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“遠隔ヒーリング”は科学的に証明できるか?

今回は、その界隈ではよく知られる“遠隔ヒーリング”に関して科学的検証をしてみます。よくご存知ない方もいると思いますので簡単に説明すると、“遠隔ヒーリング”とは“レイキ”などといった“精神的/肉体的癒し”を何キロも離れた遠隔のクライアントへ送るという施術行為とされています。もちろん「レイキやヒーリング自体を信じてない」「離れた相手に癒しを送るなんてバカバカしい」と一蹴する方も世の中には多いと思います。ただし、世の中にはこの“遠隔ヒーリング”が廃れることもなく行われ続けているというのも事実です。そして真剣に研究している科学者も世界中にいます。そこで今回はこの実現性について真面目に科学的観点から解説していきます。

まず今回の研究論文を紹介する前に“量子物理学”について少し解説します。量子力学(原子より小さな素粒子等)の世界は、我々の日常の物理化学では想像できない奇妙な現象が起こります。代表的な有名なものに「シュレーディンガーの猫(*1)」というものが挙げられます。有名すぎるので詳細は割愛しますが「箱の中の猫は50%生きていて50%死んでいる」という“奇妙な状態”が量子物理学では存在します。“ある量子の状態は測定するまで複数の状態を保持している/観測した瞬間にその結果が決定する/結果は観測という行為によって生ずる”という現象が量子の世界では当たり前のように起こります。初めに「量子物理学では我々の常識では考えられないことが起こる」と認識しておいてください。


次に“量子もつれ(Quantum Entanglement, *2)”について説明します。“量子もつれ”とは本来は専門家による解説が必要かもしれませんが、私の言葉で非常に簡単に説明すると「関連性を持つ量子のペアやグループにおいて、片方の量子を測定するともう片方の量子の測定結果も決定される」「この量子のペアはどれほど空間的に離れていても測定された結果は常に同じように決定される」という性質です。

例えるならば、「ある双子の片方がアメリカで『カレーが食べたい』と思った時、同時に日本にいたもう片方の双子も『カレーが食べたい』と考えていた」、「インドにいる双子の片方が怪我で右手にアザができた時、ブラジルにいるもう片方の双子の右手にもアザができている」というようなシンクロ現象が量子同士の世界では正確に起こり、“量子もつれ”の関係と考えられています(より詳しく知りたい方は解説されているブログや資料を読んでみてください *3, *4)。量子の世界では「片方の性質が決定すると、どんなに離れた関係ない場所にあろうと、量子もつれの関係にあるもう片方の性質も決定される」という法則(*2)を覚えておいてください。

以上のような“量子力学の非常識的な性質”を踏まえた上で、本題の研究を紹介します。タイトルは「培養された線維芽細胞の再増殖における“量子もつれ”の効果(*5)」で2021年9月にドイツの研究者から発表されたばかりの論文です。この研究で用いられている装置は“90.10CUBE”という装置の周辺にトーラス・フィールド(*6)を発生させる量子エネルギー生成装置でメキシコのとある都市の研究所に設置されているようです。

実験対象となるのは培養された線維芽細胞(せんいがさいぼう)で、これは実験によく用いられる人体にありふれた細胞で、傷が治る際などに分裂・増殖して組織を修復する役割の細胞です。この線維芽細胞の増殖・活性化によって傷の治りが早かったり遅かったりします。この実験対象の細胞はドイツの研究施設にあります。細胞培養のシャーレ(容器)をA, B, Cの3種類用意し、Aの位置に対応する写真(細胞の無い容器だけの写真)とBの位置に対応する写真(予め容器に線維芽細胞が充満している写真)をメキシコに送り、量子装置の近くに写真を設置します。Cのシャーレはコントロール(比較対照)のため、写真も撮らずA/Bと同じ環境で細胞を培養するだけです(図2)。尚、AとBは用意する写真は異なりますが、細胞を培養する条件は全く同じです(Cも同様)。

“細胞の増殖と再生の早さ”を測定するために、最初に容器に細胞を撒く際に中央に一定のすき間を作っておきます。細胞の増殖や活性化が活発なほどすき間は早く塞がり、活性化が低ければすき間は広く残ります。A/B/Cを上の条件で24時間培養を行い、同じ場所で3回ずつ/場所を8通り変化させ、計24回の計測が行われ、その結果が解析されました。

実験のやり方をまとめると、
・メキシコの量子エネルギー装置近傍に実験対象の写真をセットする
・量子エネルギー装置といっても具体的に電磁波などを送るわけではない
・二つの研究所は約8600km離れた場所にある
・対象となる細胞に対応する場所の“写真”のみが情報として与えられている
・“写真”以外には装置と培養細胞のつながりは何もない
この状態で「ドイツの培養細胞に何か変化が起こるか?」
という研究です。

実験対象のA/B/Cの細胞の結果は図3のようになりました。まずCの細胞(比較対照)を見てみると、中心部にすき間がまだかなり残っていて細胞の増殖があまり活発ではないことが分かります。次にAの細胞(装置に同じ場所の空の容器の写真を設置)を見ると中心のすき間が狭くなっており、左右から細胞が増殖しているのが観察されます。そしてBの細胞(装置に同じ場所の細胞充満した容器の写真を設置)を見てみると、全体に細胞で覆われほとんどすき間が塞がっていることが分かります。人体であれば“傷が早く治る”という状態と考えられます。

次に24回分の細胞移動距離の計測結果を図4に示します。やはり細胞が活発に活動しているほど分裂/増殖/移動距離の程度が大きくなるため活性化の指標として用いることができます。グラフを見るとまずCのコントロール群(灰色丸)は全体に低いのが分かります。次に高いのはAの“空の容器の写真を設置した”グループ(緑丸)で、最も活発に移動したのはBの“細胞が充満した写真を設置した”グループ(赤丸)となりました。各郡で比較してみると、C群(灰色丸)に対してA群(緑丸)は29.1%(±9.3%)高いB群(赤丸)は37.8%(±8.9%)高い、というように統計学的にも有意に高い活性を示していました(p≤0.01)

実験結果をまとめると、
・A/B/Cの3つの培養細胞に明らかな差が生じた
・装置と写真でリンクされた群(A/B)が明らかに細胞が活性化されていた
・8600km離れた場所で片方に起こした影響が他方に変化を及ぼした
・“写真のみ”で正確な住所や3次元座標も無く相互作用が出現した
・“理想の状態の写真”の群(B)が求める効果が大きかった

以上のような結果で、今回は驚くべき結果が実証されました。もちろん、以前からこのような施術に携わっていた方々にとっては今さら驚くことではないかもしれません。但し、そのような“得体の知れない”“胡散臭い”と言われた施術が理論的にも実践的にも可能であることが科学的に立証されたことが驚くべき新事実と言うに値すると思います。
今回は写真が用いられましたが、“写真”は実はその時の情景の画像を再現しているだけでは無く、“その時の時間的空間的情報も保持している”、そして“撮った写真と撮られた場所の間には量子物理学的なリンク(量子もつれ)が発生している”という考え方をすると今回の現象が理解しやすいかも知れません。

この実験で用いられた線維芽細胞は前述の通り創傷の治癒に深く関連しているので、実際に“傷の治りが早くなる”、“損傷を受けた臓器を回復させる”といったことが現実で起こることも立証されていると思われます。そして遠隔ヒーリングの場合は、対象となる相手を想起することで、思考の中に生じた対象者と現実の中の対象者に量子力学的なリンクが発生し、一方の相手にレイキ等の癒しのエネルギーを送ることによってもう片方にも変化が起こることはこの実験結果からも推測されます。また、癒しのエネルギーを送る際はよく「完治した状態/良い状態/理想の状態をイメージすると良い」とされていますが、それもこの実験によって立証されていると思われます。

我々が日常生活を送っている間に世界では次々と新たなことが解明されていきます。“遠隔ヒーリング”という奇妙奇天烈に聞こえる話も実は高度な量子物理学に基づく未来のテクノロジーを原理としたものであったのかもしれません。この研究ももしかしたら副作用の一切無い、未来の医療の先駆けとなる研究かも知れませんね。

(著者:野宮琢磨)

著者プロフィール
野宮 琢磨 Takuma Nomiya  医師・医学博士

臨床医として20年以上様々な疾患と患者に接し、身体的問題と同時に精神的問題にも取り組む。基礎研究と臨床研究で数々の英文研究論文を執筆。業績は海外でも評価され、自身が学術論文を執筆するだけではなく、海外の医学学術雑誌から研究論文の査読の依頼も引き受けている。エビデンス偏重主義にならないよう、未開拓の研究分野にも注目。医療の未来を探り続けている。

引用文献/参考文献
*1. https://ja.wikipedia.org/wiki/シュレーディンガーの猫
*2. 量子もつれ:Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/量子もつれ
*3. 量子もつれとは何か
https://yuko.tv/quantum-entanglement/
*4. Akihisa Tomita. Generation of Entangled Photon Pairs. 光学 2004, 33-5, p264-270
*5. Peter C Dartsch, Effect of 90.10. Quantum Entanglement on Regeneration of Cultured Connective Tissue Fibroblasts. Biomedical Journal of Scientific & Technical Research. September, 2021, Volume 38, 5, pp 30841-30844. DOI: 10.26717/BJSTR.2021.38.006227
*6. トーラス:Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/トーラス

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