見出し画像

枠組みと抽象化

5月はERが一旦終わり、初診・再診外来が主な業務です。
初診外来は診断困難・治療困難な症例が紹介されてきます。
かなりタフなのですが、非常に面白いです。

1例1例を診療するイメージは物理の難系(当時の無機質な表紙と違ってかなりポップな見た目になってますが笑)を解いている感じと説明していますが、大学受験を引き摺っていて気持ち悪いと言われます。笑

要するに、困難症例に対して思考の枠組みを決め、系統立てて1つ1つのポイントに解きほぐしたり、或いは1つ抽象度の高い枠組みから考える、ということです。

紹介症例であることが多いので診断名がついていることが多いですが、
・本質的な主訴/課題を捉えられているか、思考しやすいバイアス・事前情報に嵌っていないか
・事前情報から考えられる疾患の枠組みはなんなのか
・Biologicalだけで説明できるのか、PsychoやSocialな要素が背景にないか
(ベースは身体→メンタル)
・現状の疾患の枠組みで進めて良いのか、患者の課題解決が出来ていない時は1つ抽象度の高い枠組みで考え、別の切り口で考えられないか
がポイントで、ひたすらそのトレーニングをしている感じです。

臨床と研究に取り組む中で、将来的にそれ以外のテーマに取り組む際に活かせる要素はないかとよく考えるのですが、上記のポイントは課題解決の際に有用だなと思います。そういう風に考えているので臨床も研究も結構楽しく出来ているのかなと。

コンサルの課題解決の本なども読んだりしますが、私はやはり実経験に伴って1つ1つ抽象的な学びを得ていくしかないタイプで、何だか効率の悪い人間だなあと思っていますが笑、愚直にやっていくしかないなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?