす管理職に必要な7つの能力とは』 vol.2

3. 人的資本を最大限活かすリーダーを育成・サポートするためのポイントをさらに深掘り!

ここからは、Uniposの斉藤知明氏とNEWONE代表の上林とのトークセッションの様子を要約してお伝えします!

Vol.1の講演内容はこちら


Q 組織の人的資本を強化できる管理職を育成・サポートするために、経営や人事は何をしていけばよいか?

NEWONE上林(以下上林):管理職の育成のために大切なことは2つあります。そもそも管理職を育成するのは大変だという前提に立たなければいけません。
一つは、過去を否定しないことが重要です。今までも良かった、ただ、時代が変わってきているからこれからはこういうやり方をしましょう、という風に人事の方も意識すべきだし、経営者の方も意識する。ここを間違えてしまうと、管理職の方も人間なので、感情的に反発してしまうというところがある、ということが一つ大事なことです。
もう一つ、一つ一つの7つの能力がやっぱりそんなに簡単な話ではないので、ちゃんとトレーニングをしていくことが大事な意識かなと思います。

Unipos斉藤氏(以下斉藤):一つ一つの能力を伸ばしていく、という考え方も必要だと思うのですが、NEWONEでリーダーの研修事業をされている中で、人的資本の活用を最大化する上で弱い点はどこだと考えていますか?

上林:全てにニーズはありますが、その中でも2つです。
一つは強み発見力も含めてキャリア支援力ですね。自分が若い頃に、「弱みを改善しろよ」とばかり言われてきているので、ここが難しい、というのが多くあります。ここを変えるだけでも、だいぶメンバーとの関係性もよくなるので、一つ重要になるかと思います。
もう一つは、チームビルディング力です。中間管理職の方はすごく真面目な方が多くて、しかも正当性が高い方が多いので、公平に平等にしよう、というスタンスがすごく強くて、多様な方をうまく活かして、1+1+1を3以上にしていく、という能力が少し弱くなってきます。チームの中のビジョン浸透や、チームの関係構築をするような組織開発などの能力開発が大事になってくる。

斉藤:これまでの成功パターンのみを是としてしまうと、どうしても必要な強みやスキルなどが、いわゆる自分のコピーになってしまうと思うのですけれども。自分たちのチームが成果を出し、変化をしていくために必要な力はこれだ。では、その力って社内やチームで強みを持っている人はいるのかしら、という話なのかなと思いますね。

上林:人を獲得ってなるとどうしてもスーパースター探しをしてしまいますが、基本的にはいないので。本当にここが大事、という能力がある人を見つけてくるとか、ちゃんと育てることが重要ですよね。

斉藤:どうやったら現状を打破、改善できるのか、現状維持するという思考ではないところに入って初めて、人的資本を活かさないと勝てない、というゲームに気がついていく、という順番なのかなと思います。
そう考えるとある意味、今までのリーダーの延長線上でもあるのかなと思います。どうすれば成果を出していけるのか、から、柔軟に人のことを考えていいよ、と言われているとも捉えられますよね。

上林:発想を転換していくことが大事です。

斉藤:実際に上林さんが研修などで触れてきた中で、「この人変わったな」であるとか、「捉え方が素敵な方だな。」、「新しい啓蒙的な捉え方をしているな。」、という方と触れ合うことってありますか?

上林:1日で変わることはないですけれども、半年前と比べてだいぶ変わったなという方はいまして。変化する人の共通ポイントは先程も言っていたようにいい意味で過去を脱却できるか、という点ですね。過去も良かったけど、これから変えた方がいいよね、と思えるかというのが大事です。もう一つ大事なのは、TMOは人に興味関心を持てるか、というのが大事かなと思います。リーダーから期待されているか、関心を持たれているか、というのは数字化できないですけど感覚はつかめますので。


Q 人的資本を活かす取り組みを進めていくうえで、陥りやすい失敗ポイントはどのようなものがあるか?

上林:書籍にもまとめていますが、人的資本経営にありがちな罠は5つくらいあるかなと感じています。

1.経営層だけでやってしまう罠
みんなで参画していく、ということが大事なので、上だけでやりすぎない、ちゃんとTMOを基点としてメンバーを巻き込むということが必要

2.マネジャーに情報開示していない罠
もちろん経営者はデータを見られないと判断できないですが、マネージャーもそれと同じなので、情報をいかに開示できるかっていうのが大事

3.数値化されるゆえ管理・監視したくなる罠
もちろん数値は指標として大事なのですが、一人一人の感情面も配慮して能力発揮するか、ということに注力するかっていうのが大事

4.信頼関係なくデータを収集できない罠
こういった情報を開示していいよね、という信頼関係を会社、経営層と結べるか、もしくはTMOと結べるか、というのが大事であって、これができずにデータを収集できないという場面もある

5.一人ひとりに注目しすぎる罠
真面目な方ほど一人一人丁寧に対応しすぎてしまって結局チームの総和が弱くなるというパターンもある

この辺りが結構注意しなければならない点ですね。


斉藤:基本は信頼と支援なのかなって思うのですよね。いかにリーダーが動きやすい状況を作るか、リーダーに託すことができるか、7つのスキルを経営として育成できる環境を作るか、含めて信頼と支援、と言うワードである意味ひとまとめにすることができるのかな、と今日のお話を聞いていて思ったところですね。

上林:まさしくそうです。信頼と支援。管理職とメンバーの信頼と支援が大事ですが、経営と管理職も信頼と支援の関係ができるのか、こっちが大事じゃないかな、と思いますね。


ここからは、セミナー参加者の皆様からいただいた質問への回答をお伝えします。


Q 否定的な社員とどう接していけばいいのか?画一的なことをこれまでやってきた少し年配の方々に対してどのように対応していくのがいいのか?

上林:踏み込んだところのコミュニケーションとして、Cocolaboという言いにくいことを言ってみる、というツールもあります。
言いにくいことを言えるようにフラットに言えて、それを否定しない、と言う場を設定して、繰り返ししていくと、比較的言いやすくなったり、否定しないで話す、そういった訓練をすることが大事です。とにかく、対話で心理的安全性を確保することが大事ですよね。

Cocolaboに関するセミナーまとめnote記事はこちらから


斉藤:どちらが間違っている、と言う話ではなくて、見え方の問題ですよね。社員からはそこの問題が見えているのを経営層が知らない、理解していないまま発信してしまうと現場のことが見えていないのだな、と感じられてしまいますし。


Q 管理統制型が強すぎて自分ごとにできなくなっている中で、どのようにモチベーションアップにアプローチしていけるでしょうか?変革を促していけるでしょうか?

上林:いきなりパッとは変わらないのですが、一つはベタですけど、ちゃんと表彰、褒賞していくというところで変わっていく。MVPなどをやってみると、意外と動かなさそうな年配の方とかがモチベートされて、変わったりします。
もう一つは、少し信頼関係ができている前提ですが、いかに参画意識をつけていくかと言うことが大事になってきます。例えば、一個上位の会議に参画してもらうとか。
もう一つ組織変革で大事なことは、組織変革はいきなり変わらないので、もちろんうまくいかないことも多いのですが、ちょっとでもよくなったところを見つけて、ちゃんと言う役割をリーダーの方、人事の方がやれるかどうかがキーかなと思います。


Q 7つの力、常に全てが均等に必要なのではなく、場面に応じて〇〇力を発揮する必要になる、という理解でいいのか?どのタイミングでそれぞれの力が必要になるのか?

上林:平均的ではなくて、ベース作りとしてはキャリア支援力、強み発見力で、本人が何のために自分が働くのか、という意味づけができてくるとポジティブになりますので、最初こういうのをしっかりしていく。そしてチームビルディング力などでベースを作っていく。チームが強くないなと思う時にはこれらが大事かなと思います。
オンボーディングと人材獲得は人をとってくるタイミングになりますので、そこのタイミングで発揮すべきだというのはあるかと思います。


Q 経営の人的資本というと、経営計画と紐づいて実施されると思います。経営計画がない状態から計画ありき、ビジョンありきで考えていくものなのか、数年後の姿ありきで考えていくべきなのか。それらがなくても今の延長線上で人的資本を考えていく、という考え方もできるものなのか。

上林:会社の制度がなくて人事戦略や人事制度をやるのは難しいことかなと思いますけれども、これからの人事として大事なことっていかに経営戦略人事戦略を理解できるかっていうことなので。経営がちゃんとやっていないじゃないか!という気持ちを一回抑えて、経営の方と一緒に壁打ちをするという作業が大事なことかなと思います。

斉藤:事業のことを考えられる人事、戦略人事(HRBP)の領域だなと感じました。人事だからこそ人のことを考えていればいい、ではなく、戦略のこと。今後、この会社はこういう経営が起こるはずだから、こういう人材戦略、人的資本戦略でいこう、ということを馳せる必要がある。

上林:より人事がリーダーシップを求められる時代ですので。
変化の時代において、変化って結局後ろを走ると振り回されていくので、できるだけ前を走っていくということがビジネス戦略ですごく大事なことだと思うのです。



今回は、人的資本経営時代におけるリーダーに求められる能力を見ていきました。人的資本を最大化するために、新人や若手のメンバーが各自のポテンシャルを最大限発揮できるよう、支援してくれるリーダーが自分が所属するチームにいたら、心強いなと感じます。メンバーが頑張ることはもちろんですが、リーダーや人事の皆様によって新人、若手を輝かせる支援をしていただけるともっと頑張れます。特に、強み発見力を活用してメンバーも気づいていない強みに気付いてその活用やスキルアップを支援していただけると、信頼関係が生まれて、自分が所属するチームや組織とのつながりがさらに強化されそうだと思いました。



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