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【内定者がレビューしてみた!『人的資本の活かし方』】

こんにちは! 23卒内定者の渡名喜です!

 今回、代表の上林が8月にリリースした書籍「人的資本の活かし方」を読んでのレビューを書か せて頂くことになりました。
 まだ社会人0年目ですが、今後リーダーを担っていく想像を膨らま せながらこの本を読み、内定者から見た「人的資本経営時代の理想の管理職とは?」という視点で記事を書かせて頂きます。

■現場の悩み

 「人的資本」という考えが浸透し始め、企業の組織の方針も変化し、様々な施策が取られるようになっています。しかし、経営層だけが議論を繰り広げ、現場の管理職に丸投げという問題が生じていることも事実です。日々の数字も追わなければならず、従来の組織体制で行ってきた管理職が、ある日突然丸投げされて苦しむ状況は容易に想像できます。
本書ではそんな管理職の方々に向けて、これからのリーダーとして必要なことが具体的に書かれています。レビューを読んで頂いた後で、是非手に取って読んで頂きたいです。

■人的資本経営の時代

 Appleをはじめ、世界の時価総額ランキング上位の企業で共通していることがあります。それは、人材や知財などの無形資産から価値を生み出していることです。それらの源泉が人的資本であり、人的資本とは人間の持つ特性や能力のことです。かつて日本は製造業を世界一に押し上げましたが、その組織のあり方から脱却できず、人的資本への投資が進んでいません。
 しかし、日本の企業も人的資本経営へと大きく変革する必要があります。現状、投資家はESGの流れなど、人に投資する企業を評価するようになり、個人も働く意義や成長がない企業に魅力を感じなくなり、社会も多様性を尊重しない企業は見放していきます。
 このような変化の中で、企業が求めているのは人的資本を生かせるリーダーです。

■人的資本の活用

 人的資本の活用では、具体的に人の能力にフォーカスします。例えば「営業が得意」だけではなく

・アポイントが得意なのか
・優れた営業資料を作るのが得意なのか
・高確率で案件を取るクロージング力があるのか

上記のような分解をして、目的であるチームとしての結果を出すためにその能力を組み合わせます。人の具体的に見極めて勝利のために最適な組み合わせをする。チームが動きやすくなるためにその他のアプローチも行う。
 これらはメンバーに本気で向き合っていく現場のリーダーだからこそできることであり、人的資本を活かせるリーダーは極めて大きな価値を持ちます。

■人的資本時代の新しいリーダー

 本書では、人的資本経営の時代における管理職のことをTMO(チームマネジメントオフィサー)と呼びます。
 これまで、管理職とはピラミッド型の組織で上位方針を部下に伝え、部下の業務を「管理」する仕事が一般的でしたが、TMOは従来の管理職のタテ関係ではなく、メンバーと対等なヨコ関係であることがポイントです。
 さらに、大手企業が優秀な若手を子会社に経営幹部として出向させて経営人材としての経験を積ませるケースがありますが、それと同じことを社内の部門レベルで行うのがTMOです。これまでキャリアとは、社内のポジションとして考えられることが多く、ポジションを社内のメンバーで争うため、上司にアピールするなど社内政治が重要でした。
 しかし、TMOはポジションではなく、組織における機能であり役割なため、特定の組織や企業でしか通用しないものではありません。プロスポーツチームの優秀な監督がチームを渡り歩いてキャリアを磨くイメージです。

■TMOに必要な7つの能力

 TMOを担うにあたって必要なのはチーム経営力です。そのチーム経営力とは以下の7つに分解できます。

1 キャリア支援力
2 強み発見力
3 仕事アサイン力
4 チームビルディング力
5 人材獲得力
6 オンボーディング力
7 全体俯瞰力

 これらの詳細は是非本書の中で知って欲しいのですが、まだ社会人0年目の私が、特に印象深かったのが「強み発見力」です。
 私は、自分の弱みは伝えることができても、自分の強みを自信を持って伝えることが、正直できません。私だけでなく、自分の強みについて即答できる人は多くないでしょう。
 入社したばかりで、できないことばかりに目がいきがちな中では、強みを一緒に見つけてくれる存在はとても心強いです。また、自分の強みを把握して最大限に発揮していくことで、先を見通しながら日々の業務に打ち込んでいけると感じています。
 さらに、 自分を見て考えてくれていることが実感できれば、その後の自己開示が楽になりますし、強い信頼関係が作られるでしょう。管理職の方には、ここを特に期待したいですし、私がリーダーになるときにもここを意識してメンバーと向き合っていきたいと思います。

■読み終えて

 人的資本の時代の新しいリーダーに必要なことを、いずれリーダーになることを想像しながら読んでいきましたが、読み終えて強く感じたのは、「リーダーになる前からこの本を読んで良かった」です。
 人的資本を活かしていくためには、TMOが担う役割がもちろん大きいですが、結局のところ、早いうちからメンバー自身が必要なことを理解して、その視座を持つことが重要であると感じました。
 例えば、印象に残ったTMOのスキルとしてあげた「強み発見力」で考えても、受け身に構えるのではなく、日頃から自分の強みや弱みを考え、メンバーのそれにも関心を持ち続け自律することが重要であり、そのスタンスを持つからこそTMOとも対等な関係が作れるのだと感じますし、他6つに関しても、その状態を作ることで自律的な組織を生むことに繋がっていくのだと思います。
 今、リーダーとして悩みに直面している方だけでなく、これからリーダーになる方にも是非本書を読んで頂きたいです。

上林周平(著),田中 研之輔 (監修)『人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書』 https://amzn.asia/d/9vYmnYJ


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